徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

セントラル愛知第158回定期演奏会&重伝建地区・有松~桶狭間古戦場

 翌朝は8時に起床。かなり長時間寝たが、それでも体に怠さが残っているのは最近毎度のこと。どうも睡眠力が落ちているようでよろしくない。それにのどに違和感がある。やはり数日前から風邪気味である。

 朝食はパンとスープの簡易朝食。これがこのホテルの最大の難点。これで朝食がもっとしっかりしていたら満点なんだが。

重伝建地区・有松の町並みを見学

 さて今日の予定だが、6時45分からのセントラル愛知交響楽団のコンサートを聴きに行くのが最も大きなもので、後はこれといった特別な予定はない。ただ頭の中にある一つは、最近に重伝建に指定された有松を見学に行こうというものがある。特に予定がキツくないので、10時頃まで部屋でゆったりと過ごすとバスで名古屋駅まで送迎してもらう。

 名鉄に乗るのは久しぶりである。それにしても名鉄の名古屋駅は手狭だ。本来ならターミナルになるべき駅なのに、スペースの関係で線路が2本だけの通過駅仕様。ここを全路線の列車が通過するので、数分おきにひっきりなしに列車が来ることになる。

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有松駅

 有松まではそう遠くない。有松駅を降りると駅前には重伝建関係の案内板が立っている。どうも重伝建指定を積極的に観光に利用しようとしている模様だ。実際に町並みを歩くと商売をしている家も結構多く、こういう場合は概して重伝建の運営がうまくいく場合が多い。

 有松は東海道の沿いの茶屋町であるが、尾張藩によって鳴海宿と池鯉鮒宿の間に設置されたとのこと。そもそもこの辺りは松林が生い茂った非常に寂しい地であり、盗賊の類いが出没することがあると言うことで、治安の意味でもこの地に集落を設ける必要があったのだという。諸役免除などの特典で移住者を募集したところ、それに応じる者が8名現れてそれが最初の集落になったという。しかしこの地は農業を行うには狭すぎる土地(明らかに斜面が多すぎる)だったため、副業として絞り染めが発展したという。当初の町は1784年の大火で全焼したが、その後に藩による保護策などによって新たな街並みが復興、瓦屋根のうだつの上がった町並みがその時に整備され、その多くが現在も残存しているとのこと。

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有松の町並

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蔵造りの建物が多い
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町外れの一里塚

 町並みは川沿いの低地に伸びている。歩いて一回りして見るが、それにしても町並みの完成度はかなり高い。他の重伝建でもここよりも町並みとして揃っていないところは多い。ここが今まで重伝建に指定されていなかったのがやや不思議なぐらい。全国にはまだまだ隠れた重伝建クラスはありそうだ。

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駅東側の町並み
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裏手の川筋に回り込む

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 町並みを西から東まで一渡り見学したところで、町並みの中にある日本料理店「やまと」に立ち寄る。古民家をレストランとして使用しているようで、二階の和室が客席になっている。注文したのはランチメニューの「一期一会(2160円)」

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古民家を利用したやまと

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趣ある座敷

 いわゆる典型的な会席料理。普通にうまいんだが、やはり和食の常でボリュームはやや不足。私にはいささか上品すぎるか。

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いわゆる懐石膳

 

桶狭間古戦場公園を訪ねる

 昼食を終えるとこの近くにあるという桶狭間古戦場公園に立ち寄ることにする。バス停に行くが、生憎とバスは出た直後で次の便は20分以上先。Google先生にお伺いを立てたところ、目的地までは歩いて20分とのこと。Google先生は結構健脚だから大丈夫かなという不安はあったが、次のバスを待つ気もしないので歩き始める。

 有松からはかなり上り坂を進むことになる。左手に小高い丘をみながら回り込む形。私ならここに城郭を構えるがと考えていたのだが、後の調査によるとここは高根山と呼ばれるこの辺りでの最高地で、やはり桶狭間の合戦時には今川方が陣をしいていたらしい。この先にはそのものズバリの幕山と呼ばれる地域があり、こちらもやはり今川方が陣をしいていた場所らしい。

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桶狭間古戦場公園

 桶狭間古戦場公園はその奥。公園内には今川義元と織田信長の像が建てられているが、街道一の弓取りとの二つ名の通り、義元は弓を持ったなかなかにりりしい像になっている。どうも一般的には義元と言えばゴジャルゴジャルのお公家さんイメージで描かれることが多いが、実際はこちらの方が正しいのでは。もっともこの義元の隣で槍を持って立っている信長がいささか貧相。まあ駆け出しの戦国大名だから、これも実際に近いか。

