徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

コンサートの前に福岡の美術館を回ることにする

 朝食を摂ると美術館へと繰り出す

 翌朝は6時半に目が覚める。体には若干の重さがあるが、とりあえず朝風呂で体を温めるとバイキングの朝食を摂る。

 さて今日の予定だが、展覧会にいくつか立ち寄ってから九州交響楽団のライブに参加すること。美術館の開館は9時半からなので部屋でテレビを見てしばし時間をつぶす。ニュースは舛添の政治資金流用やらオリンピックに関する裏金の話。ろくな話題でない。元々オリンピックなんて利権がメインなんだからやめればいいんだ。それでなくてもオリンピック絡みの建設工事で東日本大震災の復興が遅れているという時に、さらに熊本の復興が必要になったんだから、それらを優先するということでオリンピックを返上したら、海外からも批判を食らうこともあるまい。

 ホテルをチェックアウトすると、9時のバスで博多駅に送ってもらう。今日はまずは福岡市美術館に立ち寄るつもり。地下鉄で天神まで移動すると、コインロッカーにキャリーを放り込んでからバスで移動する。

 福岡市美術館があるのは元々福岡城の城内だった場所。九州の雄・黒田氏の福岡城はかなり巨大な城郭だが、今ではかなりの部分が公的施設になっている。ただ城の中枢はまだ残っており、以前に見学に行ったことがある。再訪することも考えたが、今日は時間と体力にその余裕がない。

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福岡城見学は次の機会にすることに

 福岡市美術館は久しぶりの訪問。例によってなかなかに巨大な施設である。

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福岡市美術館

 

「物・語 近代日本の静物画」福岡市美術館で7/3まで

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 静物画というジャンルに絞り、明治から現代までの作品を紹介。

 静物画は人間に無関係な事物を描いている絵画というイメージがあるが、実はこれらの事物を通してそこに不在の人間の存在を描くという目的を持つ絵画もあるようだ。本展で重要性の高い作品に岸田劉生の静物画があるが、その中にはあえて人間の手をそこに加えていたものもあったとか。当時は「悪趣味」と批判されたらしいが、この辺りには岸田劉生の前衛性のような物が現れている。

 

 諸々の作品がゾロゾロと展示されていたので、展覧会の内容自体が散漫な印象を受けてしまった。それと困ったことに疲労のせいで私の集中力も少々欠け気味。

 展覧会を終えるとバスで天神北まで移動。次は福岡県立美術館を見学。この美術館は以前に一度だけ来ているが、どうも建物が他の建物を流用したという印象で、展示室の構成が良くないという悪い記憶だけが残っていたのだが、最近改装なったようである。

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福岡県立美術館

 

「色彩の奇跡 印象派展」福岡県立美術館で6/5まで

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 日本で有名な印象派の成立とその後の展開に関係した画家たちの絵画を、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館&コルプー財団の所蔵品から紹介する。

 いきなりセザンヌの作品から始まってモネ・ルノワールなどのメジャーどころの展示になるのだが、どうも全体的にタッチの荒い作品が多いという印象を受けた。印象派の絵画は当時「描きかけの中途半端な絵」と揶揄されたのだが、まさに描きかけ感が強いような作品が多く、個人的に面白いと感じられる作品が少なかったのが残念。以前からモネの作品などには非常に当たり外れが多いことを感じており、煌めくような光を感じさせる作品もあれば、ボンヤリしたパッとしない作品も多々あるように思うのだが、どうも本展はその後者が多かった印象である。

 

 この美術館としては気合いの入った企画のようだが、実際に来館者も多くかなり賑わっていた。やはり「エジプト・浮世絵・印象派」のようだ。ただ私自身は上記のように印象は今ひとつ。それとも疲労のせいで絵画に深入りできていないのだろうか?

 何だかんだの内に正午を過ぎてしまった。今日のコンサートは2時からアクロス福岡であるのでそちらに移動することにする。

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