徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

青天を衝け 第23話「篤大夫と最後の将軍」

なんかパリに非常に馴染んでいる栄一

 600万ドル借款の件が、薩摩の横槍で頓挫してしまって任務が達成出来なくなった栄一達。しかし何とか資金調達して昭武の諸国に対する親善訪問は達成、その後は留学ということになったようです。日本からは栗本鋤雲がやって来て何とか巻き返しを図りますが、それは功を奏さないというのは、以前に「歴史探偵」でやっていた通り。

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 その際に一行は髷を落として洋装をすることを求められたよう。栄一はとにかくうれしだから満更でないようなんだが、さすがにこれは水戸のバーサーカー連中は耐えられなかったか。我慢出来なくなって離脱する者が数人。まあ栄一達も「うるさい奴らがいなくなって助かる」ってな感じで、喜んで送り出してましたね。まあそもそも髷を落としただけだと、そのままだとカッパになってしまってあまり頭がまとまりませんからね。武士の体面が云々以前にとにかく格好が悪い。

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一方で日本では慶喜が追い込まれつつあった

 一方の日本では、慶喜がそれでなくても少ない側近をまた暗殺されていると。しかも犯行は直参の連中のようだから、そりゃ「なんでそんなことするんだよ」と文句も言いたくもなるわな。そのおかげで慶喜は全部自分で考えないといけない羽目に。よくまあ過労死しなかったもんだ。

 倒幕に動いている薩摩は、あの下品な伊藤博文の元に集まって、倒幕だ、錦の御旗だ、倒幕の綸旨だと騒いでおりましたが、薩摩がその方向に動くことが分かっている慶喜が先手を打って繰り出したのが「大政奉還」。確かにこれって、薩摩が倒幕するための大義名分を奪ってしまう手なんです。実際のところ朝廷は、いきなり「じゃあ明日から政治よろしく」と言われても官僚もなにもいないわけで、しかも奈良時代にみたいに天皇と数人の側近ですべて差配出来るほど政治が単純でない。慶喜にしたら「出来るもんならやってみろ」とケツをまくったわけで、恐らく早晩頓挫して「やっぱり幕府で頼む」と言ってくるだろうことを見越している。

 しかも王政復古のクーデターを行って慶喜を外した政権を組もうとしたら、薩摩にしたらこっち側だと思っていた土佐の山内容堂や越前の松平春嶽、尾張の徳川慶勝辺りが口を揃えて「なんで慶喜を外すんだ」とぶち切れてまとまらず。山内容堂がかなり吠えてましたが、元々彼は雄藩連合で天皇を補佐するという路線なので、政権構想の中に幕府も含んでいるわけで、完全に幕府を滅ぼして取って代わろうと考えている薩摩とは思想が全く異なる。松平春嶽なども基本的にその路線だから、結局は各人の思惑がバラバラ。

 あくまで幕府をつぶすことにこだわる薩摩は、こうなりゃ何が何でも戦争に持ち込むだけとバーサーカー西郷が幕府側が暴発するように陰謀を駆使した模様。慶喜はそんな手で来るのは読んでいるので、薩摩には手を出すなと言っていたのに、江戸の家臣連中は暴発、挙げ句に大坂城の連中まで薩摩打つべしで大盛り上がり。「何でみんなでよってたかって俺の足を引っ張るんだ」という慶喜の最初は怒り、次に絶望、そして最後には諦めのような感情がみなぎる様子を草薙剛がまずまず表現出来ていたのは良し。にしても今まで「何を考えているか分からない」慶喜が、最後の最後になってきてようやく感情を示すようになった。

 

ようやく話が盛り上がってきたのに・・・

 と言うわけで主人公の栄一は全く歴史に関与してません。結局彼は「パリから戻ってきたら明治になっていた」状態になります。もっとも彼自身は外国で銀行とかいろいろ見て、「やっぱり俺は商売人だ」ということを自覚してきたようですが。政治家も軍人も商売人もみんな一緒というのが多分キーワードになるんだろう。商売によって国に貢献するという発想が多分次回辺りに登場するはず。

 ようやく渋沢栄一が渋沢栄一らしくなってきたんだが、次回は8/15まで飛ぶらしい。オリンピックの影響だろう。いっそのこと栄一に「オリンピックは商売なんだ」と叫ばせたらどうだ。

 

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青天を衝け 第22話「篤大夫、パリへ」

「予習」の通りのストーリーが展開します

 今回のストーリーは以前に「歴史探偵」で紹介していた内容そのまんまですね。やっぱりああいう歴史番組は見事なまでに大河の予習を兼ねてるな。しかしここまでまんまだと、こりゃ大河見なくても良いってことになりかねん。

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 いきなり船上で胸がムラムラ・・・じゃなくて、胸がムカムカすると言っている栄一(これって今までのパロか?)。そこに現れる爽やか好青年なイケメン外人がシーボルト。例のオランダ商館にいたシーボルトの息子です。しかし予習していたら分かっているように、こいつがもろにイギリスのスパイ。そんなことは露とも知らずに、シーボルトのことを信用してしまう幕府使節団一行のあまりの脇の甘さ。この時点で先の展開は予測出来る。

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 パリに到着する栄一達一行であるが、しっかりとスパイのシーボルトがついています。何やら裏で画策していたのはあの番組でも紹介していた通り。それに比べると栄一の脳天気なこと。攘夷だったことなんて完全に忘れてパリを満喫してます。もっともあれだけの技術力を見せつけられて、それで攘夷なんてことが実現可能だと考えるのなら、それは相当アホというもの。

 

炸裂する薩摩の陰謀に対して、全く使えない同僚達

 とは言うものの、徳川昭武はなかなか名君の風がありますが、やっぱりそれを取り巻く水戸藩士は確かに懸念していた通りの狂犬並の連中。あの連中の監視も栄一の任務とされてますが、最初から盛大に衝突しているようです。パリの進んだ事物を目にした栄一は完全に商売人モードになっているので、武士というものの融通の利かなさやダメさが散々と身に染みているようです。まあ商売人の常識として、プライドが邪魔をして値切りさえ出来ないよう奴らは役にもたたんわな。

 そして薩摩の陰謀が炸裂。幕府一行はモンブランに丸め込まれてまんまと出し抜かれます。栄一は「モンブランには注意しろ」と最初に吹き込まれてましたが、権限は何もないのでどうしようもないところ。にしても幕臣連中って融通が利かないだけでなく、この手の謀略も全く駄目ですね。本来は戦国時代の武士なんかだったら、謀略は必須だったのですが。どうも泰平の時代の間に武士はとことん役立たずになっていた模様。

 結局はここで幕府が中心権力ではないという認識を持たれたことで、最終的に借款の件は流れてしまいます。モンブランを使って謀略を仕掛けた五代にしたら「してやったり」でしょう。この五代友厚は明治になると実業界で大活躍することになる人物ですので、いずれ栄一の前に現れることになるでしょう。

 

 パリで垣間見える栄一の正体とその頃の慶喜は

 パリでどうも浮かれている感のある栄一達は舞踏会でさらに浮かれている模様。何やら鼻の下を伸ばしいる栄一の様子には、後の「二桁の愛人に子供が50人ぐらいいる」と言われている女狂い外道の片鱗がすでに現れているようです。まあこの作品で描かれている「嫁さんを大事にする栄一」なんての嘘っぱちもいいところですから。ところでこの舞踏会、なんで音楽が選りに選ってベルリオーズの幻想交響曲なの? 確かにあの第2楽章は舞踏会のシーンではありますが、この曲自体はとてもではないが舞踏会には合わないおどろおどろしい曲なんですが。ここは普通にヨハン・シュトラウス辺りで良かったのでは?

