徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

那智滝を見学する

朝食をガッツリ頂いてから出発

 翌朝は7時に起床。途中で一度目が覚めたが、概ね熟睡した感触。やはり私はベッドよりも畳に布団の方が合ってるんだろうか。

 起床するとすぐに朝食へ。朝食はレストランでバイキング。和洋両用のバイキングだが、ご飯の友の類が多いのが特徴。肉味噌などなかなかにうまい。朝からガッツリと腹にたたき込んでおく。

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バイキング朝食

 朝食後は入浴。昨日と男女浴場が入れ替わっている。こちらの浴場の方が少々狭いが、二通りの湯船があるのは同じ。しょっぱい湯で朝からしっかりと体を温める。

 9時頃まではテレビを見ながら荷物をまとめてチェックアウト準備。ホテルを9時過ぎにチェックアウトすると、路線バスで白浜駅まで移動する。なおホテルのシャトルバスは朝便もあるのだが、列車の時刻と合わない上にかなり大回りの長時間コースなので路線バスを使用した次第。

 さて今日の予定だが、白浜駅を10時12分に出る特急くろしおで新宮まで移動、そこでレンタカーを調達すると那智滝に立ち寄ってから川湯温泉まで移動のつもり。列車の到着まで待合室で時間をつぶすが、放送している番組が露骨に橋下に媚び媚びだったので不快すぎて見ていられず、さっさとホームに移動する。中央のマスコミは安倍の露骨な圧力で、関西のマスコミは橋下のアメとムチで完全に牙を抜かれたようだ。これは日本が民主主義を完全に捨てる日も近そうだ。今朝のニュースで北朝鮮の報道がされていたが、あれが日本の将来の姿か。

 

 

白浜駅から新宮駅を目指す

 寒風吹きすさぶホームで列車を待ちながら、一つ作業を行うことになる。実は今日は来年度のベルリンフィルのチケットの一般発売開始日である。今まで先行発売で全敗だったことからほとんど望み薄とは感じているが、チケット入手のための最後のチャンスである。なお列車に乗ってしまえばローカル路線の紀勢本線はほとんど携帯は圏外だろうから、列車に乗るまでの10分が勝負だと思っている・・・のだが、勝負は10分どころか30秒で決してしまった。10時になるやいなやチケットは瞬殺。私がつながったときにはぴあにフジテレビダイレクト、さらにサントリーホールも完売であった。10時半頃には発売開始と同時にサーバダウンしてしまったイープラス及びローソンでも完売を確認、これで全販売チャンネル終了、ジャニーズ並の超人気である。これは私の存命中にはベルリンフィルは無理か。今回もフジテレビにコネでもあるか、金に飽かせて事前にセット券でも購入していない限りチケット入手は無理だったようである。私はフジテレビにコネどころか、むしろフジテレビは天敵。ましてやS席42000円なんて到底払えずD席22000円以下が限界という状態なので、こりゃチケットの入手なんて元々無理な相談だ。どうせ後で転売屋がゾロゾロ出てくるだろうが、私は不正な手段を駆使する輩に加担するつもりはないし、そもそもそれでなくても異常に高いチケットにそれ以上の金を払う気は毛頭ない。

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白浜駅の謎のマスコット、クエ太郎とクエ美

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そしてパンダ

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謎のオッサン

 さて私がネット空間で不毛な負け戦を続けている間に列車は海沿いの風光明媚なところを駆け抜けていく。トンネルを抜けると海が見えて、次の瞬間にはまたトンネルというような路線である。海岸は荒波で削られているのでとにかく奇岩の類が多い。

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奇岩の海岸が続く

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独特の風景である

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この地域この手の海岸ばかり

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これが橋杭岩

 新宮行きの特急くろしおは283系だが、これは昨日乗った287系と違ってテーブルが小さいのが難点。作業(この原稿入力などだ)がやりにくくて仕方ない。

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283系の車内

 串本までは途中の停車駅での乗降はほとんどない。串本でいくらかの降車があり、次に大量の降車があるのは終点手前の紀伊勝浦。やはりこの地域の観光の中心地であるようだ。ようやく到着した終点の新宮まで乗車したのは数人。

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287系

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新宮駅に到着

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新宮駅前の謎の像

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新宮駅

 

 

新宮からはレンタカーで移動する

 6年ぶりの新宮になるのだが、私にはこの町に対する記憶はほとんど残っていない。前回の訪問時には結構いろいろと歩き回ったはずなのだが・・・。今回はここからはレンタカーでの移動になるが、事前に駅レンタカーを手配済み。そもそも今回はレール&レンタカー切符を使用している。直ちにレンタカー事務所に向かうべきところだが、レンタカーを借り出す前に駅前の徐福寿司で「さんま姿寿司(650円)」を夜食に仕入れておく。

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駅前の徐福寿司

 レンタカーはまたも新型ヴィッツ。私はいつもリッターカークラスを予約するのでとかくよく巡り会う車だが、相変わらずパワー不足を感じさせる車だ。まだ以前のヴィッツの方がパワーがあった気がする。新型ヴィッツになって燃費は向上したようだが、パワーは大幅ダウンである。私に言わせれば今回のモデルチェンジは明らかに改悪。以前のヴィッツはまだアクセルをガツンと踏めば加速したのだが、この車はアクセルをいくら踏んでも車が一向に前に進まない印象がある。前のヴィッツは私のカローラ2の次の車の候補の一つだったが、新型ヴィッツは到底買う気はしない。モデルチェンジで改悪とはトヨタも何をやりたいのやらよく分からない。こんなことをしていたら、いずれは自動車業界も家電業界の二の舞になるのではと心配になる。まあ経団連に並ぶ各企業経営者の人材のレベルの低さを見ていれば、残念ながら日本の企業の将来性に明るい見通しは持てない。

