徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

太陽の塔&「フェルメール展」「驚異の超絶技巧展」in 大阪天王寺

 この週末は太陽の塔を見に行くことにした。現在、太陽の塔の内部見学は人数を決めてのツアー形式になっており、事前にHPから予約する形になっている。常に予約は一杯の状態で、私も今日の予約は去年の段階でいれている。

太陽の塔は爆発だ!!

 久しぶりに間近で見る太陽の塔はかなり巨大である。ただよく見るとコンリートの老朽化も結構進んでいるように感じられる。近年に大改修をしたらしいが、定期的な補修は不可欠だろう。ただ巨大建造物の常として、いつまでそれが可能であるか。

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太陽の塔

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裏側のもう一つの顔

 内部は一階から上がっていく形になる。かつての地下巨大展示スペースが現在の一階。ここには入場ゲートを設けてあって、その手前には太郎グッズを満載したショップなどもあって賑わっている。太郎の根強い人気を覗わせるものである。

 時間が来るとゲートから入場。まずはかつての地底の太陽の復元展示。これに今は映像演出を加えて今日風にしている。ここからはグループ単位で行動することになる。

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地底の太陽はプロジェクションマッピング

 

 ゾロゾロと入場すると生命の樹の根元に到達する。ここの展示はかなり痛んでいたものを大半は復元したらしい。この復元エピソードは帰路にパネル展示してあるが、これを特集したらプロジェクトXレベルになりそうな内容。そのまま残っていたのは巨大なブロントザウルスぐらいだったとか。またゴリラはあえてかなり破損した状態のまま展示してある。他の模型もこのレベルで破損していたということらしい。破損の原因は長い年月による材質の劣化だろう。多分ウレタン原料なんかはボロボロになっていたはずである。

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生命の樹

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最下層は単細胞生物から始まる

 最下層の単細胞生物から始まって、生命の樹を登って行くにつれて進化が始まり、魚類、は虫類等を経て最後は人類に至るという設計になっている。この巨大オブジェ一つで地球上における生命の歴史を示そうという万博らしい壮大な設計の展示である。

 撮影可はここまでで、ここから先は階段を上っていくことになる。この階段はかつてはエスカレーターだったとか。最上階は両腕のところで、右腕の方はかつて非常口として設計されており、左腕にはエスカレーターがついて出口だったらしい。共にかつてあった大屋根につながっていたとか。大屋根には空中展示もあったと言うから、万博時の展示はかなり大規模なものであり、今回復元されたのは半分以下ぐらいのイメージのようだ。

 なかなかの見応え。わざわざ千里くんだりまで出張ってきた価値はあった。それにしても現代アート作家は偽者が多い中で太郎は本物だった。私は太郎の全盛期にはまだ子供で、当時は彼の真価を理解することは出来なかった。ようやく彼の真価を理解することが出来たのは、数十年後に大人になってから改めて彼の作品を見てからだった。渋谷駅で「明日の神話」を目にして圧倒された。数々の偽者もかなり見てきた上に数十年の時代の流れというのを経験してから、初めて彼の凄さを理解できた次第。とにかく彼に関しては感覚的に時代のかなり先を行っていたので、当時にその真価を理解できた者は多くはなかろう。実際に当時のメディアの扱いも、大半は色物扱いだったように思うし。

 

 太陽の塔の見学を終えたところで天王寺に移動する。次は大阪市立美術館で開催中の「フェルメール展」を見学する予定。この展覧会に関しては東京展を訪問しているのだが、展示が微妙に変わることから再訪。行列が出来ていることを警戒したが、まだあまり宣伝がされていないことと昼時だったことからか行列なく、スムーズに入館することが出来る。橋下悪政による予算削減以降混乱状態で、ろくな企画が出来ていないこの美術館にしては久しぶりの大型企画だと思うが、少々空回り気味に見えるのが気になるところ。

 