 一方の慶喜はと言えば、島津久光の思惑を相変わらずのすっとぼけた様子でサラッとかわしてしまいました。切れ者と言うよりは意外とタヌキという姿を見せています。うーん、タヌキ。そうかこれこそ神君家康公の再来だな(笑)。で、次週はこの「出来る人」があっさりと大政奉還をしてしまうようです。

 一方の血洗島では平九郎が栄一の養子になっているようです。しかし結局はこのことが平九郎を幕末の動乱に巻き込むことになり、彼の命を奪うことになってしまいます。これは来週以降の話でしょうが。

 

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青天を衝け 第21話「篤大夫、遠き道へ」

あっさりとパリ行きを承諾する栄一

 さて、前話の最後で慶喜が栄一のことを思い出したようですが、栄一はいきなりパリ行きを命じられたようです。徳川昭武が派遣されることになったが、それに同行する水戸藩士共(攘夷派の総本山だった)が、外国人見たら何するか分からない狂犬みたいな連中だから監視しろとの仰せ。「よく考えて返答しろ」との話に「参ります」と即答する栄一。こりゃ栄一に話を持ってきた原が「おいおい、待て待て、お前元々攘夷だろうが。なぜそんなに簡単に決められる。」と混乱するのは当たり前。栄一は例によって「胸がムラムラする」・・・じゃなかった「胸がグルグルする」とか例によって意味不明のことを言っているが、実際に節操のない奴である(笑)。国内でくすぶっていたから、渡りに船だ僥倖だという世界。ちなみに番組ではわざわざ「僥倖」って文字を出しているが、そんなに示さないといけないぐらい難しい言葉か?(字は馴染みはないけど) まあこれが民放のドラマだったら「これはチャンスだ」とか言いそうだが(笑)。

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 で、パリ行きを決めた栄一は会計係を命じられた模様。また渡航する前に見立て養子を決めるようにと言われる(この「見立て養子」も文字登場)。渡航は危険があるのでもし死んだ時に家が絶えたら困るから後継ぎがいない場合は誰かを養子にしろということらしい。それだけ当時の渡航はヤバいということで、そりゃ原が慌てたはずだ。とりあえずこの時に栄一は成一郞の弟の平九郎を養子にすることを考えたようだが、実は後にこのことが平九郎の運命を決めてしまうことになる。

 

回りで状況は動き始めている

 一方、故郷に帰った成一郞は「もう攘夷はやめて幕臣として幕府を支えることにした」と兄貴に報告。それに対してあっさりと「それでいいんじゃない」と答えてしまう信念も何もない馬鹿兄貴。ついでに成一郞はこいつまで幕臣に誘って「軍師が必要」なんて言っているが、いやいやこんな馬鹿兄貴が軍師したら幕府軍惨敗だろ。何しろあんな雑な攘夷計画立てるようなマヌケだぞ・・・。

 そうこうしている内に、慶喜と比較的良好な関係を保っていた孝明天皇が病をおして無理やりに神事を執り行った挙げ句に体調を悪化させて寝込んでしまう。どうやら天然痘の模様。病床に見舞いに来た睦仁親王(後の明治天皇)を「来るなと申しただろう」と追い払おうとするが、「ワシは既に種痘を受けております」と答える睦仁親王。「種痘か」と苦笑いのようなものを浮かべる孝明天皇。外国嫌いの孝明天皇にとって、西洋の医療である種痘を次期天皇までが受けているという状況はどのように感じられたか。とりあえずこの番組的にはこれが孝明天皇の最後の台詞になってしまう。次期天皇となる睦仁親王の周辺の公家は反幕府の強硬派ばかり、これで慶喜はさらにやりにくいことになってしまう。そして例のド下品な岩倉具視は「よっしゃ、幼帝を立てて王政復古だ!!」と張り切り始める。

 

慶喜や小栗と盛り上がる栄一

 そして栄一はコスプレ慶喜と歓談。なんか慶喜の腹心って栄一しかいない雰囲気になっているが、これは典型的な大河特有の主人公アゲ。先の「麒麟がくる」でも、斎藤道三の腹心はまだガキの明智光秀しかいないようになっていたが、それと同じ。その挙げ句に何やら家康の遺訓の唱和を始める。何となく「流派東方不敗は王者の風よ」と言い出しそうな雰囲気だったが・・・ってすみません、これは「白鷺館アニメ棟」の方のネタですね(笑)。ここの読者さんには何のことやら分からんだろうからやめます。もし何のことか気になる人がいたら「東方不敗」でググってくれたら分かります(笑)。

 そして小栗上野介と面談して、銭に通じた同士で何となく意気投合する二人。ここでこの前の「歴史探偵」にも登場していた600万ドルの借款の話も出ます。栄一は幕府は大丈夫だろうかという懸念を持っているが、小栗も実際に幕府はもう持たないのではないかと感じている一人。幕府がある限りは金は送るが、そうでなくなった場合は分からんという話。いずれ再会することを誓う二人だが、結局はこれも再会はないはず。小栗は幕府がコケた後は田舎に籠もっていたんだが、血に飢えた薩長政権の手によって処刑されたはず。幕閣の時に薩長に対して主戦論を唱えていたことに対する嫌がらせです。こういうことを根に持って必ず陰険な処分をするのが薩長政権の特徴。とにかくあの幕末のドタバタでは、有為の人材が無駄に多く亡くなっており、小栗もその一人です。

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成一郞に後のことを託す嫁思い(嘘つけ!)の栄一

 ずっと成一郞とすれ違いになっていた栄一だが、長七郎の面会に行った牢でしばらくぶりの再会。パリ行きになったことを成一郞に説明して、平九郎の見立て養子の件と嫁のことを頼む嫁を大事にしている栄一・・・ってのは完全に嘘八百ですね。この作品の栄一は家庭を大事にして嫁にべた惚れという家庭人として描写してますが、実際の栄一は愛人は二桁で子供は50人はいるんではないかと言われている外道です。既に嫁のことを放りっぱなしですが、実は嫁はこの後も散々な目に遭います。まあこの辺りはさすがにそんなこと描けないから、主人公アゲのための歴史捏造。この辺りの話は「渋沢栄一 愛人」とググったらいくらでも出て来ますので。

 栄一は成一郞と二人で久しぶりに長七郎に面会して昔のことを語り合いますが、もう長七郎が盛大にフラグを立てまくってます。実際には明治になるまで牢にいたようですが、次に話が出てくる時にはもう死んでいるという雰囲気がプンプン。

 

 というわけで、栄一は慶喜も嫁も放ったらかしてパリに渡ります。これからしばらくは万博での薩摩とのドタバタになるのでしょう。もうその辺りのシナリオも既に「歴史探偵」で紹介済み。本当にNHKの歴史番組を見ていたら、大河の話は見なくても分かるって言われてるんだが、今回ももろにそうだわ。

 ようやく渋沢栄一らしくなってきましたと言うところ。それにしてもここまでが無駄に長かった。本当にドラマとしての構成が悪すぎるわ。ところで未だに徳川家康が出てくるんだが、まさか明治になってまで解説の家康さんが出てくるの? せめて孝明天皇辺りにバトンタッチしたら?

 

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青天を衝け 第20話「篤大夫、青天の霹靂」

家茂の突然の死で、将軍位を押し付けられる慶喜

 前回、「長州を倒すぞ」と大阪まで出張ってきた将軍・家茂ですが、そもそも病弱だったらしいこともあり、突然に倒れてしまいます。慶喜が駆けつけるが「後はお願いします」の類いの事を言い残してあっさりと死んでしまう家茂。慶喜にしたら「今更押し付けられてもどうすりゃいいねん」状態ですが、他に誰も人材がいないというのが現状、天璋院辺りは慶喜を嫌っているのか、別の将軍を立てようとしたようですが、まだ幼すぎると言うことでこの難局には荷が重すぎる。挙げ句に和宮などは「上様は将軍になったことによって不幸になった。次は慶喜が不幸になればよい。」と完全に将軍位は呪いのアイテムになってしまっている。まあどう考えても火中の栗を拾うことになるのは間違いない。

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 当然ながら栄一も猛反対で「今、将軍になったらもう限界の幕府のすべての責任を負わされることになる」と慶喜に反対を奏上するが、慶喜にしてみたら「そんなことは分かっているが、俺が受けないと誰が将軍になるの?」状態。そもそも慶喜の本音も「俺が将軍になっても絶対に回りの奴が付いてこないから、幕府は家茂に任せて、自分は朝廷対策に専念したかったのに。」というところ。貧乏くじを引かされたのは慶喜自身が一番痛感していそう。

 

栄一も不本意ながら幕臣になってしまう

 結局は慶喜は将軍になることになり、栄一は一橋家の家臣から幕臣になることに。単純に「出世だ、出世だ」と浮かれる回りの連中の中で、幕府はもう限界だから慶喜を中心に新しい政権を立てて欲しいと考えていた栄一にとっては極めて不本意な状況に。

 しかも「将軍になる以上は長州征伐をしないといけない」と栄一もいきなり軍に割り振られることになり、「やっとソロバンの方に生きがいを感じていたのに・・・」と不満タラタラの栄一だが、結局は小倉の幕府軍が惨敗したことで「今更長州征伐なんて無理」と慶喜が出兵を取りやめることに。何か慶喜はどうもこの辺りの見切りが早い。この見切りの早さも優秀なのかやる気が無いのかの評価が分かれるところ。実際に「長州征伐なんて実は誰も望んでいない」なんてこぼしているし。

 

イケメン土方歳三と語り合う

 結局は不完全燃焼の日々を送る栄一は、成一郞と喧嘩したりなど完全に空回り状態。そこにいきなり京都奉行の名代として不審者の捕縛に向かわさせられることになり、新撰組を護衛につけて乗り込むが、「まずは正式に話して進めるのが筋」と妙なところにこだわって、単身乗り込んだ挙げ句に囲まれてあわやという羽目に。昔から、意味のないところに妙に頑固な性分の扱いにくい男である。