 とりあえず那智滝に向かうことにする。那智勝浦新宮道路を経由して勝浦まで移動、そこから那智に向かうつもりだったのだが、レンタカー搭載のカーナビの地図が古かったせいで勝浦で高速を降り損なって一つ先の出口で引き返してくる羽目に。とんだ時間とガソリンの無駄である。

 ようやく当初想定のコースに戻って山に向かって走ることしばし、途中で昼食がまだだったことに気づいたので途中の日帰り入浴施設もある蒲鉾屋で昼食を摂ることにする。和歌山ラーメンとめはり寿司のセット(900円)にマグロカツ(400円)を付ける。マグロカツはうまく、めはり寿司はまずまずだったのだが、和歌山ラーメンに関しては大失敗だった。麺がヘナヘナでまるで即席麺のような食感。これで和歌山ラーメンを名乗ってはブランドイメージを毀損する。

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入浴施設付き蒲鉾屋

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マグロカツとめはり寿司は良かったが、ラーメンはハズレ

 

 

那智滝を見学

 とりあえずの昼食を終えると那智滝へと向かう。那智滝は山の奥深くにあり、七曲がりを登っていくと突然に向こうに滝の上部が見えてくる。那智滝周辺は大観光地の趣。これだと昼食はこっちで摂る手もあった。とりあえず駐車場(有料)に車を置くと徒歩で滝の麓に向かう。この滝はそのまま神社のご神体になっているようである。

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那智滝入口

 那智滝は落差133メートルで一段の滝としては落差日本一とのことである。以前は迫り出した滝口から滝壺までダイレクトに水が落下していたとのことだが、数年前に滝口の大規模な崩落があり、現在のように途中の壁面に水が当たるようになったらしい。かなりの迫力のある滝だが、個人的には華厳滝の方が圧倒されるような圧迫感があった。また称名滝は落差350メートルと桁違いだが、あちらは四段の滝ということになるらしい。

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滝が見えてきた

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那智滝

 滝の近くには滝見台があるが、そこに行くには「拝観料」という形で300円の入場料が取られる。なかなかに商売熱心なことである。まあ来たついでなのでここは300円を払っておくことにする。滝見台までの途中には延命長寿の水があるので一口頂く。これで私も健康に長生きができるということらしい。

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滝見台へと

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水しぶきで虹が出ている

 

 

那智大社に参拝する

 滝の見学を終えた後は近くの那智大社を見学することにする。那智大社はかなり登ったところにあるようなので、登り口においてあったヒノキの棒を借りることにする。ヒノキの棒は魔法使いの初期装備で攻撃力は期待できないが、上り下りの足腰のダメージを防止するには確実に効果がある。

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このような石段を延々と登ることに

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石段地獄

 ここからは石段地獄。それも普通の石段でなくてかなり荒々しい石段で一段一段の高さが大きいので足腰へのダメージが半端でない。それにしてもこういうところを登っていたら、なぜ寺院などがこのような険しいところにあるのかが理解できるような気になってくる。と言うのも、煩悩多き身の私でもこうやって登っている時には完全に頭の中が真っ白になるから。通常の状態で無念無想や煩悩を捨てるなんてことはなかなか出来ないが、こういう時にはそれが自然に簡単にできる。これを繰り返すことで悟りの境地になんていったら修験道に近くなるが、あれはかなりマッチョな信仰である。もっとも私のこんなにわかな無念無想など美女が一人前を通りかかったら一瞬で吹っ飛ぶだろうけど。

 山上には熊野那智大社青岸渡寺がある。青岸渡寺は西国三十三所第一番札所だそうな。もっとも線香100円、護摩300円とか、あちこちにこの手の張り紙が多くてやたらに商売熱心な寺院だという印象が強い。ここってご本尊は商売繁盛の恵比寿さんだったっけ?なんて疑問が頭をよぎるが、実際は熊野那智大社のご本尊は熊野権現で、青岸渡寺のご本尊は如意輪観世音菩薩である。ご利益は健康と金運だそうな。まあ健康についてはここまで上ってこれるなら確かに十分だろう。金運のほうについては何となく納得。もっともこれは神社側の金運であって、こちら側の金運なのか?

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鳥居を二つくぐり

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長い石段を登り切るとようやく熊野那智大社

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拝殿

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こちらが社殿

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そして青岸渡寺

 

 

お約束の定番スポットで撮影を

 私は以前の新宮訪問時に熊野速玉大社を参拝しているし、昨年には熊野本宮大社も参拝している。今回熊野那智大社の参拝で熊野三山参拝終了ということで、かなりのご利益が期待できる・・・とのことなのであるが、何しろ出雲大社を三度参拝しているにもかかわらず今日に至るまで全くご縁がなかったというぐらい神仏の加護とは縁がない人間なので、果たしてどの程度のご利益を期待できるやら・・・。

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これは観光案内とかでも定番のアングル

 ここから少し降りたところに三重塔があり、その背後に那智滝が見える。このアングルはよく写真で見かける構図である。なお通常は五重塔などの仏塔は人間が登れる構造になっていない(そもそも仏塔は釈迦の遺骨を納めた宝塔で人間が登るためのものではない)のだが、ここの三重の塔は300円を払ったら登れる観光用展望台である。なんかやっぱりやたらに商売熱心な寺院だよな・・・。

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この三重の塔は実は単なる観光展望台

 下に降りてきた時には結構足腰がガクガクになってしまっていた。これ以上疲れないうちに今日の宿に向かうことにする。

 

 

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