徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

ズービン・メータ指揮 バイエルン放送交響楽団&「華氏911」

 翌朝は8時まで寝ていた。結構外がうるさかったが、持参したホワイトノイズ発生器の効果かどうかは定かではないが、何度か眠りが浅くはなったものの途中覚醒まではいかなかったようである。 これはホワイトノイズで騒音を打ち消すという優れもの。結構大きな音が出るのでこんなので本当に寝れるのかと疑問を感じるのだが、ホワイトノイズは脳の騒音カット機能でカットされるので、その内に聞こえなくなる。実際に翌朝になると鳴っていることに気付かなかったぐらい。

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感想(18件)

 ただ体がとにかくダルい。やはり年のせいか朝からスッキリとはなかなかいかない。結局はブルーレイの昨日の続きやテレビなどを見ながら10時前までゴロゴロと過ごす。

 さて今日の予定だが、バイエルン放送交響楽団のコンサートは西宮で15時開演なので、ホテルのチェックアウト時刻の10時からしばし余裕がある。かといってその間を埋める予定は考えてないし、何よりも体力がガタガタで行動力は底をついている。最悪は大阪駅周辺のネカフェでゴロゴロするかと考えながらJR新今宮へ行くが、環状線で何やら事故でもあったのか運休中。仕方ないので地下鉄で梅田に向かうことに。その時にふと思いついたのが「何か映画でもないか」ということ。東宝シネマのサイトを見てみたが今ひとつピンとくる作品がない。そこで大阪ステーションシティシネマのHPを見たら、マイケル・ムーアの「華氏911」が10時40分~13時まで上映とのこと。時間的にもちょうど良いしこれを見に行くことにする。

「華氏911」

 アメリカの権力に対して常に風刺の効いた一撃をかましてきたマイケル・ムーアだが、今回はトランプ大統領をターゲットにしたようだ。

 とは言うものの、どうも最初の目的は違っていたような気がする。映画の前半で力を入れているのは、州知事が利権目当てで水道局の水源を近くの汚染された川に切り替えたせいで、鉛の入った水道水による子供達の病気が問題となったフリントの話。なお実はこれは日本人にとっても他人事ではなく、竹中平蔵などに代表される安倍周辺の売国奴共も水道事業を民営化して海外資本に売り払おうと目論んでいるので、同様のことが起こる可能性はあるのである。

 そのような権力の横暴に対して立ち上がる市民達の話が中盤に来て、後半はいよいよトランプに対する話になるが、ここでマイケル・ムーアはトランプをヒトラーになぞらえている。確かにこれは以前から言われていることだが、トランプは明らかにヒトラーと共通項も多く、目指しているところも同じである。

 ただ今回の映画で気になったのは、いつもは風刺の一撃をぶつけてくるマイケル・ムーアが、今回についてはかなり余裕がないなというところ。映画の構成がゴチャゴチャしていることもさることながら、トランプに関するメッセージがかなり直接的で焦りのようなものが感じられる。恐らく、トランプ大統領登場以降のアメリカの現状が、彼自身が予想していたよりも遥かに危機的でひどい状況であるということだろう。

 なおマイケル・ムーアは単にトランプを批判するだけでなく、トランプ大統領が誕生してしまった理由として、労働者を裏切って財界に媚びた民主党の堕落ぶりをかなり激しく批判していた。つまりは最早アメリカには労働者層のことを本気で考えている政治家はいないということで、これこそがアメリカ人にあきらめの気分を蔓延させ、低下した投票率がトランプのような危険人物を利することになってしまったということらしい。なおこれは日本の現状とも合致している。確かに彼でなくても危機感を持たずにはいられない。

 
 トランプはアメリカの民主主義を破壊するだけでなく、世界を滅ぼしかねない危険性を秘めているのは間違いない。あの大統領を引きずり下ろすのは、人類が生き延びるための重要事である。アメリカ大統領の権力は、あのような馬鹿のおもちゃには危険すぎるのである。

 映画を終えると昼食を摂るために阪急の地下をうろつくが、どの店も大行列。何しろ「インディアンカレー」や「家族亭」にまで行列が出来ているのだから正気の沙汰ではない。話にならないのでとりあえず西宮北口まで阪急で移動してしまうことにする。

 と言っても西宮ガーデンズの飲食店街もどうせ長蛇の列だろう。仕方ないので西宮北口の北で飲食店を探したが、どうもこの辺りは飲み屋街なのかランチを取れる店がない。結局はこの日のランチはモスバーガーで済ませるという情けないことに。

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今日の情けないランチ

 情けないランチを済ませると兵庫芸文に急ぐ。今回の公演は最初はヤンソンス指揮のはずが、体調不良のせいで急遽ズービン・メータに変更になったという曰く付き。しかしそもそもメータ自身も6月頃にイスラエルフィルと来日予定だったのが体調不良でキャンセルになったはず。果たして本当に来れるのだろうかとの不安があったが、どうやら無事に来日したようである。

ズービン・メータ指揮 バイエルン放送交響楽団

指揮:ズービン・メータ
演奏:バイエルン放送交響楽団

モーツァルト:交響曲 第41番「ジュピター」
マーラー:交響曲 第1番「巨人」

 メータは杖をついて支えられながら、スロープ付きの指揮台にヨタヨタと登って椅子に座って指揮する状態。そういうあからさまに「衰えた」姿に反して、そこからはとんでもなく生命感に満ちた音楽が飛び出した。

 圧巻だったのが「巨人」。ゆっくり目のテンポでドッシリとした進行の音楽は、とにかく美しい。特に美しさが際立っていたのが「花の章」。最終的にマーラーが省いてしまったこの楽章は、これが入ることでやや断絶感がある第一楽章と第二楽章がスムーズにつながるという効果があるのだが、メータの演奏はそれ以上にこの楽章自身の美しさを表現していた。

 目立ったのは弱音部分に配慮したかなりの繊細さ。それでいて鳴らす時には豪快に鳴らすメリハリのついた演奏で、豪快に鳴らして決して雑にはならないのは実に見事であった。さすがにオケもバイエルンだけあってとにかく音色がドッシリと安定感がある上にとにかく美しい。圧巻の演奏であった。


 いきなり飛び出した名演に場内は大興奮のるつぼとなった。アンコール1曲を挟んでメータ退場後も場内総立ちで拍手は止まず、メータは車いすで現れて一般参賀。場内からはかなり激しい声援が飛ぶ状況。西宮がここまで熱狂したのはかなり久しぶりでは。