 ここは乱入してきたイケメン土方歳三によって助けられ、その後は土方と語り合うことに。佐幕派バリバリの土方に「幕府はもう限界」と言い切ってしまう幕臣・栄一。相変わらず口が軽すぎる男である。土方は一瞬気色ばむんだが、栄一が自分と同じ武州の百姓上がりと言うことを聞いて態度を軟化させる。さすがに瞬間湯沸かし器の土方でもあそこでいきなり栄一を斬りつけないだけの分別はあったか(笑)。結局はそれぞれ考えに違いはあれども日本を良くしたいという意識は同じということで、再会を誓って土方と別れる栄一だが、この二人が再会することは絶対無い。というか、そもそも本当に会ったことがあるかどうかも怪しいところ。

 

そして薩摩の暗躍にいよいよパリ万博の話が

 一方の朝廷側では、中央から追われていた下品な岩倉具視の元に薩摩が接触、薩摩が倒幕の意志を示したことで「王政復古だ」と浮かれる軽薄な岩倉具視。今後、この軽薄男が朝廷を支配していくことになるのであるが、その頃は栄一はパリだよな・・・。

 話の最後にパリ万博のことが出て来ました。パリ万博の話を小栗から聞いた慶喜の頭に浮かぶのが栄一のこと。どうも「あいつは結構優秀だが、使いにくいし、最近はやる気なくしているようだから、いっそのことパリに飛ばすか。」と思いついた模様。恐らく再来週には栄一はパリでしょう。

 と言うわけで話は怒濤のように動き出しました。全く話が動かなかった序盤と比べてまあ動きの激しいこと。このドラマのペース配分はどうなってるんだ? なんかその辺りの設計にまずさを感じるな。やっぱり一橋の家臣になるのが第14話って、どう考えても序盤が無駄に長すぎた。渋沢栄一のドラマはむしろパリから帰ってきてからが本番になるのに、そこを十分に描けるのか? やっぱり私なら、遅くとも第6話ぐらいでは渋沢を一橋の家臣にしてたな。もしかして1年まるまるのスケジュールで序盤を撮り始めたのに、コロナで麒麟がズレたせいで全体の尺が変わって、序盤が無意味に長くなって後は詰める羽目になったか? にしても、1年単位で考えたとしても、あの序盤は3ヶ月もかけるような内容ではなかったよな・・・。実際にあの間に「つまらなすぎて落ちた」という話をよく聞いている。多分私もこのブログのことがなかったら落ちてた(笑)。

 

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青天を衝け 第19話「勘定組頭 渋沢篤大夫」

栄一が商売人としての才覚を出すが

 栄一がようやく栄一らしい活躍を開始しました。一橋の懐を豊かにするべく、米の入札制での売却による販売価格上昇、さらには火薬の製造、そして木綿を特産のブランド化して付加価値を上げる。さらに経済を円滑にするために藩札の発行と矢継ぎ早の手を打ってくる。相変わらずスラスラと調子の良い話しっぷりは、明らかに栄一の本質が武士よりも商売人にあることを示している。攘夷の熱に取り憑かれた厨二病を脱して、渋沢栄一がようやく渋沢栄一らしい活躍を始めました。

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 結局はこの功績が認められ、栄一はついに勘定組頭にまで出世。慶喜を初めとして上役連中は栄一の目論んでいることを完全に理解しているわけではなさそうだが、とにかく栄一が実績を上げているということだけは買った模様。栄一はこのまま経済畑を突っ走ることになります。

 一方の成一郞は元より武断派。結局は自分は武士になったということにこだわっており、あくまで武力によって一橋に貢献するという考えで、多分に当時の武士の共通認識として金勘定のことを軽蔑している節がある。成一郞の目にはひたすら財務畑に突っ走る栄一の姿は堕落にも映る模様。栄一は「懐も大事だ」と言っていたが、実際にいくら戦力を整えたところで補給が尽きたらそこまで。水戸の天狗党も結局はそこのところで破綻したんだが、武力バカになってしまっている成一郞にはその辺りは映らないのだろう。

 

慶喜を取り巻く状況は動乱含み

 ただ一橋を取り巻く状況は波乱の度を極めている。幕府はハリスが要求した条約のための勅許を得るのにドタバタ。挙げ句の果てに「何も出来ずに横槍だけ入れてくる朝廷なんか無視してしまえ」という声まで幕閣から出てくる始末。将軍家茂は「さすがにそれはマズいだろう」と抑えに回るが、収拾が付かず。挙げ句の果てが「自分は力不足だから将軍位を慶喜に譲る」と言い出す羽目に。慶喜は慌てて飛んでいって、勅許は自分が何とかするから将軍やめるなんて無茶はいわないでくれと説得することに。慶喜にすると、今の状況の中で将軍になったところで幕閣が自分の考え通りに動きそうにもないことは分かっているから、「こんなところで押し付けられても・・・」ってのが本音だろう。

 結局は貿易の条約の勅許を得るのは、慶喜が「勅許を得られないなら切腹するしかないが、そうなった時には家臣達がお前達をどうにかしても責任は取れん」と天皇の側近連中に露骨に脅しをかけて無理矢理強行突破。天皇の側近連中は未だに尊皇攘夷とか言った現実味のないことを唱えているような使えない連中と、薩摩に通じているような連中だから、慶喜にとっては邪魔なだけ。救いは孝明天皇自身は慶喜のことを高く信頼していること。結局は慶喜は勅許を得ることに成功する。

 と言うのが今回のドラマの内容になっているが、実際のところはこんなに単純なものではなかったようです。孝明天皇は基本的には攘夷派であったためにかなり揺れていたとか。この時も諸外国がかなり強硬な方法に出て来たせいで勅許を出すこともやむなしという状況に追い込まれた模様。この後は孝明天皇も段々と影響力を失っていき、その挙げ句に突然に病死してしまいます。孝明天皇との関係は決して悪くはなかった慶喜にとってはこれも痛手になる模様。

 で、挙げ句の果てに長州征伐で苦戦中に家茂が倒れる。これで必然的に慶喜が将軍を押し付けられることになるんだが、完全に火中の栗を押し付けられる羽目に。本当に不運な人だわ、この人は。

 

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青天を衝け 第18話「一橋の懐」

天狗党との正面衝突は回避できたが・・・

 栄一達は天狗党を一戦を構えるべく出陣。成一郞は先行してリーダーの武田耕雲斎に密書を届けに。しかし天狗党の面々は既に追討軍との戦いでボロボロの状態。慶喜なら自分達を助けてくれるだろうと京に迫っていた一行にとって、慶喜からの「解散しないと討伐することになる」という手紙は事実上の最後通牒これはキツい。藤田東湖の馬鹿息子は慶喜が日和ったと激怒していたが、さすがに耕雲斎は「我々が一橋様をここまで追い詰めてしまった」と一応状況は分かっている模様。そしてこれが日本での嵐のような尊皇攘夷運動の最後となります。

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 栄一はとりあえずかつての同志と戦闘することにならなくてヤレヤレですが、天狗党の面々は慶喜と合流させたくないという幕府の思惑で全員打ち首(切腹でさえない)。これには慶喜も本音では「すまん」というところだろう。成一郞は「一橋家が武力が無いから幕府に侮られた」と激怒。これで栄一は西国の領土から兵を集めてくると慶喜に申し出ることに。

 

兵を集めに行った栄一の邪魔をする小役人に恫喝一発

 栄一は今の時代だったら自分の檄に乗ってくる若者はいくらでもいるだろうと考えていたのだが、案に反してあまりに冷ややかに迎えられる。そもそも百姓にいきなり戦えと言っても生活もあるし無理かと長期戦に切り替え、近くの塾などに出入りしていたが、そこには自分と同様の暑苦しい奴らが存在している。これは絶対おかしいと感じた栄一は名主達をとっちめたら、代官が栄一に協力するなと言っていたという真相が判明という次第か。

 代官の考えが今ひとつ読めんが、農家の若い連中が駆り出されて収穫量が落ちることを嫌がったのか、単に成り上がりの栄一に手柄をあげさすのが癪だったか。まあその両方という雰囲気だが、栄一が「このまま役目を果たせなかったら自分は死ぬことになるけど、その時はお前も道連れだからな」の脅し一発で強引に協力させてます。栄一も恫喝というスキルを獲得した模様。成り上がりだろうが何だろうが、今の立場は栄一の方が上だからどうとでも脅せるわな。「代官というのはいずこもタチが悪い」ていうのは自分の故郷のことを思い出しているのは間違いない。まあ確かにいつの世も、実は小役人というのが一番タチが悪かったりする。権力を笠に着て保身に走りやすいから。

 無事に200人ほどの兵を集めて帰還した栄一は、慶喜から褒賞をもらうことになるが、その席で慶喜に藩の経済力を強化する必要性を訴える。栄一は無駄に領国でプラプラしていたわけでなく、そういう金策も考えていた模様。やっぱり栄一は本質的に武士よりは商人。ここで商人としての才覚が現れてきた。ようやく栄一が栄一らしいスキルを活用して活躍する展開が登場・・・ということで、やっとここから「大河ドラマ渋沢栄一」開幕である。うん、ここまでの前置きが長すぎた。

