徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

NHK交響楽団の大阪公演を聴きに行く

コンサートまでの時間をつぶすことに

 この晩は爆睡して、翌朝は8時前に目覚ましで目が覚める。やや眠気が残っているので入浴で目を覚ます。

 目が覚めたところでレストランに朝食を摂りに行く。ここのホテルの一番のメリットは地元食を中心とした充実したバイキング朝食。これが今回法華クラブを選択した理由。串カツを中心としたメニュー数は豊富。朝からしっかりと燃料補給する。

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大阪飯のバイキング朝食はなかなか品数豊富

 チェックアウト時刻の10時ギリギリまで粘ってからチェックアウト。さて今日の予定だが、NHK大阪ホールで開催されるN響のコンサートを聴きに行くこと。しかしこれの開演が4時からだから、大分時間に余裕がある。しかし現在の大阪では立ち寄ろうと思うような展覧会は皆無。特にNHK大阪の隣が大阪歴史博物館だからそこで面白い展示でもしていたら良いのだが、生憎と現在は特別展は開催されていない時期。結構雨が降っていて表をウロウロ歩き回るのも嫌だし・・・結局は泉の広場近くのネカフェで時間をつぶすことになる。

 ゴルゴを7冊ほど読みふけって時間をつぶすと、地下の飲食店で遅めの昼食に「カツ丼」を食べる。特に悪くもないのだが魅力もない。まあこの店は次は来ないだろう。

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この店はリピートなしだな

 昼食を終えると地下鉄でホールに移動する。現地に到着したのは開場時刻の直前。エスカレータの前には行列が出来ている。例によっての「全席指定だから特に待つ必要もないのに、それでも律儀に開場時刻前から行列を作って待つ日本人の習性」である。開演時刻が来て続々と流れていく行列の後からついていく。

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NHK大阪ホールに入場

 

 NHK大阪ホールはあまり大きなホールではない。オケのステージのために前部の客席をつぶしているからさらに収容人数は減っている。またそもそも音楽ホールでもないようである。音響的には地方の文化会館よりも悪いかもしれない。ホールが大して大きくないこともあって会場内は満員。さすがにN響は大人気である。

NHK交響楽団演奏会 大阪公演

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指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ピアノ:カティア・ブニアティシュヴィリ
管弦楽:NHK交響楽団

曲目:リヒャルト・シュトラウス/変容
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
リヒャルト・シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」作品30

 一曲目の変容は弦楽だけでの複雑な曲で、各弦楽器がいくつものセクションに分かれて多様な旋律を重ねる曲であるが、パーヴォのコントロールが非常に行き渡っていて、音色が混濁するようなことがない。

 二曲目のソリストのブニアティシュヴィリは長身の色っぽい女性。その演奏も官能的で艶っぽい音色から力強く激しいものまで硬軟自在。曲の構成にいろいろと難が言われがちなシューマンの曲であるが、それを魅力タップリに奏でる表現力はなかなかのもの。

 三曲目は音響の大スペクタクルであるが、パーヴォの指揮は明快にしてクレバーなもの。感情に流されないクールな演奏である。またオケに対するコントロールはここでも行き渡っている。暴走にならないようにしっかりと手綱を締めてのコントロールに対し、オケの方も技術の確かさで応えており、これだけ複雑な曲にも関わらずやはり音色の混濁はない。なかなかにレベルの高い演奏であった。

 今までどうもN響の演奏に関しては本気のものを聴いた記憶がないのだが、今回についてはやはり指揮者のパーヴォがN響を完璧に制御した本気モードのものになっていたようだ。こうなった時のN響のレベルはやはり高いことを感じさせられた。

 

 これで今回の予定は終了。雨の中を家路へとついたのである。