台風が迫る中、高松に渡る
この日曜日は高松まで海を渡ることにした。目的は高松市美術館で開催中の展覧会と瀬戸フィルのコンサートに行くこと。瀬戸フィルは高松を拠点とした地方オケだが、この度オーケストラ連盟に加入することになったという。どうやら岡山フィルは先を越されてしまったようだ。
日曜日は天気は良いのだが、西から台風が接近中とのことが気になるところ。もし瀬戸大橋が風で通行止めになれば四国で足止めということもあり得る。状況に気をつけながらの遠征となる。
交通機関はJRで行く。今回のために青春18切符をあと一回分残してある。岡山まで山陽本線で移動すると、そこからマリンライナーで瀬戸大橋を渡る。高松に降り立ったのは11時前ぐらい。高松駅に降り立つのは久しぶりだが、以前よりもかなり開発が進んだような気がする。なお風は若干強いが天候は晴れ。とりあえず当面はJRのダイヤにも乱れはなさそうだ。
讃岐うどんを食べてから美術館へ
さて最初にすることだが、やはり高松まで来たからにはうどんを食べておきたい。そもそも今日は朝食を摂る間もなく飛んで来たので、腹が減っていてたまらない。適当に駅前のうどん店「めりけんや」に入店して「すだちぶっかけうどん」を注文、これにおにぎりや天ぷらなどを追加して700円。
さすがに讃岐うどん、腰が強くて私好み。もっとも今時は讃岐うどんもはなまるや丸亀製麺の全国進出で各地で食べられるようになったので、それらのうどんと比べて特別にアドバンテージがあると言うほどではない。
とりあえず腹を満たすと美術館までプラプラと歩く。高松は平地の町のせいか自転車が多い。確かにこの町で移動する場合は自転車が最強だろう。商店街の中にも大きなイオンサイクルショップがある。
10分程度で美術館に到着。入ったところのホールに人だかりが出来ているので何だと思えば、どうやらホールに置かれた「フローラ」が後数分で立ち上がるのだとか。例によってのヤノベケンジらしい大仕掛けである。私もついでに見学していくことにする。
立ち上がると言っても「よっこらしょ」と立ち上がると言うよりは、スカート以上がジャッキアップされるという形。花の妖精らしくスカートの中はギラギラの装飾がされている。立つのは5分間だけとのことなので、入れ替わり立ち替わりで大撮影大会。
その撮影大会を後目に私はさっさと展示室に入場することにする。
「ヤノベケンジ シネマタイズ」高松市美術館で9/4まで
独自の立体造形で知られるヤノベケンジの展覧会。本展でも上記のフローラ以外に突然に立ち上がるステンレスの胎児など奇妙で大がかりな造形が展示されている。
アトラクション的な面白さはあるのであるが、それが芸術かと言われれば微妙な気持ちはつきまとう。まあ有りか無しかで聞かれると有りなんだろうが。
何やら映画の撮影があるとのことで、展示室の一部は撮影禁止。おかげで「風神雷神」が撮影できず。もっともこれらは今まで何度も見ているので、別に今更撮影しようとも思わないが。
商店街を散策
美術館を後にするとホールの方向に向かってブラブラと散策。昼食を摂る店を探す必要があるが、さっきうどんを食べたところなので腹は減っていないし、続けてうどんを食べる気も起きない。と言うわけであてもなく商店街をさすらう羽目に。途中でいもソフトなるものを頂く。これは本当にサツマイモが入っているソフト。結構腹持ちがよいのでこれを食べたら余計に昼食がどうでも良くなってきた。
商店街を抜けると高松城のところまで出てくる。高松城では現在、天守閣復元を目指しての署名と資料と寄付を集めているようだ。実現すれば良いのだが。ただ建てるなら中途半端なものは建てないで欲しい。
結局はこれという店が見つからないまま高松駅まで戻ってきてしまう。目的のホールはこの駅のすぐ北。ついでだから現地視察をしておくことにする。
ホール近くで昼食を摂る
ホールは複合ビルの3階に立地している模様。開演は2時からで開場は30分前だが、全席自由席なのでその前から並ぶ者がいるだろう。さすがに12時半時点ではまだ並んでいる者はいないようだが。
さて天候の方だが、風はやや強いが目下のところは雨の気配はない。先ほど高松駅で確認してきたところではJRも至って通常運行。これはコンサートを聴いている間に帰れなくなるということはなさそうである。先日の松本遠征以来ことごとく台風とニアミスしているが、毎回特に問題なくやり過ごしている(大分の帰りの飛行機が揺れた以外は)。やはりこれは私の日頃の行いの良さというものだろう。
まだあまり腹は減っていないが、コンサートが終了するととんほ帰りで夕食を摂っている暇はないだろう。となるとやはりどこかで何かは食べておく必要がある。そこで隣の商業ビルのレストラン街をウロウロ。結局は寿司屋「七幸」に入店してランチメニューを注文する。
可もなく不可もなくというところか。寿司の斜里の握りが緩すぎて、箸でつかむと斜里が崩れるのはマイナス。
昼食を終えたら1時前だったのでホールに戻る。私が到着した時にちょうど行列が出来る頃。前から10番目ぐらいのポジションを確保。これでまあ良い席にはつけるだろう。この後は急激に行列が伸びていってやがて開場時刻に。私はホール一階席中央辺りを確保。これで席には全く問題がない。
瀬戸フィル第27回定期演奏会
ワーグナー 「タンホイザー」序曲
リスト ハンガリー狂詩曲第2番
ホルスト 組曲「惑星」
指揮:ノールマン・ビジャヤ
瀬戸フィルハーモニー交響楽団
日本のオケがどこも抱えている「金管が弱い」という問題は、ご多分に漏れず瀬戸フィルでもあるようだ。タンホイザーの冒頭のホルンがいきなり音程不安定で心配になる。ここに限らずこの後も何度か危うい局面があったが、幸いにして破綻につながることはなかった。ハンガリー狂詩曲はかなり自由な煌めくような曲だが、それは比較的うまくまとまっていたように感じられた。。
メインの惑星はかなり気合いの入った演奏であり、それは客席にも伝わってくるのだが、やはり随所に技量的な未熟さはどうしても垣間見える。ただそれが直接にダメダメな演奏になったというわけではない。演奏終了後、ホールが暖かい拍手で包まれたのは妥当な演奏である。
コンサートは2時間弱で終了、ホールから出てきた時には風はむしろ朝よりも弱くなった感じであった。当然のようにマリンライナーは何の問題もなく運行され、無事に家に帰り着いたのである。