 

ここまでが無駄に長すぎて構成が悪すぎる

 本当に前置きが長すぎ。特に一橋家に仕官するまでのエピソードなんてまるっきり無駄。そもそもどうせ史実に存在しない創作ばかりなんだし。本当にこのドラマは、カイコが踊るなんて気色悪い映像作っている暇があるんなら、なんでその辺りのことをしっかり考えてなかったのやら。10話ぐらいまでの話を私なら全3話程度でまとめたな。絶対に描いておく必要があるのは、岡部のクソ代官に対して栄一が反感を抱いたというシーンぐらいで、後は栄一が逃げ出すことになったあの雑なテロ計画ぐらいだけで良い。とにかく一番不要なのがあのグダグダした恋愛物語。渋沢栄一って決して家庭を大事にした人ではないんだから、ああいう話は無用の極地。第1話で栄一の生まれ育った血洗島での栄一の暮らしを描き、あの岡部のクソ代官との話で栄一が幕府はもう限界であることを感じるところまで、後はそれを原動力に尊皇攘夷思想に突っ走る辺りが第2話で、あの雑なテロ計画を立案するがそれが頓挫して逃げ出すところを第3話にしたら、始まって1月で物語が動き出すことになる。結婚なんて途中でナレ婚で十分。

 この作品、序盤にグダグダしすぎたせいで、そこでかなりの視聴者を逃がしていると思う。実際に私もあまりにつまらなくて1ヶ月ぐらいで落ちようかと本気で思ったから。このブログのコンテンツにしているという使命感(笑)がなかったら、間違いなく落ちてたと思う。いくらNHKは視聴率が低くてもスポンサーに打ち切り食らうことがないといっても、この構成はあまりに下手すぎる。実際のところ渋沢栄一の話はここからいくらでもエピソードを盛り込む余地があるので、これからのペース配分考えても、序盤のグダグダは無意味。そのせいで終盤が駆け足にでもなったら何やってるの分からないお馬鹿ぶり。

 

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青天を衝け 第17話「篤大夫、涙の帰京」

禁門の変が発生し、いよいよ攘夷はオワコンに

 関東に出向いて仲間を集めた栄一は意気揚々と一橋家の江戸屋敷に。しかしそこは何やらドタバタと取り込み中。ここで栄一は初めて円四郎が殺害されたことを聞く。恩人の突然の最後にしばし放心の栄一。

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 一方の京では長州兵が大挙して攻め寄せてきていたところ。あくまで尊皇攘夷を実行するために天皇を力尽くで奪還しよういう構え。薩摩はこの機に影響力の拡大を目指すべく西郷が「何なら薩摩も協力するけど、禁裏御守衛総督様はどうするつもり?」と慶喜の元に当て付け兼探り入れに。ここで慶喜は断固として天皇を守る宣言。

 こうしていわゆる禁門の変が発生するのだが、実際に慶喜は軍勢を率いて陣頭に立って戦ったらしい。戦い自体は途中で薩摩が参戦して、その火力で長州軍を圧倒してしまうのだが、思いの外の慶喜の毅然とした戦いぶりに西郷は「こりゃ円四郎が言っていたように慶喜は意外と武力もあるぞ」と慶喜侮り難しの感を強めたようである。もしかしたらこれが後の江戸城無血開城の伏線になるかも。

 禁門の変で破れた長州は、今度は4カ国連合艦隊にボコボコにされて砲台を占拠される事態に。長州でも留学経験のある井上馨や伊藤博文なんかは「攘夷なんて出来るわけがない」と分かっていたが、その意見はまだ長州藩では主流ではなかった。しかしこれで長州は攘夷が不可能ということをあからさまに見せつけられ、薩摩に続いて攘夷を断念することになる。これで世間的にも「攘夷はオワコン」というのがハッキリしてしまう。

 

栄一はしばし妻子と密会するが

 一方の江戸の方は円四郎ロスで悲しむ人々。奥方は例の鳥の絵の掛け軸に円四郎の置き手紙を見つける(やっぱり隠してあったか)。そこには仕えるべき主君である慶喜に出会った円四郎の喜びが記されており、これから来る時代への期待を綴っている。そこからは円四郎が自身が殺されることなど微塵も考えていないことが覗える。この辺りが先週の円四郎の「まだ死にたくない」につながって涙を誘うシーンである。

 軍勢を率いて京に引き上げる栄一達は途中で、何とか釈放された馬鹿兄貴の手配で密かに妻子と密会。まだまだ一緒に暮らすのは無理だが、いずれ事態が落ち着いたら必ず一緒に暮らすと約束する栄一だが、実際にはこの後も勝手にパリに飛んでしまったりとか、正直なところ家庭人としては最低な男が彼なのですが、まあそのあたりは健全なる大河ドラマでは触れません(笑)。結局はしばしの密会は、無粋な仲間たちに水を差されることになってしまう。

 妻子を残して再び京に向かう栄一一行だが、その前に現れるのが例の岡部の陰険無能代官。この無能、栄一達に対してよほど恨みでもあるのか、栄一達を引き渡せと要求。しかしこの要求に一橋家の上役が「彼らは一橋家の家臣なので拒否する」と言い放つ。こう言い切られると陰険代官も手も足も出ない。自分達の立場が変わったことを実感し、それが円四郎のおかげだったことを噛みしめる栄一達。円四郎のためにも一橋家に尽くすことをさらに決意したであろう。それにしてもこの無能代官、何かの度にやたらに出てくるが、もう完全にダメになってしまっている幕府の象徴の役割を果たしている。

 

勝手に期待されては厄介ごとに巻き込まれる慶喜の不幸

 京に到着して慶喜と謁見した栄一達に、「円四郎は自分の代わりに殺された」と語る慶喜。確かに慶喜はジョーイの鬼である斉昭の息子であることから、勝手に攘夷派に期待されたのだが、本心では攘夷なんて不可能と分かっていた慶喜はその方向には動かず、結局それは「君側の奸たる平岡円四郎が慶喜の意を勝手に歪めているんだ」になってしまったのは事実。慶喜にしたら、回りが勝手に自分に期待して、勝手に自分の意向を忖度した気になるという迷惑千万な状態。慶喜の苦々しさが滲む。結局、最後の最後まで慶喜は斉昭の息子であると言うのが最大の足枷になってしまったような気がする。死んでからまでも祟るな、竹中直人(笑)。何か回りが総掛かりで慶喜の足を引っ張っているように見えて、流石に可哀想になってくる。

 しかしその慶喜の苦々しさがさらに募る事件が。尊皇攘夷を唱えて決起していた天狗党が、長州も敗北してもう攘夷はオワコンという空気の中、このままだとジリ貧とばかりに京を目指す。慶喜だったら自分達の心が分かってくれるだろうとこれまた勝手な期待を抱いて。慶喜としては彼らを京に入れてしまったら禁裏御守衛総督としての立場がないし、また周囲からも疑いの目で見られること必然。恐らく慶喜は心の中で「何でこうなるんだ!!」と叫んでいたろう。

 結局は栄一達が引き連れてきた軍勢らで天狗党を迎え撃たざるを得ない状況に。これは栄一達にとってもかつての同志(実際に真田範之助なんかもいるのでは?)と戦うという苦しい事態に。それにしても本当に攘夷派って脳筋ばかりだわ。

 

ところでこの番組、顔優先で配役を選んだんだろうか?

 やたらに目をむきまくる博多大吉が意外と西郷の雰囲気が出ているのが印象的。それにしても西郷どんの時にも感じたが、薩摩の連中が「長州が」と言えば、それがイントネーションの加減でどうしても「チャーシューが」に聞こえて中華料理屋の物語になってしまう。西郷は先々週も栄一に薩摩黒豚のセールスをしていたし。

 ところで慶喜の写真見てると確かに草薙剛に似た雰囲気があるんだな。面長で。もしかしてこのドラマ、顔が似ているのを優先で起用してる? 今後気になるとしたら、勝海舟辺りに誰が出てくるかだな。もっとも勝と西郷が江戸城明け渡しの会談やってる頃は栄一はパリに行ってるので、出て来てもちょい役のような気はするが。

この学習漫画なんて明らかに渋沢栄一本人よりも吉沢亮がモデルだな

 

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青天を衝け 第16話「恩人暗殺」

リクルートに関東に出向く栄一だが、水戸での大混乱の煽りが

 関東に人材リクルートに向かう栄一と成一郞。しかしなぜか円四郎が見送りに現れる。そしてそこで円四郎は栄一に「お前はお前のままで生き抜け」と一言。完全に自ら死亡フラグを立てる遺言となっています。もう今回は円四郎が死ぬのはバレバレなので、もろに段取りを踏んでそこまで持っていきます。歴史ドラマはどうしても事前にネタバレしているツラさはある。

