爆睡していたのだが5時頃に中途覚醒してしまった。この後は8時頃まで半分寝ているような起きているような状態でウトウトと過ごす。
ルートインで朝食後に市内観光へ
8時前に起き出すと朝食。ルートインの朝食はいつも変わり映えがしないのが難点。とりあえず軽く朝食を済ませる。
朝食を終えると朝風呂を浴びる。なかなか極楽気分。明日はANAの早朝便で神戸に戻るので、バタバタした出発になるだろう。今日ぐらいはゆっくりしたい。
テレビをつけると昨日のプロ野球ドラフト会議のニュースを放送している。話題の清宮は日ハムが交渉権を獲得したようだ。それにしてもクジ運の強いチームである。現在は札幌駅は大谷翔平一色だが、彼も近々アメリカに渡るとの噂。そうなると札幌駅は今度は清宮がお出迎えとなるのだろうか。ただ今は大谷、その前はダルビッシュで、清宮には悪いが彼らと比べるとどうしてもビジュアル面が・・・。田舎のヤンキーみたいな中田翔と農村青年のような清宮の並ぶ日ハムのクリンナップというのもやはり絵的にはしんどいものがある。プロ野球選手に必要なもの「一に実力、二に幸運、三四がなくて五にルックス」。
さて今日の予定だが、19時からKitaraで札響のコンサート・・・以外は何もない。現在は美術館の出し物もないし、もう既に札幌で回るべき定番観光地はほぼ回り尽くしているし・・・というわけて行くべきあてもないのである。これは困った。
ぶっちゃけホテルの部屋で寝てても良いところだが、部屋の掃除があるので昼間には部屋を空ける必要がある。仕方ないので10時頃にあてもないままホテルから外出する。
北海道庁旧庁舎を見学
とりあえずは札幌定番の観光コースの中で数少ないまだ訪れていないスポットと言うことで、北海道庁旧庁舎を訪ねることにする。札幌駅から地下通路をプラプラ歩いて行くとすぐに到着する。
旧庁舎は赤煉瓦造りの趣ある建物。周辺も公園となっているし、確かに観光で立ち寄るには良いところ。内部は無料公開されており、北海道開拓にまつわる資料や北方領土関係の展示などがなされている。ただご時世というか、こんなところにまで「萌え」が侵入していたのにはぶったまげたが。
旧庁舎を回り終えると全く行くあてがなくなってしまった。そこで旧庁舎東のビルに入るとターリーズで抹茶ラテを頂きながらこの原稿を打って時間をつぶしているという次第(笑)。
昼食は贅沢にウニ丼を頂く
さてそろそろ昼食だが、昼食はこのビルの地下の「うにむらかみ」に立ち寄ることにする。開店の10分前に店に行ったのだが、メニューを見ているうちに客がゾロゾロと増え、あっという間に20人ほどの行列。GWに函館に行ったものの、むらかみは長蛇の列で入店できなかったのでそのリターンマッチである。注文したのは「ウニ丼のSサイズ(2646円)」さすがに通常サイズは4000円ということでとても昼食にそれだけかけられないのと、札幌に来た以上うにだけでなくいろいろ食べたいという気もあっての選択。
やはりウニが甘い。ホウ酸処理のような馬鹿なことをしていないので、ウニ本来のうまみが出ている。これが函館で私を魅了したウニである。久々にウニを堪能したのである。いささかの贅沢であるが、満足して昼食を終えたのである。
札幌ビール園の見学
昼食後はプラプラと札幌駅まで戻ってくると、札幌ビール園を訪問することにする。いわゆる観光ガイドに登場するような場所で、もう残っているのはここぐらい。そもそも私はビールはおろかアルコールが天敵のような人間なので、今までビール園を訪問する理由がなかった次第。
ビール園へは直通のバスが出ているのでそれに乗車する。赤煉瓦の趣のある建物が見えてくるが、それがビール博物館。隣に商業施設のアリオがあるので降車客は結構多い。
ビール博物館はサッポロのビール工場の見学。有料のガイドツアーと無料の見学コースがあるが、私は無料の方へ。明治時代に国策としての国産ビールの製造が検討され、そのための工場がここに建てられたということらしい。この裏では様々な権力的な駆け引きから、現場では明治版プロジェクトXといった苦労がもろもろあって国産ビール製造に成功するというわけである。その後、ビール工場は民間に払い下げられて現在のサッポロビールの前身となるが、さらに戦前の国策によるブランド統合、戦後は逆にブランドの分裂などが起こって今日に至るとのことらしい。
ここはビール博物館以外はレストランだけ。赤レンガの建物などは趣があるものの、特別に見るべき場所があると言うほどでもない。またレストランはどこもジンギスカン食い放題が売りになっているのだが、さすがにそれに参加する気もしないのでブラリと一回りしてから、隣のアリオを覗いて見学は終わり。バスで札幌駅に戻る。直行バスで戻るのも芸がないので、大通り公園の方を回るバスで。途中では日本がっかり名所の不動の一位の札幌時計台の前も通る。
札幌駅まで戻ってくるとぽっぽまんじゅうを購入してからホテルに戻る。もう疲れたのでホテルの部屋で休むことにする。
狸小路でラーメンを頂いてからホールへ
一休みしてからホテルを再び出たのは5時前。コンサートの前に軽く夕食を摂っておくべきだろう。やはり札幌に来たのならラーメンか。狸小路まで移動して「喜来登」で味噌ラーメン(800円)を注文。ネギやもやしがたっぷりの野菜の多いラーメン。味噌の味が絶妙で、もやし嫌いの私がモリモリと食える。なかなかに食物繊維たっぷりのラーメンである。
夕食を終えると市電でホールに移動する。日が沈んでから急激に辺りが寒くなってきている。そんな中、ホールはかなりの熱気。9割以上は入っているだろう。
札幌交響楽団第604回定期演奏会
指揮 ラドミル・エリシュカ
スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲
ドヴォルジャーク チェコ組曲 ニ長調
リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」op.35
エリシュカのファイナルということで、オケの方もかなり気合いが入っているのが伝わってくる演奏。札響とエリシュカの息も非常に合っており、実に中身の濃い演奏になっている。
一曲目からエリシュカ得意のチェコプログラム。非常にノリの良い演奏となっている。もうこの曲の時点でオケの指揮者に対するリスペクトが伝わってくる。
エリシュカが指揮すると、その楽曲が持つ舞踏のリズムのようなものが前面に出てくるのであるが、それが最もハッキリと現れているのが二曲目のチェコ組曲。これは日本では知名度が高いとは言い難い曲だが、非常に魅力的に聴かせる演奏となっている。
最後はエリシュカも札響も思い入れがあると思われる「シェエラザード」。エリシュカが初来日した際に札響と共演したのがこの曲とのことで、予定の曲目を変更してまで臨んだ曲である。エリシュカの指揮は決して誇張や虚仮威しのない堅実なものであるが、細かいところまで計算し尽くした仕掛けが多々あり、札響もそのエリシュカの意図に的確に応えた名演となっている。管弦楽のうねるような迫力は圧巻であり、エリシュカの最後の来日を飾るにふさわしい非常に聴き応えのある演奏となった。
演奏終了後は場内は大盛り上がりで、立ち上がる観客も多数。札幌でこれだけ盛り上がるのも珍しいのでは。演奏の内容もレベルが高く、わざわざ札幌まで来ただけの価値を感じさせるものであった。
この日は満足してホテルに戻ると、そのまま入浴を済ませ、明日に備えて早め就寝したのである。