徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

「木彫家 藤戸竹喜の世界」at 国立民族学博物館&「藤田嗣治」at 大谷美術館&「劇場版マジンガーZ/INFINITY」

 この週末は映画を見に行くことにした。見に行こうと考えた映画は「マジンガーZ/INFINITY」。この年になってロボットアニメかよという気もするが、やはり私の年代はこの作品には強い思い入れがあり、それが新作公開となれば出かけてみようかという気にさせるには十分である。なお今回はTOHOシネマズのマイレージが溜まっているので1回ただで見れる。近くのTOHOシネマズと言えば西宮か伊丹であるが、後の行動を考えて伊丹の方に出向くことにする。

 伊丹のTOHOシネマズはイオンモール伊丹の中に入っている。今日は後の行動を考えて車で来ているが、現地はかなり広い駐車場があるのでありがたい。現地到着は大体予定通りの時間。

 館内はプレミアムシートは一杯だが、通常シートは1割程度と言うところか。要するに極端に気合いの入っている観客が特定数いるということのようだ。実際、映画パンフは私の到着した時点では既に売り切れていた。初回上映にかなりコアな連中が押しかけたとみられる。なお客層は私と同年代ぐらいの男性1人というロボット映画にしては珍しい客層が多い。この手の映画によく現れる子供やオタクな雰囲気の若者というのはあまり見かけない。

劇場版 マジンガーZ/INFINITY

 ドクターヘルのロボット軍団との死闘も決着し、世界は光子力エネルギーによってめざましい復興を遂げていた。そしてかつてのヒーロー・兜甲児も今はパイロットを引退して研究者として活躍していた。そんなある日、富士の地下から超巨大なマジンガーを思わせるような遺跡が発掘され、その中からアンドロイドのリサが現れる。そして時を同じくしてドクターヘルが復活、ロボット軍団の攻撃が開始される。

 ビジュアル面ではCGなども使用して、いかにも今日的な改良が施されている。戦闘シーンのスピード感や迫力はなかなかである。もっともリアルさを追究したのだと思われるマジンガーの鱗状デザインは好き嫌いの分かれるところ。またキャラクターに関してはキチンと旧作のデザインを踏襲しているが、新キャラのリサの綾波レイを思わせるようなデザインなどは明らかに今日的。おかげで弓さやかが葛城ミサトに見えてきた(茅野愛衣の喋りもどことなく三石琴乃を連想させる)。

 ストーリー面は要約してしまえばヒーローが悪を力で粉砕するだけという非常に単純極まりないもので、今時のコアでオタクな若者からすれば幼稚なストーリーにしか見えないだろう。しかしそもそも当時のロボットもののストーリーはすべてそういうものであり、かえって下手な違和感を持たないで済む。当時の子供たちが東映まんが祭をワクワクしながら見ていた感覚を思い出させる。

 要はうん十年トリップして、ガキに戻ってマジンガーの大活躍を興奮して見ていればそれで事足りるという映画とも言えるが、それだけにかなり観客を選ぶ。なおオールドファンにはOPの兄貴こと水木一郎によるリメイク版主題歌が一番泣けるところである。

 一言で言えば「平成リメイク版東映まんが祭」。これに尽きる。それにしても兜甲児が父親となり、ガッチャマンの健は「おっさん」と呼ばれるとは、何やら自分自身の年齢も感じさせられてしまう。かく言う私も、そろそろ「おっさん」を通り越して、下手すりゃ「じいさん」にさしかかっている。

 映画自体は「マジンガー強すぎ」とか、最後には地球を守るために節電かとか(見方によっては「オラに元気を分けてくれ」みたいにも見えたが)、ツッコミどころは数々あるが、私の年代にはこの作品を持ってくるのはそれだけでほとんど反則。ただ一つ言うなら、あのシチュエーションでグレートが出てきたのなら、「マジンガーZ、これを使え!」もやって欲しかった。

   

 

 

 映画を堪能した後は3階の飲食店街で昼食を摂る店を物色、「和幸」を見つけたので入店する。「ロースとんかつご飯」「カニクリームコロッケ」「牡蠣フライ」を1つずつ単品で追加する。なぜか今日はガッツリと食いたくなった。

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和幸で昼食にする

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きょうはとにかくガッツリ食いたい気分

 昼食を終えると次の目的地に移動。次の目的地は万博公園の国立民族学博物館。ここで開催されているアイヌ彫刻家の展覧会を見学するつもり。

 ここから万博公園は距離は大したことがないのだが、とにかく道が混雑しているので予想よりも時間がかかる。とりあえず庭園前の駐車場に車を放り込むと博物館へ。

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駐車場からは太陽の塔の背中が見える

「現れよ。森羅の生命- 木彫家 藤戸竹喜の世界」国立民族学博物館で3/13まで

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 旭川で土産物の「熊彫り」をしていた藤戸竹喜だが、その後にアイヌ文化や自然の動物たちの姿を刻んだ木彫り彫刻の創作を始める。アイヌ民族の尊厳を伝えるようなその作品を紹介。

 写実的でありながら独特の力強さと神々しさのようなものまで感じさせられる作品群に圧倒される。特にアイヌ民族の姿を伝える等身大の像が圧巻。

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こういう等身大の像が圧巻

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熊の生態を生き生きと描写する一方で

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現在問題となっているゴミ熊なんかも登場

 藤戸竹喜は常設展会場の一角で開催中で、ついでに常設展の方も一回り。しかし久しぶりに来たが、やはりかなり圧倒的な物量を誇る博物館である。私はこういう民族系展示にはあまり興味がないので結局はサラリと流してしまったが、こういうのに興味がある者なら丸一日は楽しめるだろう。

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これは遊牧民の住居だろう

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これは南方系

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これは弘前のねぶた

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とにかく展示は多岐にわたる

 しかもこうやって世界各地の文化を見ていくと、日本の文化も自然にアジアの文化につながっていることを実感できるし、世界中には多様な文化が存在してそこには決して優劣のあるものではないなんてことも体感できる。大体において差別主義は無知に根ざしている。馬鹿トランプにもこういう施設を見せるべきかもしれない。

 

 歩き回って疲れたので表の売店でソフトクリームを買って一服。バニラソフトと言うよりは練乳ソフトと言うべき味わい。私は練乳は好きな方なので好みに合っているが。

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練乳ソフト

 一服を終えると最後の目的地に移動することにする。それにしてもここの駐車場で600円も取られたのは驚いた。入館料よりも駐車場代の方が高いとは・・・。

「没後50年 藤田嗣治 本のしごと -文字を装う絵の世界-」西宮市立大谷美術館で2/25まで

 渡仏して向こうで画家として名を上げた藤田は、絵画だけでなく挿絵本の仕事も多数こなしている。そのような藤田の挿絵本の仕事を紹介。

 見慣れた油絵作品と違って、挿絵作品は線中心の軽快なタッチで描かれており、やはり藤田は線の画家だというのがよく感じられる。中には外国人向けに日本文化を紹介する本などもあり、その中での藤田は普段のタッチとかなり違う描き方をしていたりするのが印象に残ったりする。

 この軽妙で洒落っ気のある藤田は、晩年の子供の絵画などに通じる藤田のようである。藤田という画家の一面を感じさせる興味深い展覧会ではある。

 

 これで今日の予定は終了、帰宅と相成ったのであるが、久しぶりに長距離を走ったせいか思いの外疲れてしまった。どうもいろいろな面での体力が低下しているようだ。