 で、慶喜の方はというと水戸藩に人材派遣を依頼するつもりだったのが、水戸藩は尊王攘夷派が暴走した天狗党の反乱でてんやわんやで慶喜の元に兵を送るどころではない。結局は歴史的には水戸藩はここで内部分裂が祟って、幕末の中心から外れてしまってその後は全く歴史に関与出来ないことになります。それにしても尊王攘夷派って短絡的な奴ばかり。まあ「夷狄を武力で討伐しろ!」ってのはいかにも脳筋で頭悪い考え方ですから、馬鹿ほど染まるんだろうな。面従腹背で力をつけてから寝首を狩ってやれという、したたかな発想になれないもんなんだろうか。まあ井の中の蛙だったんだろうな。

 この反乱の煽りはリクルート活動中の栄一達にも影響が。栄一達がスカウトしようとしていた真田範之助は既に天狗党に合流準備中。一橋に仕官した栄一達を裏切り者扱いする始末。結局、真田範之助とはこれが生涯の別れになるでしょう。とにかく頭に血が上って無駄に命を捨てたがる奴が多すぎ。

 その煽りで栄一の故郷は例の陰険代官のがさ入れを受ける羽目に。で、あの馬鹿兄貴は天狗党の誘いを断ったにもかかわらず、一味の可能性があると牢に放り込まれている模様。弟の平九郎は手鎖にされたようだが、なんか栄一の妹と良い雰囲気に。しかし歴史的には手鎖の刑罰にはあったがこういう展開はなかったはず。なおこの事件のおかげで栄一は故郷に帰れずで、例によって嫁さんは放ったらかしです。

 

一方の京では円四郎がカウントダウン状態に・・・

 京では池田屋事件が起こって、これの黒幕が慶喜だという話に水戸藩士が「佞臣平岡円四郎の仕業に違いない」と勝手に円四郎殺害計画を進めている模様。段々と秒読み段階へ。

 そして慶喜は円四郎に「自分はなぜかいつも回りから勝手に期待されるが、実際のところはそれだけの器ではない」という類いのボヤキ節を。慶喜がこんなことを言ったという記録は当然ないのですが、実際に慶喜の本音はこうだったのではという気は私もしますね。「こんなオワコン状態の幕府託されてもどうすりゃいいねん」ってのが本音だったのではという気がしてなりません。とにかく結果として慶喜は異様に諦めが良かったような気がしますから。

 この慶喜のぶっちゃけのボヤキに対して円四郎は「殿は家康様に似ていると思う」という超ヨイショをした挙げ句に「最後まで付いていきます」という完全にとどめの死亡フラグを自ら立てている。さらば円四郎・・・。

 そして円四郎は門前で護衛が離れた一瞬の隙を突かれて斬殺。まだまだ見届けたいことがたくさんあるだけに「まだ死にたくない」と呟く円四郎の最後の姿がなかなかに胸を打ちます。そして円四郎の死の知らせに冷静さを失う慶喜。ドタドタと円四郎の死体に駆け寄ると号泣。異常に感情が薄かった慶喜が初めて見せる激しい感情でしょうか。実際に腹心の少ない慶喜にとっては円四郎を失うのは痛恨事でした。それにしても水戸藩士って、結果として慶喜の足を引っ張ることしかしてないな・・・。どうもジョーイの鬼だった親父の悪しき遺訓が残ってしまっているようです。なんか慶喜って、結局は親父の亡霊につぶされたのではという気がしてならない。

 この頃、栄一は寄せ集め軍勢を率いて意気揚々と帰還中。栄一達が円四郎の訃報を知るのは半月後になるという話。相変わらず天下の動乱についてはことごとく避けていく栄一である。

 

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青天を衝け 第15話「篤大夫、薩摩潜入」

名前をもらった栄一に隠密任務が

 初給料をもらってうきうきの栄一と喜作ですが、円四郎から「武士らしい名前をつけてやろう」と栄一に与えられた名前が「篤大夫」。何か視聴者も今ひとつピンとこない名前ですが、栄一自身も「何か年寄り臭い」とイマイチの模様。まあ後に「渋沢栄一」で名が残っているところを見ると、結局はしっくりこなかったんでしょうね。一方の栄一が名前をもらったことで喜作も円四郎に名前をねだり、円四郎が苦し紛れに「成一郞」という名前を考えつきます。栄一はどちらかと言えばこの名前の方が良さそう。また喜作も喜んだようで、その後はこの名を名乗ります。実際に歴史でも渋沢成一郞で残っているので、生涯使ったんでしょう。確かに喜作はいかにも百姓臭い名前なので、成一郞の方が格好が良いでしょう。「篤大夫」は「顔の割に派手な名前」と西郷に言われていたところを見ると、やっぱり爺臭い名前なんでしょう。

 

だけど結局は真っ正面から乗り込んでいる

 で、名前をもらった栄一(私も「篤大夫」って名は使う気にならん)は円四郎から隠密を命じられる。任務は折田要蔵の人となりを見極めてくること。折田は薩摩藩士であるが、砲術士と言うことで摂海防禦御台場築造御用掛として、大阪湾に砲台の建設を命じられている。とにかく人材リクルートが必要な一橋家としては、使えそうな人材だったら引き抜こうという腹もあって、栄一に「なんとか潜り込んで見極めてこい」との命。もっとも回りには血の気の多い薩摩藩士もウロウロしてるので、下手したら斬られるかもって話でもある。

 さてここに栄一がどうやって潜り込むのかと思えば、堂々と「一橋藩士・渋沢篤大夫」と名乗って乗り込んでいるのには肩が落ちた。おかげで最初からいかにもヤバゲな薩摩藩士共には「あれは密偵に違いない」と目をつけられている始末。

 で、件の折田要蔵だが、やたらに「摂海防禦御台場築造御用掛」という役職名を「勉強しまっせ、引っ越しのサカイ」の調子で繰り返すだけのわけの分からんオッサン。栄一が瞬時に「こりゃ使えんわ」と判断しているのが覗える。にしてもこの作品、主人公に関わらない人物に関しては大概な描き方をするが、この折田も散々な描き方だな。これ子孫とかから苦情でないのか? 一応この方、後に湊川神社の初代宮司になってるんですが。

 

慶喜は役職を巡って島津久光とバトル

 栄一が折田の調査をやっている間に、禁裏御守衛総督の座を巡っての島津久光と慶喜との対決が。久光はこれに就任することで天皇を抱き込んで政治的発言力を増すことを考えていたのだが、どうやら久光のことをとことん嫌っているらしい慶喜は、それを阻止すべく動く。結果としては裏で平岡円四郎が動き回って、慶喜が禁裏御守衛総督の座に就くことに。怒り心頭の久光は、どことなく陰険な雰囲気のある大久保利通と共に一旦薩摩に退くことになるが、この時に「慶喜の元で動いている平岡円四郎が要注意」という類いの事を言ってるので、裏から手を回すことを考えているのではと匂わせている。

 一方の栄一は結局折田からは得るものは無かったが、栄一にとっての収穫はここで西郷吉之助(西郷隆盛)に会ったことだろう。ちなみに西郷は博多華丸が演じているのだが、やたらに目をむく演技がわざとらしくてギャグっぽいが、元々の派手な顔立ちが幸いして意外に西郷っぽくはある。

 

西郷に見込まれたっぽい栄一ですが、一方で円四郎には死亡フラグが

 折田についての調査を済ませて、一橋家に帰ろうとした栄一だが、どうも薩摩藩士の連中は「どうせ密偵だから、このまま帰さずにぶった切ろう」という雰囲気がプンプンだが、ここで西郷が栄一を酒に誘う。西郷は栄一の人となりを見定めようとしたのだろう。そこで豚鍋を挟んで天下談義になるが、そこで栄一は「幕府は倒れる」と言い切る。そしてその後は力のある諸侯が取り仕切ることになり、それは慶喜になるだろうと。西郷は薩摩ではダメかと話を振るが、栄一は薩摩の殿様にそれだけの徳があるならそれでも良いがと西郷にとっての痛いところをついている。実際のところ西郷は自分を散々冷遇した(どころか島流しにまでした)久光の器量は斉彬とは比較にならないぐらい劣ると考えているのだから、西郷の苦々しい胸中が見えるような気がする。

 結局は西郷は栄一を助けて薩摩の黒豚の売り込みをした(笑)という結果になっている。ちなみに慶喜も豚肉が大好きで、薩摩にしょっちゅう豚肉の献上を命じたから、これが原因で薩摩が倒幕に走ったという噂まであるぐらいなんだが・・・。

 で、ここで西郷から「平岡円四郎のように先が見える者は往々にして非業の死を遂げる」との話が出て、円四郎に死亡フラグが立ちます。実際に栄一が屋敷に戻ると周辺に怪しげな連中がウロウロしており、円四郎の死亡フラグがビンビン・・・と言っていたら、来週死んじゃうようですね。とにかく慶喜には腹心と呼べるような家臣が少なかったので、ここで円四郎を失ったことがその後の運命まで左右することになるようです。

