徒然草枕

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吹田の警官襲撃事件は無罪になるのか?

 吹田市で警察官を刺して拳銃を奪って逃走した犯人がようやく逮捕されたとのことである。警察としてもメンツをかけた大捜索を行ったようであり、それが報われたということか。近隣住民などはようやく安堵したことだろう。

 しかし今回逮捕された容疑者については、早くも無罪放免になってしまうのではないかとの観測がネットで出ている。というのは、今回の容疑者の父親がテレビ局の重役であることと、容疑者が障害者手帳を所持していることなどからだという。つまりは上級国民+精神障害のWコンボで無罪ではないかとの観測である。

 そもそも上級国民云々なんかで罪の軽重が決まることなど法治国家ではあってはならないのだが、先に元高級官僚が暴走事故で親子を殺してしまった事故に関しての容疑者に対するあまりにも丁重な扱い(同じ時期に暴走事故を起こしたバス運転手はすぐに逮捕されたのに、この事故の容疑者は逮捕されていない)を見ていると、そういう疑問が出てる来るのも当然である。さらに今の政権自体、加計学園などのあからさまな不正を圧力と忖度で握りつぶしている。こんな状況を見ていたら、上級国民には刑事罰は及ばないという考えが巷に溢れているのも致し方ない。ただ民間テレビ局の重役が権力側に忖度を働かせられるほどの上級国民であるかは判断が難しいところだろう。彼が個人的に政治家等にパイプを持っていたら話は別だが。

 また精神障害については、今回の犯行は極めて計画的であり、明らかに心神耗弱状態での犯行とは言い難いと私は判断する。しかし裁判などになれば弁護士は間違いなく心神耗弱での無罪を主張してくるだろう。現在のところ容疑者は辻褄の合わない供述をしている模様で、これなどは明らかに最初から精神障害による無罪を狙っているようにしか思えない。最近でもオウム真理教の松本智頭夫が刑の執行直前までこれを狙って悪あがきしていたのもよく知られている。

 足に外科的損傷が全くない者が歩けないと主張したら医師は詐病を疑う余地があるが、幻聴が聞こえるとか幻覚が見えると主張されたら、精神科医はそれを否定することは現在の医学では非常に困難である。そういう主張を繰り返していたら、そのうちに統合失調症などの診断が下ることになる。最近は意図的に診断書をとろうとする輩までいて、診断書を免罪符のように振りかざして「自分は何をしても罪にならない」と迷惑行為を繰り返すような輩までいるという。こういう輩が出てくると、精神疾患の患者に対する偏見を助長し、彼らが治療を受けて社会に復帰することを妨げることにつながるので由々しき問題である。

 またそもそも殺人や傷害のような重罪が、精神疾患を理由にして免罪されたり減刑されたりするということが正しいのかという議論もあろう。また現実問題として、そういう人間が無罪放免されて社会に出てきた時の危険性(症状によっては再犯の可能性は極めて高いと言える)は誰も責任をとっていないのが現状である。本来なら厳重に医療監視の下に置かれ、確実に再犯の可能性はないと判断されるまで隔離されるべきなのだろうが、現実には医師にも再犯の可能性が0との判断は現在の医学では不可能である。しかし殺されたり怪我をさせられる方は、相手が精神疾患があろうがなかろうが関係のないことである。残念ながら現状は犯人の人権は尊重されるが、被害者の人権はないがしろにされているといわざるを得ないだろう。

 少なくとも刑事責任能力の判断は慎重であるべきなのであるが、本件の場合は果たしてどうなるだろうか。