「フェルメール展」大阪市美術館で5/12まで

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 17世紀オランダ絵画の作品を概観しつつ、その代表的画家であるフェルメールの作品を展示なのだが、フェルメール以外の画家については玉石混淆。圧倒されるぐらいの技倆を発揮している画家もいるが、その一方で「?」な画家も少なくもない。

 この流れで見ていくと、フェルメールはあくまでこの時代の上手な画家の一人であって、傑出した別格の画家ではないことも痛感するのである。展示作の中でも初期作品などには未熟さも感じさせるし、それ以外の作品にも平凡なものも少なくない。実際に本展ではフェルメールをリスペクトしていたと思われるハブリエル・メツーの作品の方が強いインパクトがあったりする。

 もっともこういうことになってしまうのは、フェルメールの作品の中でも別格クラスにオーラの強い「青いターバンの少女」と「牛乳を注ぐ女」が展示されていないことが大きいとも思われるが。

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フェルメール作品の看板

 

新世界で昼食に串カツを

 展覧会の見学を終えた頃には昼をかなり過ぎていた。空腹が洒落にならないレベルになっている。そこでここから歩いて新世界まで行き、「だるま」で昼食を摂ることにする。例によって行列が出来ていたが、客の回転が速いので数分で入店できる。

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親父が目印のだるま新世界店

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良い色に揚がった串カツ

 相変わらず美味い串カツだ。ガッツリ食っても油で胸焼けするということにならないのが一番良い。

 昼食を終えると近くの美術館に立ち寄ることにする。

 

「驚異の超絶技巧 明治工芸から現代アートへ」あべのハルカス美術館で4/14まで

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 象牙細工や木工、自在置物など、あらゆるジャンルの超絶技巧作品を展示。展示作は明治期のものと現代のものとが競演している。七宝の並河靖之、陶磁の宮川香山、象牙加工の安藤緑山など蒼々たるメンバーの凄まじい作品が展示されている。

 まずは明治期の超絶技巧には驚く限り。先に挙げた名人達以外にも「どうやって作ったの?」と思わせるような作品がゾロゾロと出てくる。

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宮川香山の超絶技巧

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超リアルなオオサンショウウオ

 迎え撃つ現代の匠達だが、明治の名人達がいかにも「工芸」をしているのに対し、やはりアート面が正面に出てくるのが一番の特徴。その中で比較的「工芸」をしていたのは皿に乗った秋刀魚の骨をリアルに一刻で掘り出した橋本雅也の作品か。正直なところ「そんなものリアルに作ってどうなるの?」と言いたくなるが、アート的価値は云々として、自身の技を誇示するのには適した題材ではある。

 まあとにかく圧倒的な技に唸らされるだけで楽しめる展覧会。不器用な私としては、とても人間業とは思えない作品ばかりであった。

 

 これで今日の予定は終了、ホテルに向かうことにする。今日の宿泊ホテルは大津のニューびわ湖ホテル。明日はびわ湖ホールでの「ジークフリート」に行くつもりなので、近くのホテルでゆったり過ごそうという考え。そのためにレイトチェックアウトプランにしている。天王寺から瀬田までJRで移動すると送迎バスでホテルへ。

 ホテルに到着すると隣接の健康ランドで入浴。ここが使えるのがこのホテルの最大のメリットなんだが、ラジウム泉の大浴場を堪能する。泉質的に特別な浴感はないのだが、トロンとした肌に馴染みやすい湯でゆったりとくつろげる。この日は何だかんだで歩き回ったので(万博公園はとにかく広い)、体に相当疲れが溜まっているのを風呂でゆったりと癒やす。

 風呂から上がるとここのレストランで夕食を摂ることにする。昼食をガッツリと食べているので膳などの重いものを食べる気はしない。そう言うわけでこの日の夕食は鍋焼きうどん。

 夕食を摂ると部屋に戻るが、この頃になると体全体にどうしようもない疲労感がこみ上げてくる。そのままベッドの上にダウンしてしまって、結局この日は9時頃には寝てしまうことになる。