 

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青天を衝け 第14話「栄一と運命の主君」

一橋家に仕えることになった厨二栄一

 栄一がとうとう一橋家に仕えることになりました。一旦は「我々は志があるから考えさせて欲しい」と引き下がったものの、選択肢なんてもうあるはずもない。おマヌケな喜作は名を残すために犬死にしそうな雰囲気でしたが、栄一の方はさすがにもう少し計算高い(笑)。平四郎はその辺りを読んでいたので、まあ多分仕官するだろうと踏んでいたのだが、その通りに進行・・・と思っていたら、栄一は「仕官の前に殿に自分達の建白を聞いてもらいたい」なんて無茶なことを言い始めて、平四郎は「はぁ?」。こいつら一体どこまで増長するんだってのが本音でしょうね。当時の慶喜は幕府と朝廷の間で板挟みの状態で田舎農民の与太話なんて聞いている暇はない状態。平四郎は「無理」と言うのだが、とにかく無意味に頑固なのが栄一。というわけで、とにかく何とかするという話に。

 さて板挟みの慶喜は解説の家康さんが言うところの「ピンチ」な状態。それにしても北大路欣也の無駄遣い、とうとう家康という設定まで必要がなくなってきた。栄一と喜作がやりとりしていた時に、喜作が「お前、まさかチャンスだと考えてるんじゃないだろうな」と言いそうな雰囲気でしたが、さすがに「胸がゾワゾワする」とかいうような表現をとってました。まあその程度は気を使うかと思っていた矢先に、家康が「ピンチ」ですから、本当にこの作品って何をしたいのか分からない。

 

そしてようやく第1話に戻る

 で、平四郎が練った策が、「いきなり会ってくれなんて到底無理だから、とにかくどんな方法でも良いから名前を知ってもらえ」ということで、慶喜が乗馬で走るコースを教える・・・ということで、ここでようやく作品第1話冒頭に登場したシーンにつながるということになったようです。長かったな・・・。とりあえず慶喜が興味を持ってくれたことで面会が実現、栄一はそこで「幕府はもう限界」とか「一橋家が強くなって天下を取る」とか厨二丸出しの自説を開陳することに。黙って聞いていた慶喜であるが、後で平四郎に「特に目新しいものはなかった」という評価。つまりは栄一の厨二構想なんて、慶喜にとっては改めて言われるまでもなく、あっちこっちから突き上げ食らっている内容ってこと。この辺りで視聴者には「厨二栄一の限界」をハッキリと見せつけます。まあ栄一自身もその後に平四郎から現在の状況を教えられて「攘夷はもうオワコン」ってことを言われて(さすがにオワコンとは言ってませんが)、田舎者の天下知らずだったことを思い知ることに。

 

「慶喜、キレる」

 しかし番組ではこの栄一の厨二っぷりが慶喜に影響を与えてしまったのではって展開にしてます。やっぱり主人公アゲは大河には不可欠ってことでしょうか。島津久光と対立を深めていた慶喜、それまで何だかんだと久光の嫌みをかわしていたのですが、久光から賄賂受け取っていた中川宮に対してもろに脅しをかけた上に、久光のことを「天下の大悪党」と名指しするという完全に宣戦布告をぶちかましてしまう。結局はこれで薩摩藩との対立が不可避に。参与会議がこれで完全に崩壊してしまって薩摩は長州に接近することになるので、この時の慶喜の行為は「ストレス溜まりすぎた挙げ句に、酒の勢いでご乱心」ってのが一般的な歴史的評価なのであるが、どうやらこの番組では栄一の厨二っぷりに触発された慶喜が「ついにやってやった」という快挙の扱い。うーん、この辺り、この番組の歴史解釈は大丈夫か? 松平春嶽が「こんなのどうしてくれるねん?」って感じで間でオロオロしてましたが、プッツンした慶喜に振り回される損な役回りになってしまってます。親父の斉昭は阿部正弘を過労死させたが、息子は春嶽を病気にしちまいそう。それに慶喜が草薙剛だけに、酔っ払って裸になって走り回らないか心配になった(笑)。

 というわけでは今回のタイトルは「慶喜、キレる」の方が妥当でしょうね。それにしてもこの作品、先に井伊直弼の描き方が大概ひどかったですが、今回も島津久光の描き方が大概ですね。あれだと単に腹黒くて嫌らしい野心だけがある小者。紛いなりにも薩摩の名君の一人と言われている人物なのですが・・・。まあ西郷を島流しにしたりと西郷とは相性が悪かったので、西郷ファンからは「無能、田舎者、陰険、兄と違って不肖の弟」とボロクソの評価されていたりはしますが。客観的に見ると、確かに斉彬には遠く及ばないが、幕末の動乱期を乗り切った人物としては十二分に有能と見て良い人物だと思いますが。なんかこの作品、井伊の彦根に次いで、次は鹿児島と、何やら無駄にあちこちにケンカを売っているような気も。まさかこの後は逆に、安倍に忖度して長州テロリスト軍団を過剰に美化するようなことをしないだろうな?

 

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青天を衝け 第13話「栄一、京の都へ」

京に上ったものの特に何が出来たわけでもない栄一

 喜作と共に浮かれて京を目指す栄一ですが、身元が怪しいこともあってとりあえず平岡円四郎を頼ることに。実際は一橋家に仕官する気なんて微塵もないのに、京に行くための身分保障として円四郎の名を借りることに。

 で、無事に京に上った二人であるが、円四郎は忙しくて会えず(本当に円四郎の元を訪ねたのか怪しい気がするが)、浮かれた二人は攘夷派と情報交換と言いつつ、実際は宴会に明け暮れていたと(確かに攘夷派の志士たちは京では連夜のように派手に遊んでいたという話がある)。そりゃ路銀もなくなるわな。

 路銀がなくなってどうしようもなくなったことで、突然「そう言えば俺たちは、ここには国家のために事を起こすべくやって来たんじゃないか」といきなり長七郎に対して厨二丸出しの手紙を送って呼び寄せる。しかしこの頃には既に様々な出来事からの後ろめたさなどで完全にメンタルが崩壊してしまっていた長七郎は、旅の途上で錯乱して人を殺めるという事件を起こして捕まってしまう。しかも悪いことにこの長七郎が持っていた厨二丸出しの手紙もお上に渡ることに。無難に「また顔を見たいから京に来ないか」とでも書いていれば良かったものを、幕府を倒すべきとか、横濱焼き討ち計画云々とか不穏当な内容を書いていたものだから、当然のように栄一達にもお上の手が・・・。

 

実に都合良く助け船が来る悪運だけは強い口だけ番長

 元々お上から逃げるつもりで京に来ていていた栄一達は進退窮まったところに、円四郎から助け船が。「お前達、バカなことをしたんじゃなかろうな」と探りを入れられてとぼけるが、嘘はバレバレ、結局は洗いざらいすべて喋って、円四郎に半分呆れられながら「それならお前ら一橋家の家臣になれ」ってのが今回の展開。

 円四郎が「お前達は悪運が強い」と言ってましたが、まさにその通りです。こんなマヌケな行き当たりばったりで行動しながら、この時代に命を落とさなかったのは確かに強運の持ち主だと言える。これと対称的なのが長七郎。真面目な性格が祟ってドンドンと自滅コースを歩んでいる。口だけ番長の栄一よりはよほど真剣に動いていた人なんですが・・・。栄一がどうこうと言うよりも、円四郎の度量の大きさの方が目立ちます。

 結局は半ば物見遊山で無計画に京に上った二人ですが、口では攘夷を唱えながらも全く行動が伴っていません。その挙げ句の結果が一橋家に就職。しかし慶喜は「攘夷なんて出来るわけないでしょ」って人ですからね・・・。口だけで舞い上がっているあの二人、一体どうやって折り合いをつけるのやら。

 どうもここまでの栄一って、口だけで行き当たりばったりの無計画さが目立ちます。このお調子者はどう考えても大きいことなんて出来そうにない雰囲気なんですが・・・どこで脱皮するんだろう。

 

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青天を衝け 第12話「栄一の旅立ち」

栄一、平岡円四郎にスカウトされる

 栄一がついに血洗島から京に向けて旅立ちます。こうして栄一達が天下に向けて羽ばたいていく・・・と言えば聞こえが良いですが、実際はあの雑極まりない計画が漏れた危険があるので、京に向けて遁走したというのが実態です。

 栄一達は江戸に行ったようですが、そこで慶喜配下の平岡円四郎にスカウトされる。まあ慶喜の家臣は彼しかいないみたいな状況ですから、明らかに人材不足でしょう。にしても、一橋家の家臣が江戸市中で農民をスカウトするか? まあ正史でも栄一は円四郎の手引きで京に行けたらしいから、それまでに円四郎と接触していたのは事実だったらしい。となると円四郎はめぼしい奴には次々と勧誘をかけていた可能性がある。まるで自衛隊のスカウトである。

