翌朝は8時に起床すると朝食。腹が減っているので食が進む。今日は長駆して奈良の天川村までの移動なので、エネルギー補給が重要。
洞川温泉を目指す
今日の目的地の洞川温泉は山岳信仰の対象となっている大峯山の入口に位置する温泉街。とは言っても何も私は今から修験道の修行をする気は全くない(直ちに出家できるぐらい清く正しい生活はしているが)。ここに興味を持ったのは、この近くに面不動鍾乳洞と五代松鍾乳洞という二つの鍾乳洞があることからである。
ホテルを10時頃にチェックアウトすると車でひたすら南下。大阪市内では渋滞に出くわすが、それを抜けると後は快調。南阪奈道路を降りると南下して国道309号線へ。起伏の激しい道ではあるが対面2車線の整備された道で走りやすい。
途中で道の駅があったので立ち寄ってイノシシ串カツやイノシシコロッケを頂く。それは良いとして、何でここの道の駅はヤマザキなんだ?
山道を快調に走行して天川村が近づいてくる。しかし長いトンネルを抜けた途端に風景が変わる。何と雪がある。これは想定外。当然ながら私の車はノーマルタイヤしか持ってないし、オートソックはあるもののチェーンなどは持っていない。しかも国道309号から離れると、道は登りの山道となり雨は雪に変わる。もし積もりでもしたら大事だが、まあ積もるほどではなかろうと腹を決める。なお後で聞いた話であるが、昨晩に雪が降ったのだとか。さすがにこの辺りでも4月に雪が降ることはそう多くはないとのこと。
洞川温泉には10分もせずに到着する。山間の鄙びた温泉街という風情である。今回予約している宿は観峯荘にしぎだが、まだチェックイン時間までに余裕があるので、まずは面不動鍾乳洞に立ち寄りたいと考える。ただしもう昼時なのでその前に昼食。ちょうど鍾乳洞の登り口の近くに「そば処清九郎」という店があったので入店する。注文したのはニジマスとトロロそばのセットメニュー。
そばはなかなかうまい。この手の田舎の店はボッタクリのところが多いのだが、そういうこともなく内容的には良心的だと感じる。
面不動鍾乳洞を見学
昼食を終えると面不動鍾乳洞に向かう。面不動鍾乳洞は山の上にあるらしく、そこまではモノレールで登るか徒歩で登るかの二者択一。軟弱な私は迷わずモノレールを呼び出す。
しばらく待たされた後、上の方からゆっくりとモノレールが降りてくる。林業用モノレールのようなものかと思っていたが、10人ほど乗れる予想よりも本格的なモノレールである。
モノレールは結構な急斜面を5分ほどかけてゆっくりと登っていく。途中の傾斜はかなり強いところがあり、背もたれに体を押しつけられるような箇所もある。また大木をスレスレにかすめている箇所もあり、これ以上木が成長したらどうするんだろうと心配になる。
料金は上で入洞料と併せて支払い。往復料金500円に入洞料が400円である。鍾乳洞の入口はそこからすぐのところにある。ここは既に結構な高さがあり、温泉街を見渡すことができる。それにしても寒い。ある程度は予測してかなり厚着をしてきた(大阪だと汗ばむぐらい)のだが、それでもここの気候はさらに寒い。本格的な冬装備をしてこなかったことを少々後悔。
面不動鍾乳洞はそれほど長い洞窟ではなく、中を一回りして入口から出てくるタイプ。中は一本道なので迷う心配もない。そう大きな鍾乳石もないが、細かい鍾乳石が多数ある。天井の隙間から水が入り込んで浸食したようだ。内部は場面場面で照明での演出がしてあってなかなか面白い。
五代松鍾乳洞へ
面不動鍾乳洞を一回りすると、次は五代松鍾乳洞に向かうことにする。五代松鍾乳洞は温泉街を通り抜けて車で5分ほど走ったところ。
この鍾乳洞も山の上ということでモノレールで上に登ることになる。こちらもモノレール往復500円に入洞料が400円だが、有料駐車場の料金500円がさらにかかる。
こちらのモノレールはもろに林業用モノレールを流用したもの。先ほどのモノレールに比べると軌道などがかなり簡単なものなので、本当に大丈夫かやや不安になることも。しかも最大傾斜が35度とかで、その辺りになるとシートに押しつけられるを通り越して、体が後ろに回転して落ちそうな気がする。意外とスリルがある。