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今川義元と織田信長の像

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「海道一の弓取り」らしく堂々たる今川義元

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それに比していささか貧相な織田信長

 この公園の構造自体が桶狭間合戦のジオラマになっているといういささか凝ったものである。公園を一回りしたら、合戦での布陣や辺りの地形などが理解できるという趣向。

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公園自体が桶狭間の合戦のジオラマになっている

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石碑などが部隊の場所を示す

 帰りは歩く気力がないので幕山からバスに乗って帰ることにする。ちょうどこの辺りの巡回バスが数分後に到着する。バスで有松に戻ってくると名鉄で名古屋に戻る。

 

名古屋の四間道を散策

 名古屋に戻ってきたところで次の立ち寄り先だが、四間道を訪ねてみることにする。聞くところによると趣のある町並みがあるとのこと。Google先生によれば、名古屋から徒歩で15分程度とのこと。

 四間道は幅の狭い道に面して、古びた町並みが並ぶところ。ただし古いといっても江戸時代と言うよりは昭和レトロの風情。かなり古い家もあるがそれは数軒。全体としては震災で完全に失われたかつての古き良き長田の町並みに近いか。

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四間道の入口
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 ただ飲食店が多いと聞いていたのでお茶でもしたいと思っていたのだが、店の大半はいわゆる飲み屋系のようで、3時現在ではすべての店が閉店中。一軒だけ見つけた喫茶店は待ち客がいる状態。結局はこれといった立ち寄り先もなく、何をするでもなく一回りして帰ってくるだけになってしまう。

 もう何もすることがなくなってしまったので、ホテルまで歩いて帰ると入浴。後はマッサージチェアで体をほぐしたりなどしてマッタリと時間をつぶす。

 

ホテル近くの店でひつまぶしを頂く

 再びホテルを出たのは5時過ぎ。ホールに行く前に夕食を摂ることにする。味噌煮込みうどんはもう食べたので、後はひつまぶしか。遠くにまで行く時間はないので、ホテル近くの「澤正」に入店。ひつまぶし(3500円+税)を注文。

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澤正

 パリッとしたうなぎはうまいのだが、やはりいささかボリューム不足は否めない。ここはうなぎと日本料理の店とのことだが、実際は高級日本料理店というのが正しい位置づけか。

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高級感はあるがボリュームはない

 夕食を終えると歩いてホールへ。このホールに来るのは二回目で、前回もセントラル愛知のコンサートだった。ただその時は曲目が山田耕筰の交響曲というかなりの変化球だったせいで、オケの実力を測りかねていた。そこで今回というわけである。なお今回のコンサートを選んだのは、指揮者のスワロフスキーに興味があるから。

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夜の名古屋の町を散策

セントラル愛知交響楽団第158回定期演奏会 ~モノラル・ステレオが交差する素朴な旋律~

指揮/レオシュ・スワロフスキー
ヴァイオリン/アンドレイ・バラノフ

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」Op.5 序曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64

 一曲目のルスランとリュドミラだが、この曲は弦が下手だといきなり演奏が崩壊してしまうという危ない曲。しかしセントラル愛知はこの曲を全く問題なく室内楽的アンサンブルで演奏する。やや金管が吠えすぎの感はあるが、ノリも良くまずまずの演奏。

 二曲目はソリストのバラノフのテクニックがかなり前面に出る。なかなかに堂々たる弾きっぷりでオケを引っ張っていく。

 三曲目はスワロフスキーの技が光る。セントラル愛知は10編成の小規模オケだが、その規模の小ささを感じさせないぐらいのパワーを炸裂させる。これはしらかわホールの小ささも幸いしているようだが、この曲をやる時に懸念した音量不足は感じさせない。またスワロフスキーはただ大音量でぶっ飛ばすだけでなく、突然に音量を最小まで絞ったりなど、かなりメリハリの強い演奏。その指揮に弦楽陣はなかなか見事に追随していた(金管に関してはそもそもダイナミックレンジがやや狭めで、特に小音量には対応し切れていなかった部分があるが)。結果として熱演と言って良い演奏になっていた。

 感想としては「意外とやるなセントラル愛知」というところ。またやはりスワロフスキーはうまい。今後注目したい指揮者の一人である。

コンサート帰りに焼き鳥屋に立ち寄る

 夕食のひつまぶしがややボリューム不足の感があったため、ホテルへの帰りに「地鶏屋本店」に立ち寄り、名古屋コーチンを始めとする焼き鳥を10本ほどつまんで帰る。

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地鶏屋本店に立ち寄る

 焼きが絶妙でうまい焼き鳥だ。特に締めで注文した焼きおにぎりが、表面はパリパリで中はもっちりという絶品。ただとにかく注文してからの時間がかかるのが難点。焼きおにぎりなどは焼くのに10分以上かかっていた。

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 腹を膨らませてホテルに戻ると、もう一度入浴する。今日は有松で歩き、名古屋で歩き、さらにホールまで往復しで1万8千歩以上歩いている。体をほぐしておかないと明日の行動に響く。

 入浴を済ませると一息ついてから就寝。明日は今日よりも早めに行動する必要がある。