 で、その円四郎は命を狙われているという話がありましたが、実際に円四郎は最後はテロで命を奪われるようです。まあジョーイの巨頭である斉昭の息子だけに、慶喜の本意は攘夷にあると下が勝手に忖度していたのだが、慶喜は「攘夷なんて日本の実力で出来るわけないじゃん」と攘夷に動く気配が微塵もなかったので、下の連中が「これは君側の奸たる平岡円四郎が慶喜の意向を歪めているに違いない」と勝手に暴走したという展開です。まあいつの時代でもそうですが、テロに走るような輩は視野が著しく狭いので、往々にして自分に都合の悪い現実は直視せず、現実の方を自分の妄想に合わせて歪めようとするものです。で、円四郎はその犠牲になったと。

 

雑なテロ計画は長七郎に完膚なきまでに否定されて頓挫

 で、バカ兄貴の雑なテロ計画ですが、京に行って世の中の現実を散々見てきた長七郎によって完膚なきまでに否定されます。一言で言えば「こんな雑な計画は成功するはずもなく、単なる犬死になる」という単純明快なもの。栄一は「自分達が挙兵すれば、それに呼応する奴らがいくらでも出てくる」などという根拠なき楽観論を掲げてましたが、んなことは起こるわけもないのは分かりきったこと。長七郎に「薩摩はイギリスにボコボコにされて攘夷を捨てたし、京でも攘夷派の公家達が天皇の意向で追放された」なんて最新の状況を教えられたら、情報から孤立している田舎者としては「あれ?攘夷派って知らない間にすごくヤバい状況になってね?」って考えざるを得ないというところ。

 まあここで長七郎の説得を振り切って実行していたら、見事に栄一達は犬死にして「大河ドラマ 渋沢栄一 完」でした。長七郎のおかげです。もっとも長七郎にしたらこれは現実に完全にうちひしがれた大きな挫折であり、これはどうも彼のメンタルによろしからぬ影響を与えたのか、後に乱心したのではと言われる事件を起こし、実際に最後は病死なんですよね。何となく既にメンタルが危険な兆候は現れていたようだが。栄一とは対称的に不幸な結末を辿る人物です。

 結局は計画断念に至るわけですが、栄一達はとにかく派手にやり過ぎたので役人に目をつけられている可能性が高く、結局は京都に逃走することに。栄一の自白に「そんなアホな計画を考えていたのか」といささか呆れた感のある親父ですが、どうやら自身も過去に厨二な黒歴史を持っていたらしき親父は、栄一に金を渡して逃走を援助。やっぱりなんだかんだで本質的には甘い親父です。にしても実際は一番災難なのは嫁です。現実に栄一はこの後も散々に嫁を泣かせる模様。

 で、栄一厨二テロリスト編は終了、次回からは京都編に突入とのこと。そしてその後は「テロリスト、幕臣になる」で、「気がついたら明治になっていた」って展開か。それにしても北大路欣也の無駄遣いはまだやってるのか? いよいよもって登場意味が不明になってきているが。

 

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青天を衝け 第11話「横濱焼き討ち計画」

バカ兄貴が立てた雑極まりないテロ計画

 いよいよ舞い上がったバカ兄貴が雑なテロ計画を立案します。高崎城を襲撃して武器を奪い、そのまま鎌倉街道を通って横浜に移動、横浜を焼きはらって異人を襲撃するという極めて雑極まりない計画。

 そもそも高崎城を落とすという時点でそれが可能なのかが疑問。さらにもしうまくいって高崎城を落とせたとしても、すんなりと横浜までたどり着けるのか。とにかく舞い上がったバカ兄貴が突っ走っていますが、実行したら失敗が約束されているような雑極まりない計画。長七郎のことは犬死にだと全力で止めたクセに、自分達は犬死ににはならないという妙な根拠のない自信。

 で、栄一には子供が産まれるのだが、残念ながらこの子供は麻疹の流行でなくなってしまう。この年は麻疹とコレラの流行で多くの人が亡くなったのだとか。またこの時代、生まれてすぐの子供が死ぬなんてのごく普通の時代でしたから。子供が普通に産まれて普通に育つようになったのなんてつい最近で、とにかくまず出産が母子ともに無事に終われば御の字、さらに子供が成長するのは半分程度なんて時代ですから。この時代には兄弟の内の何人かは子供の時に失っているというのは極々普通でしたから。

 

子供が出来たのに何やってるんだこの厨二は

 もう完全に舞い上がっている栄一は江戸で武器と同志を計画のために集める。とは言うが、これも極めて雑。飲み屋で大っぴらに大声で密談やってるんだから、あれは明らかにもう目をつけられているだろう。普通密談ってのはもっと密かにやるものだが、あれだったら「ここにテロリストが集まってますよ」と大声で宣伝しているようなもの。だから密談の類いを酒を飲みながらしてはいけない。ちなみに現代でも、企業機密はセキュリティや何やらでガチガチにロックをかけているが、実は当の機密は近くの飲み屋で当事者の口からダダ漏れって例が少なくありません。

 息子を失った栄一には次は娘がすぐに生まれたようだが、世直しだと舞い上がってしまっている栄一は、それも省みずに親父に「大義のために働きたいから勘当してくれ」と依頼。オカンなんか「この厨二はバカなことを考えてるな」というのは丸分かりだが、結局は何だかんだいいながらも根本的には甘い親父はそれを認めた模様。嫁さんまで栄一と一緒になって親父に頼んでいるのだから、まあ「何と立派な嫁さん」っていうことだろうが、実際には「アホか」というのが本音ですね。無駄死にしようとしている旦那を後押ししてもダメだろ。

 結局はこの雑なテロ計画は、京で世の中の現実を散々眺めてきた長七郎から「そんな雑な計画成功するわけないだろう」とケチョンケチョンにやられて実行前に頓挫することになるようです。最初に無駄死にしようとしていた奴から、今度は計画を止められるというお笑いになってしまうのが次回のようです。

 

ひたすら貧乏くじに振り回されている慶喜

 一方の慶喜は将軍後見職として政治の舞台に返り咲きましたが、本人は完全に貧乏くじを引かされたという意識が強い。回りはジョーイの鬼こと斉昭の息子だけに、これでようやく本格的に攘夷が実行できると喜んでいるのだが、当の慶喜は「日本の実力考えても攘夷なんて本当にやれると思ってるの?」という極めて現実主義的な考え。実際に実力で攘夷実行しようとした薩摩と長州は外国艦隊に報復されてボコボコにされてますから、結果としては両国とも「現状では攘夷は不可能」と嫌でも悟るのですが。まあ長州に唆されて舞い上がっている公家衆がピーチクパーチク盛り上がっていたようですが、慶喜にしたら「そんなに攘夷をしたいのなら、じゃあお前達が戦ってみろ」ってなもんでしょう。

 結局はこの後、慶喜は本人の意向と関係なしにドンドンと貧乏くじを引かされることになっていきます。「こんなのやってられるか」という投げやりな空気が実によく出ておりました。実際に慶喜は、最後の頃になったら本当に面倒臭くて馬鹿らしくなっていたんではって気もします。それにしてもこれが最後の切り札だったわけですから、徳川幕府の一番深刻かつ致命的な問題はやはり人材の枯渇だったような気が。

 

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青天を衝け 第10話「栄一、志士になる」

栄一、テロリストになる

 喜作までが江戸に行くと聞き、すっかり舞い上がった厨二栄一は自らも江戸に行きたいと親父殿に懇願。何だかんだで意外と甘いところのある親父はそれを了承して、栄一は念願の江戸へ。しかし8年前に来た時と違って物価高騰や疫病の流行などで活気がなくなっている。

 で、喜作の誘いでテロリストアジトに出入りする栄一。神の国に異人を入れた天罰だという話に対して「それなら何で神風を起こしてくれんのじゃろか」と相変わらず思ったことをそのまま口にしてしまうKY栄一。危うく他の血の気の多い連中に袋叩きにされかねなかったところを辛うじて助け船を出してもらえましたが、本当にガキの頃から進歩のない奴である。

 そしてものの見事に分かったような分かっていないような状態で「とにかくジョーイだ!!」と完全に浮かれてテロリスト仲間になっている栄一。人を斬るための剣術訓練にまで参加しますが、百姓に人が切れるかの言葉に意地になってエヴァンゲリオンの碇シンジ状態で刀を滅茶苦茶に振り回して回りに取り押さえられることに・・・。何か半端ない厨二臭が漂っています。

 

お千代は目出度くおめでたで浮かれる栄一

 一方、江戸に行った旦那のことを「倒幕で浮かれてたから変なのに巻き込まれなければ良いんだけど」と心配していたお千代は、子供がなかなかできないことを伯母からネチネチと攻められてます。親父さんは「根は良い人」という言い方をしていたが、いや、あの伯母さん明らかに根っこから陰険でしょ。

