徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

ベルギー王立リエージュフィル&「トルコ至宝展」at 京都国立近代美術館

 今日は京都でのベルギー王立リエージュフィルのコンサートを聴きに行くことにした。朝に家を出ると新快速で京都に向かうが、途中の大阪はG20の影響だろう、土曜日にしては異常なほどに閑散としている。安倍は選挙前のアピールで必死。とりあえずニュースをこれ一色にして、年金問題などの都合の悪いことはなかったことにしたいのだろう。しかしこの行事のせいで関西の経済にも地味にダメージが来ている。現実逃避政権の下では常に庶民が馬鹿を見る。 

 京都に到着するが、京都も今日はやや人が少なめのようだ。とりあえず次の山科まで移動してから地下鉄に乗り換えて東山へ。コンサートの前に美術館に立ち寄る予定だが、もたもたしている内に昼頃になってしまったので昼食を先にすることにする。とりあえず「升富」に入店して「鴨せいろの大盛り」を注文する。

f:id:ksagi:20190629205848j:plain

枡富

 大盛りでこの量というのがお上品な京都ならでは。残念ながら私は今日は朝食抜きなのでもっと下品に食いたかった。味はさすがに美味いが。

f:id:ksagi:20190629205902j:plain

雰囲気は良く、蕎麦も美味いが盛は少ない

 とりあえず昼食を終えると京都国立近代美術館へ。入口で手荷物チェックをされるから、お宝展示で強盗警戒かと思っていたらG20絡みらしい。しかし大阪でG20があるからって、京都でテロする奴がいるのか?

 

「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」京都国立近代美術館で7/28まで

f:id:ksagi:20190629205944j:plain

 いわゆるオスマン帝国のスルタンの秘宝という奴だが、その細工の細かさなんかには呆れるような品が多い。ただ権力を誇示する目的があるのか、必要以上にゴテゴテと盛る傾向があり、宝石なんかはこれでもかとばかりに散りばめる。確かに圧倒はされるのだが、いわゆる洗練度として見た場合には田舎の成金っぽいところがある。わびさびの情緒の日本人とは根本的に感覚が違うようである。

 エルトゥール号遭難時の日本人の救出活動の件などもあり、トルコは意外に日本と友好関係の長い国である。それを示すために上階の展示室に日本から送られた品などの展示があったが、やはり向こうの趣味に合わせて派手目の工芸品が多数送られたようである。そんな中で、本職の大工並みの技術を持っていたスルタン(なんでそんな技術を習得したんだろう?)に明治天皇が菊の紋入りの工具セットを送っていたのが、それだけが妙に実用的で地味だったことで異彩を放っていた。


 美術館の見学を終えたところでそろそろ開場時刻が近づいてきた。地下鉄で北山まで移動することにするが、その途中で昼食を摂った「枡富」の隣にある「祇園饅頭」で土産物の和菓子を購入。ここは変わった店で、店を構えているのではなく工場の入口で販売しているという形式。。

f:id:ksagi:20190629210011j:plain

工場の軒先での商売

f:id:ksagi:20190629210031j:plain

水無月とわらび餅と葛饅頭

 京都コンサートホールに到着するが、ホール内の入りは今ひとつ。ザッと見て6割の入りと言うところか。オケの知名度に対して価格設定が微妙に高かったように思われる。今日の指揮者はアルミン君ことアルミンクだが、彼も日本で抜群の知名度というほどでもないし。

ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団

f:id:ksagi:20190629210157j:plain

京都コンサートホール

[指揮] クリスティアン・アルミンク
[ギター] 鈴木大介

ルクー:弦楽のためのアダージョ
タン・ドゥン:ギター協奏曲「Yi2」
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

 ルクーの弦楽曲は感傷的な旋律の弦楽合奏がなかなかに美しい曲。しかし今ひとつ変化に乏しい曲でそのまま最後まで終わってしまったという印象。リエージュフィルの弦楽合奏はなかなか厚みがあって響きが良い。

 二曲目は現代曲。ギターを琵琶か何かのように鳴らしたり、アルミンクが手拍子足拍子したりといった奇妙な部分のある曲。タン・ドゥンは現代曲にしてはなぜか比較的私と感覚が合ったようで、私はそれなりに聞けたが、さすがに回りの観客は大半が落ちてしまっていた。特になぜか今回は子供が結構来ていた(なぜ?)ので彼らが退屈してバタバタと少々五月蠅い局面も。この手の曲は演奏の善し悪しが分かりにくいのだが、音色が鈍っていなかったところから考えると、それなりの好演ではあったように思われた。

 休憩後にブラームスだが、このオケは音色は綺麗に聞かせるのだが、アンサンブルをカチッと固めるタイプではないようなので、斉奏になるとピシッとした緊張感が出ずにやや喧しくなる傾向がある。またアルミンクの指揮も引き締めるタイプではなくて謳わせるタイプであるので、中間の第二、第三楽章はネチっこいぐらいにじっくり謳わせ、両端楽章でも随所に美しい旋律は聴かれたのだが、どうしても緊張感不足でピシッと決まらない部分が多々あってそれが私には不満。


 悪い演奏というわけではないが、私が求めているものとは少し違うような感が最後まで拭えなかった。ブラームスの交響曲第1番は実は私の好きな曲なんだが、どうも最近は名演に当たっていない気がする。

 コンサートが終わったので帰途につく。途中で大阪駅を通ったが、やはり土曜日とは思えないほどに閑散としており、車窓から見える町の風景はまるっきりゴーストタウンだった。そのゴーストタウンの傍らにランプを回した警備車両ばかりが並んでおり、まるっきり以前見た伝染病パニック映画の完全封鎖された町の風景だった。