徒然草枕

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遺伝子研究の進展が人類自滅の原因になりかねないという懸念

 HIVにかかりにくい遺伝子変異があるそうだが、それを持っている人は長生きの確率が低くなるという研究結果が発表されたとか。

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 この遺伝子変異を持つと確かにHIVにはかかりにくいらしいが、その代わりにインフルエンザなどにはかかなりやすくなるとのことで、さらに他の感染症への耐性が低下するとのことである。人生においてHIVに感染する可能性とインフルエンザに感染する可能性を考えるとどちらが高いかは自明のことであるから、結果としては寿命が短くなるということだろう。

 最近は遺伝子についての研究が進んできて、家畜や作物などの遺伝子を人間にとって都合の良いように変更したり、果ては人間自身の遺伝子までも操作して優れた人類を産み出そうといった試みまで検討されている。実際に今回の変異については、中国でゲノム編集によってこの変異を加えた赤ちゃんまで誕生しているというから驚きだ。この調子でいけば例えば独裁国などであれば、兵士として頑健でなおかつ権力に対して従順な人間を選択的に産み出すなんてことまで考える可能性は大である。それどころかそれこそ超人ハルクのような最早人類ではない生体兵器を産み出すなんて野心に駆られないとも限らない。

 しかし近視眼的に目の前だけの利益を優先して無闇なことを行うと、いずれ自然から手痛いしっぺ返しを食らうような気がして仕方ない。今回のゲノムの変異にしても、HIVに強い人間を作成しようとして、結果としては短命な人間を産み出したということになりかねない。また遺伝子を改変した作物や動物が自然界に対してどういう影響を与えるかということについても未知数な部分が多い。人類にとっては知恵というのは最大の長所であり武器でもあるが、それをあまり過信しすぎては逆に滅びの原因ともなりかねない。