 で、江戸から浮かれて帰ってきた栄一。親父は脳天気にこれでバカ息子も満足しただろうと思っていた様子だが、お千代は厨二旦那が良からぬ企みに参加しようとしている空気を感じている雰囲気。そんな矢先にお千代が妊娠判明、栄一は完全に浮かれてしばしジョーイ云々はどこかにぶっ飛んでお千代もひとまずは安心。

 しかしその頃幕府ではワンコ(井伊)に変わって老中筆頭になった安藤信正が公武合体を強力推進中。和宮の一行をもてなさないといけなくなった血洗島では、また田畑ほったらかしで動員がかかり、例によって偉そうにしながら何でも巻き上げるクソ代官に栄一は再び不満を蓄積中。腹の中で「絶対幕府倒す」という決意を固めているのが明らか。

 

公武合体で暴発する若きテロリスト達

 一方のテロリストアジトでは安藤信正を討つなどと息巻いて盛り上がっている連中が。で、長七郎もその仲間に連なることに。しかし帰ってきた長七郎からそのことを聞いた栄一らは「犬死にだ」と猛反対。まあそりゃそうだ。実際にワンコが死んでも幕府は特に何も変わっとらん。しかし「理屈だけで何も動かない」と痛いところを長七郎に突かれたバカ兄貴が「俺も動く」とかわけの分からんことを言い出したので、これが来週につながるんだが。

 で、テロリスト共の親玉の大橋訥庵は慶喜にも「この機に立って欲しい」と書状を送ったようだが、例によって慶喜はそんな気は微塵もなく、あっさりと無視されている。まあ勝手に下が忖度して突っ走ってもなってとこだろう。それにしても相変わらずやる気があるのかないのか分からん男だ。

 結局は長七郎は栄一らの必死の説得で参加はしなかったようだが、他の連中は安藤を討とうとして自爆。そりゃワンコが殺されての昨日の今日だから、あちらも警戒を強めてるだろう。それをワンコの時と全く同じやり方で実行しようとしたようだから、あまりに工夫がなさ過ぎ。テロリスト共は脳筋系ばかりでどうやらまともに作戦立案できる奴がいない模様。

 暴走した連中がもろに自爆という報を聞いた長七郎は、自分は参加しなかった後ろめたさもあって江戸に駆けつけようとしているが、当然のように今は江戸では一味の捜索中だから、そこに戻れば飛んで火に入るである。と言うわけで栄一達は必死で長七郎を止めるために走ったところでさて次回とのこと。次回が「横濱焼き討ち計画」だから、いよいよ「英雄たちの選択」でもやってた雑なテロ計画の登場か。

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青天を衝け 第9話「栄一と桜田門外の変」

ワンコ井伊の暴走と尊皇攘夷で浮かれる栄一

 忠誠心だけで突っ走るワンコ井伊。いよいよ反対者を弾圧する安政の大獄に踏み切ります。斉昭は江戸を追い出され、慶喜は強制的に隠居させられて幽閉。ここでまたへそを曲げてヒッキーになる慶喜。やっぱり何考えているか良く分からん。とにかく無意味に頑固なことだけは分かった。これがやはり同じく無意味に頑固な栄一と共感するという展開か?

 一方の栄一は完全に新婚ボケ。そこに帰ってきたのはやっぱり長七郎だったか。長七郎から江戸の現況を聞かされた栄一は「井伊って悪い奴なんだな」という非常に単純な認識。まあとにかくお目出度い奴です。バカ兄貴は井伊が異人を受け入れたせいでコレラが流行った、尊皇攘夷だと勝手に浮かれているし・・・。

 完全に浮かれてしまっている栄一に対し、親父さんは「百姓が公儀のことなんかどうするんだ」というスタンスですが、まあこれが普通の反応でしょうね。千代にしても「うちの旦那を変に唆さないでくれ」という意識が滲み出ていたし。それでなくても浮かれやすい栄一だから、乗せられたらテロリストになってしまう懸念を感じているんでしょう。

 

桜田門外の変発生、呆気なく殺害されるワンコ井伊

 で、主人公周辺が浮かれている内に江戸ではどんどんときな臭い状況に。江戸から追放された斉昭の意志を勝手に忖度した連中が、脱藩しては続々と江戸に集まって極めて不穏な状況に。その不穏な噂を聞いた家茂が井伊に「危険だから大老やめた方が良いんじゃないか」と持ちかけるのだが、ワンコ井伊は忠誠心だけは高く、根拠なしに「自分は大丈夫ですから」と辞める気なし。まあ井伊としてはターゲットリストはほとんど塗りつぶしたから、自分に敵対できるものはもういないと高を括っていたのでは。しかしテロリストなんてどこからでも湧いて出てくるんですが。

 そしてついに桜田門外の変が勃発。井伊は籠に乗ったまま銃撃され、その後に籠から引きずり出されて首をはねられます。ちなみに井伊直弼は実は居合いの達人だったという話なんですが、受けた銃弾が腰のところを貫通しており、恐らくこの時点で身動きとれない状態になっていたと推測されています。まあ要人警護の専門家の観点からは、ここでは騒動が起こりそうになった時に何はともあれ井伊の乗った駕籠を警護して現場から離れる必要があったのに、それが全くされなかったのは警護の完全な手落ちとされています。確かに様々な悪条件があったとしても、あまりに呆気なくやられてるんですよね。それなりの警護の人数がいたにもかかわらず、それも江戸城の目の前で。

 

そしてジョーイの斉昭も去る

 結局はこの事件は幕府の権威を決定的に失墜させることになってしまいます。臣下に勝手に忖度された斉昭は「俺はそんなこと望んでないぞ」と騒ぎますが完全に後の祭りです。まあテロなんてものは往々にして下が勝手に上の考えを忖度して、往々にして過激化していくものです。だから上としては「○○しろ」と言わなくても、「○○なんてことが起こったとしても仕方ない」とかの言い方をしただけで下はその通りにします。まさにトランプが支持者をけしかけた手法で、かつてはナチもこれで突撃隊にユダヤを襲撃させました。この辺りは先週のダークサイドミステリーで登場してます。

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 なおこの番組では斉昭は、水戸藩が幕府に楯突いたことになってしまったと心配してましたが、本音では実際にこのテロを暴挙として反対していたかは微妙なところがあります。

 しかし間もなくこの斉昭も倒れてそれっきりになってしまいます。結局は斉昭は慶喜が将軍になるのを見てません。だけど慶喜が将軍になった時にもし斉昭が生きていたら、かなりうるさかっただろうと思われます。大政奉還なんて実現しなかったかも。

 

にしても、最後の最後まで井伊直弼の描き方がひどすぎ

 それにしても最後まで井伊直弼の描き方が大概だったな。元々それだけの手腕は無かったにもかかわらず、将軍にそのワンコぶりが評価されて大老に任命され、その将軍の無茶な遺言に従うために何の落ち度もなかった慶喜を強引に処分、さらには小者特有の執拗さで叛逆分子になりそうな奴らを片っ端からしょっ引くという恐怖政治を実施と、全く救いようのないダメっぷりを晒してます。だけど実際の井伊直弼と言えば、賛否はあるものの彼なりの筋の通った考えがあり、それに従って身の危険は感じつつも覚悟を決めてあえて強引な手法をとった政治家というところがあるんですが、そんな感じは微塵も出してませんでしたね。実際に井伊直弼を里見浩太朗辺りが演じたドラマにしたら全く印象が変わります。しかしこの作品では、超小者の保身失敗という感じでした。本当にこの描写、彦根市はこれで良いのか? さすがにこの描き方だと「大河にも登場した井伊直弼ゆかりの彦根城」という宣伝もしにくいと思うのだが。

 ところで実は桜田門外の変自体が、血生臭い要人テロ事件にもかかわらず、水戸に行った時にあっちでの扱いが大概なことに私は絶句したこともあります。

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水戸駅で販売されている土産物

 

事件で完全に舞い上がってしまった栄一は順調にテロリストへの道を

 そして桜田門外の変を聞いた栄一周辺は異様な盛り上がり。まあ尊皇攘夷にかぶれた彼らにとっては壮挙という認識なんでしょう。完全に思想がテロリストになってきてます。で、従兄弟の喜作は江戸に行くことになったとのことで、それを聞いた栄一も親父に江戸に行きたいと直訴。果たしてどうなるかというところで次回。

 そして次回は栄一が志士になるとのことで、どうやら栄一テロリスト編に突入の模様。あのお調子者の従兄弟やあのバカ兄貴と共に舞い上がって雑なテロ計画を立てますが、結局はそのテロ計画はあの長七郎の反対で中止になるということは、先週の「英雄たちの選択」でもやってましたね。舞い上がった厨二男の暴走になります。やっと慶喜と出会うのが近くなってきた。今月中には出会うか? ただ栄一は戊辰戦争の最中はバリにいて、結局は本当に歴史に全く絡んでないんですが。

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