民家園を後にすると駅までプラプラと歩いて戻り、そこから小田急で新宿まで。ここの美術館に立ち寄ることにする。
「青児とパリの美術」東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で12/23まで
東郷青児の描いたパリなどの絵画や、彼と交流のあった作家の作品などを展示する。
東郷青児と言えばあの独特の構成の絵画であるのだが、それでもリアリティ志向になったり幻想的な方向を目指したりというスタンスの変化ぐらいはあるようだ。ただあの独特すぎる画風のせいで、それらの揺れがほとんど吸収されてしまって大した違いがないように見えてしまうきらいはあるのであるが。
今日はローランサンと東郷青児という東西の「二大クセ絵画家」の作品を鑑賞したことになる。彼らの独自の世界はツボにはまれば魅力的なんだろうが、そうでなければ異様に映る。私は正直なところ、彼らの作品は好きでも嫌いでもないというところ。「ふーん、こういうのもありだね」とは思うが、特別にそれ以上の興味も湧かない。
それにしても今日はかなり歩いているので疲れた。オペラシティに移動する前に「時屋」で「抹茶あんみつ」で一息ついていくことにする。味はまずまずだが、やや高めに感じるのは場所柄仕方ないところか。
一息つくと京王新線で初台に移動。オペラシティに到着するとコンサートの前にまずギャラリーに立ち寄る。
「LABYRINTH OF UNDERCOVER」オペラシティギャラリーで12/23まで
ファッションブランドUNDERCOVERの作品を展示とのこと。
ファッションはどうでも良いのだが、独特の舞台設定をした妙な作品がいくつかあるのでこれは笑える。以前にコシノヒロコが妙にアート志向の奇妙な展示をしていたのを思い出す。どうやらファッションがアートを志向し出すとおかしなことになるようだ。
ファッションも建築も実用性が一番と思っている私には、どうでも良いようなところがあったのは事実。
さてそろそろ開場時刻が近づいてきたが、その前に夕食を摂っておく必要がある。店を探すのも面倒になってきているのでオペラシティ内の「築地食堂源ちゃん」に入店、「ごまだれの鯛茶漬け」を注文する。
以前に汐留でもこれを食べたのだが、微妙にあちらの方が美味かったような気がする。同じチェーンでも味が変わったりするのか。もっとも私の体調も怪しいので何とも言えないが。
夕食を終えたのでホールに向かう。今日も大勢がやって来ていてなかなか盛況だ。
生誕150年記念シベリウス交響曲サイクル
指揮:オッコ・カム
ヴァイオリン:ペッテリ・イーヴォネン
フィンランド・ラハティ交響楽団
シベリウス:交響曲第3番 ハ長調 op.52
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
シベリウス:交響曲第4番 イ短調 op.63
【アンコール曲】
[ソリストアンコール]ペッテリ・イーヴォネン(Vn)
・イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 op.27-3《バラード》
[オーケストラアンコール]
シベリウス:
・悲しきワルツ op.44-1
・ミュゼット(組曲「クリスティアン2世」op.27 より)
・鶴のいる風景 op44-2
交響曲第3番はややゴチャゴチャした印象の演奏になってしまっている。これは元々の曲自体がややグダグダしたところがあることも影響しているように思われる。
バイオリン協奏曲はソリストのイーヴォネンが堂々たる演奏。オケとの連携もよく取れている。なおイーヴォネンはやや長めのアンコール曲でそのテクニックを遺憾なく披露した。
交響曲第4番は打って変わったような緊張感あふれる名演。何やら弦のアンサンブルの精度から管の音色まで変わったように思われる集中力の高まった演奏になっていた。やや難解なこの曲を実に魅力的な響きで飽きさせずに聴かせている。
場内は昨日に続いて大盛り上がりである。結局は今日もアンコールは3曲に及び、最後は楽団員が引き上げても拍手が続く状態。先日に続いてオッコ・カムが再び現れることになった次第。
それにしても今日はかなり歩き回った。体にかなり疲れが残っており足もだるい状態になっている。とりあえずホテルに戻ると大浴場で汗を流してから早めに就寝するのだった。
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