徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

猿橋を見学してから重伝建の甲州市塩山下小田原上条へ

日本三大奇矯の一つ「猿橋」を見学する

 昨晩は早めに床についたのだが、決して快眠とはいかなかった。どうも部屋が暑くて途中で何度も目が覚めながら朝までウトウトという状態。7時に目覚ましで起こされるが、懸念していたように体がだるい上にあちこちに軽い痛みがある。

 起きるとまずは最上階の展望レストランでバイキング朝食。レストランからは諏訪湖が見えるが、もう諏訪湖の風景自体はさして珍しくは感じない。

 朝食後に朝風呂。湯の温かさが体に染み入る。さて、今日も気合いを入れていかないと。

 8時過ぎにホテルをチェックアウトすると中央道を長距離走行することになる。今日は甲府で宿泊の予定だが、その前に大月に立ち寄るつもり。目的は日本三大奇橋にも挙げられる猿橋を見学すること。大月は以前に岩殿城見学のために立ち寄ったことがあるが、その時には時間と距離の関係で猿橋は見学していない。そこで今回、長年の宿題解決である。

 GWということで渋滞を警戒していたが、中央道は予想に反して至ってスムーズ、あの大崩壊で事件になった笹子トンネルを通過すると、2時間ほどで大月ICに到着する。

 大月ICからは国道20号を東進、猿橋の手前に猿橋公園があるので、そこの駐車場に車を置いてから徒歩で猿橋の見学に向かう。

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現地案内看板

 それにしてもこの桂川沿いの断崖は圧倒的である。猿橋公園の方から眺めると、住宅が断崖の上に建っているのが見える。これはいささか怖い。

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すごい断崖である

 猿橋までは300メートルほど。確かに奇橋と言われるだけあって独特の形態をしている。切り立った断崖に橋桁なしで橋を架ける場合にはこの形態が最も合理的だったんだろう。

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露出を周囲に合わせると橋の下が真っ黒になってしまう

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こういう形で撮るしかないか

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それにしても精巧な木組みだ

 以前に「美の巨人たち」で、猿橋を写真に収めるのは難しいと言っていたが、実際に撮影してみると確かにその通りである。普通に撮ると橋下の桁のところが真っ黒になって写らないし、かと言ってそこに露出を合わせると全体が真っ白になってしまう。これは難儀な被写体だ。

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橋の上はこんな感じ

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隣の橋の欄干には猿橋の模様が

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隣の端から見るとこんな感じ

 

大月市郷土資料館に立ち寄る

 猿橋の見学を終えて車のところに戻ってくると、ついでに大月市郷土資料館を見学。この手の施設のパターン通り、内容は考古博物館+民俗資料館。猿橋の修復についての説明資料があったが、現在の猿橋は今後は良質の木材を入手することが困難なことも考慮に入れて、一部の橋桁は木を被せた鉄材を使用しているのだとか。この調子で行けば、姫路城天守閣なんかも次の修復の時ぐらいには、心柱が木を被せた鉄材とかになってしまうかも。

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大月市郷土資料館

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内部は一般的な考古学展示と歴史展示

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かつての大月集落の光景

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修復した猿橋の部材には鉄骨を入れてるあるらしい

 

甲州市の重伝建を見学

 大月での用事を追えると中央道で山梨方向に戻る。次の目的地は昨年に重伝建に指定された甲州市塩山下小田原上条。山間の養蚕集落の町並みが残っているという。

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駐車場にある現地案内看板

 国道411号を北上、福蔵院を目指して走ることになる。その手前に観光客用の駐車場が整備されている。どうやら重伝建指定にあわせて一応の観光整備は行われたようだ。

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車は福蔵院前に駐車できる

 駐車場の整備だけでなく巡回ルートまで設定されており、その看板に従って回っていくと見所を大体回れるようになっている。なかなか徹底した観光整備ぶりである。

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福蔵院の山門

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金井加里神社山門

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金井加里神社本殿

 ただ回る集落自体は山中の普通の住宅地であり、観光客相手の商売などの様子はない。私のような観光客の立場ではありがたいが、この観光整備は果たして地元には何らかのメリットがあるんだろうか? もっとも地域に観光客を白眼視するような空気は全くなく、長閑な良いところと言う雰囲気の集落である。散策していると癒されるような気になる。

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長閑な山間集落である

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屋根裏の構造が養蚕集落の典型的特徴

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この住宅も同様

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なんか落ち着く風景だ

 山間の長閑な重伝建を見学したところで、次の目的地のために甲府に向かうことにする。

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