徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

阪急電車の金銭感覚

 阪急電車の中吊り広告が大炎上したとか。

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 確かに私が見ても「月収の基準がずれている」と感じる。明らかにイカリスーパーの袋をぶら下げている「阪急沿線の金銭感覚」そのもののようである。今時の若者などからすれば「毎月10万ちょっともらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、プライドを捨ててナマポにぶら下がるか」なんてところの方が実態ではなかろうか。

 そもそもこの言葉については「研究機関 研究者 80代」と書いてあり、明らかに今の若者などと年代が違う人の言葉である。正直なところ「確かにあなたが現役の頃はそうだったんでしょうね・・・」というような気がする。

 ただ私の場合はもう少し違ったところが気になる。ここに書かれている言葉はまさに「研究者は待遇よりも仕事内容を選ぶ」という研究者や技術者の特性であり、日本のメーカーなどはこれを逆手にとって「お前達は自ら好きな仕事をしているんだから、待遇はどうでも良いだろう」と賃金を抑え、無能な経営者のみが高給を貪ってきたのである。これこそ生きがい搾取そのものなのであるが、無能な経営者による目の前の短期的な利益だけを重視しての技術開発部門の軽視などが、日本の技術の海外流出などを進め、今日日本のメーカーが総崩れになった諸悪の根源でもあるのだ。

 残念ながら日本の技術者は一流であったが、経営者については「奇跡的なほどに」無能が大半であった。その体たらくぶりは今の経団連を見ていたら明らかである。まともに海外企業と渡り合う戦略を立てることも出来ず、その結果「従業員をただで働かせられるようにしてくれ」と政治家に金を渡してサービス残業促進法案を成立させるように働きかけるというような馬鹿なことしか出来ないのである。自らの従業員を貧困化させることは、回り回って自らの会社の顧客を減らすことにつながるのだが、その程度の長期的視点さえも持ち合わせていないわけである。

 この国では昔から「お偉いさんほど世間の常識からズレている」という状態は全く変わっておらず、政治家も経営者も二世三世などの世襲が増えることでそのズレはドンドンと拡大している。結局は今の社会構造を根本から変革するしかないのであるが、既に国民の大半はその気力さえをも失ってしまったか。