上に着くとガイドに案内されながら洞内を回ることになる。下の駅でヘルメットを渡されたのだが、その理由は洞内にもぐるとすぐに分かる。とにかく狭い通路が多い。かがんで歩かないと行けない箇所が多数あり、頭をぶつける危険も高い。実際に私も派手に頭をぶつけてしまい、ヘルメットのおかげで頭にけがはしなかったが、首にもろに衝撃が来てこちらがおかしくなってしまった。
鍾乳洞は下から上に上がっていく形式で、そう大きなものではなくコースも短い。狭い通路を抜けた上に開けた空間があり、そこが鍾乳洞のメインステージ。
結構こじんまりとした洞窟だったが、洞窟探検の醍醐味は味わえると言える。ただし通路はかなり狭いので、巨漢の者ならかなりキツイのでは。相撲取りは入洞禁止である。
面不動鍾乳洞の向かいにはゴロゴロ水なる湧き水の汲み場がある。これは山の上の洞窟から湧いている名水とのこと。近くには名水を利用したゴロゴロ茶屋なるカフェもある。そこで名水コーヒーとわらび餅で一服。なおペットボトルをもらってゴロゴロ水を汲んで帰ったが、カルシウム分の多い硬度がやや高めの水のようである。
蟷螂洞は入れず
次は近くの蝙蝠洞なるところに立ち寄ってみるが、閉めてあって入れない。どこに連絡すればよいのかも分からないし、諦めて引き上げることにする。
観峯荘にしぎに泊まって入浴
さてそろそろもうチェックイン時刻。とりあえず早々に旅館に入ってしまうことにする。にしぎは表から見た感じではややくたびれた建物に見えるが、内部は随所に手を入れてあり綺麗。私の通された部屋は12畳の広い部屋。観峯荘の名の通り窓からは山が見える。
旅館に入ればまずは入浴。男性用大浴場に出向く。内風呂一つのシンプルな施設だが、そこに湯がダバダバと注がれている。加温・循環濾過の模様。泉質はアルカリ性の単純泉とのことだが、肌にネットリとした非常に感触の良い湯。単純泉と一口に言っても幅が広く、新湯に近いものもあるが、ここのは美肌系のアルカリ泉という特徴が強い。
洞川温泉を散策
入浴を終えるとプラプラと散歩に出る。向こうの山に展望台が見えているのでそこまで登ってみることにする。龍泉寺から遊歩道がつながっているのでそれを登る・・・のだが、山道に入った途端に息が切れる情けなさ。
これを登った先にかりがね吊橋という吊り橋があるのだが、これが実際に渡ってみると怖い。途中から足がすくんできたが必死でそれを抑えて渡りきる。
展望台にはここからさらに5分ほど登るが、この時には既に足下はヨタヨタ。かなり情けない状態。これではもう一度鍛え直さないと山城攻略は無理だ。
展望台からの見晴らしはなかなか良い。ただ角度の関係で面不動鍾乳洞からの風景の方が良かったような。
展望台から再びあの恐怖の吊り橋を使って降りてくると、町並みの散策。なかなかに歴史を感じる途中で「亀清」で鮎の塩焼きと鯖寿司を頂いて一服。
旅館に戻ってくるとテレビを見ながら一服。テレビは韓国の朴前大統領の逮捕のニュースばかり。この国の大統領は自分の取り巻きに便宜を図ったりなどの汚職ばかり。もっとも日本にも自分の取り巻きに便宜を図りまくっている総理がいる。籠池のような露骨なおべんちゃらに喜んで便宜を図ってしまうあたりが人間の小ささを示している。私も「安倍晋三記念館を建設したい」とでも言って便宜を図ってもらおうか。地域振興の調査のための視察旅行に補助金を出して欲しい(笑)。
にしぎで夕食をたっぷり頂く
しばらく一服するとようやく夕食の時間。夕食は別室で鴨鍋を中心とした料理。これが鴨肉たっぷりでなかなかうまい。全体的にボリュームもあり、最後の雑炊はさすがに食べきれない。
かなり腹が重い状態で部屋に戻ってくると、一息ついてから再び入浴する。快適至極。
夜になって暖めた体が冷えてくるにつれて眠気がこみあげてくる。この日は早めに寝ることにする。