それにしても今年は花粉症がひどい。花粉症が風邪と相互作用しているせいで、事前に薬を飲んでいるにも関わらず鼻水が出てくる。夜中にも鼻水がのどに詰まって窒息仕掛け、咳き込んで目が覚めることも。
7時前に起き出すと昨日買い込んでいた朝食のパンなどを腹に入れるてから朝風呂にする。その後はテレビを見ながらウダウダ。チコちゃんが終わる頃にはホテルを出て、大阪ステーションシティシネマに向かう。
劇場内は8割方は入っているだろうという状態。私の周辺なんかも空席はなくてギチギチ。やはり「カルメン」も人気タイトルということだ。次回は「連隊の娘」だから多分ここまでは入らないだろう。その次は大作「ワルキューレ」だが、これは客が全く読めない。ラストの「カルメル会修道女の対話」は恐らくあまり客が入らないだろうと予測できる。
METライブビューイング ビゼー「カルメン」
指揮:ルイ・ラングレ
演出:リチャード・エア
出演:クレモンティーヌ・マルゲーヌ、ロベルト・アラーニャ、アレクサンドラ・クルジャック、アレクサンダー・ヴィノグラドフ
今更説明さえいらない自由奔放なジプシー女・カルメンと、彼女によって人生を狂わされてしまうドン・ホセの物語である。
この悪女とも妖女とも言えるカルメンを、マルゲーヌが圧倒的存在感で演じきっている。自信ありげにグイグイと押してくる迫力ある歌唱は、まさにカルメンのイメージそのもの。
一方、この悪女に翻弄される愚か者ドン・ホセを演じるアラーニャは、いかにも田舎者で女に欺されそうな純朴な青年という優しげな歌唱から始まり、最後は狂気のストーカーといった様子に至るまでドン・ホセというキャラクターを見事に表現した。
またドラマをさらに盛り上げる存在がドン・ホセの恋敵になる闘牛士のエスカミーリョを演じたヴィノグラドフ。落ち着いた渋さがありながら華もあるバスであり、優しげなテノールのドン・ホセに対して男としての格の違いのようなものを見せつけ、ドン・ホセをさらに追い込むという立場になっている。
圧倒的な歌唱と安定した演技によって、今では陳腐になった感のあるこのドラマを非常に盛り上げていた。さすがにMETである。
上映が終わるとすぐに西宮に移動することにする。昼食を摂らないといけないのだが、どうせルクアの飲食店は行列だろうし、阪急の地下も行列だろう。もう既に13時半を過ぎていて、次のコンサートが15時からだから行列になんかに並んでいる余裕がない。
結局この日の昼食は西宮のKFCで。不健康でジャンクな昼食であるが、時間がないので仕方ない。こういう時のためのファーストフードとも言える。
ジャンク昼食を腹に放り込むとホールへと急ぐ。ホールは大入り。京都市響は兵庫でも結構人気があるようである。
京都市交響楽団兵庫公演
指揮:広上淳一
管弦楽:京都市交響楽団
シューベルト:交響曲第7番<未完成>
マーラー:交響曲第1番<巨人>
広上の指揮はとにかくテンポをゆったり目に設定して、アンサンブル重視でしっとりと聴かせるもの。最初の未完成は京都市響のアンサンブル力の高さもあり、明快かつ非常に美しい演奏となった。
後半の巨人になっても、ゆったり目のテンポによる明快で美しいアンサンブルという広上のアプローチは基本的に変わらない。しかし単にゆっくり演奏するのでなく、突然にテンポを変更したり、いきなり全休止したりなどの仕掛けは随所にある。しかしそういう仕掛けに全く戸惑わずに完璧に対応する京都市響と広上のツーカーの関係に感心させられることになる。
それにしても改めて京都市響のアンサンブル力を実感した。このオケはいささかカラーが弱いところがあるが、やはり純粋に技倆の点では関西のオケでは1位なのは間違いないだろう。大阪フィルなどでは今日のような演奏は出来ない。
これでこの週末の予定は終了、阪急とJRを乗り継いで帰宅・・・と思っていたら、JRで線路内にどこかの馬鹿が立ち入るという事故があったらしく、JRのダイヤが滅茶苦茶。最後の最後に思わぬトラップがあったのである。疲れた。