徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

MMCJコンサート&「原三渓の美術」at 横浜美術館&「院展」at そごう美術館&川崎大師

 翌朝は7時半に起床。今日は上野で開催中の恐竜博に立ち寄るつもりなので、8時過ぎにはホテルをチェックアウトすると、南千住の松屋で朝食。今回の宿泊プランは松屋の朝食付き。これが良いか悪いかは微妙なところ。私としては中途半端なものが付くよりは、何もない方が自由がきくと思うが。

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松屋の朝食

恐竜博・・・は断念

 生憎の小雨が降り注ぐ中、上野に到着したのは9時過ぎ。しかし駅を出た途端に不穏な空気を感じる。やけに多数の子供連れがゾロゾロと歩いている。しかも上野動物園方向に進まずに右に折れる。嫌な予感が頭を過ぎった次の瞬間に目に飛び込んできたのは長蛇の列。博物館入り口から公園の中まで行列が続いており、ここからでは最後尾が見えない状態。これでは入館に何時間待たされるか分かったものじゃない上に、入館できても人の頭ばかり見る羽目になるだろう。恐るべし恐竜人気。しかもこの日の上野は科学博物館だけでなく、西洋美術館にまで行列が出来ている。一体何があったんだ?

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ここから始まった行列が

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この先までまだ伸びている

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国立西洋美術館もこの状態

 

川崎へ移動

 なんか馬鹿らしくなったので諦めて先に進むことにする・・・といっても後は横浜方面に移動するだけ。とりあえず身軽になりたいので、今日の宿泊予定ホテルのある川崎に先に立ち寄って荷物を預けることにする。

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旧東海道

 川崎は旧東海道の川崎宿を元にした町である。私が宿泊予定のホテルサンロイヤルも旧東海道沿いにある。とりあえずホテルにチェックイン手続きを行って荷物を預けると、プラプラと川崎駅に向かう。途中で交流館なる展示施設があったので時間つぶしがてら立ち寄っていく。紹介されていたのは川崎の歴史で、東海道の川崎宿として設立されてから、明治を経て現在の産業都市へと変遷する過程を紹介。

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ホテルサンロイヤル

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交流館

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旧川崎宿の模型

 11時頃になったので横浜に移動することにする。横浜に移動すると最初はそごうに立ち寄る。そごう美術館で「院展」を開催中なのでそれを見学。前回に作ったそごうのカードのおかげで入場料が割引になる。

「春の院展」そごう美術館で7/21まで

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 現代日本画作品の展示であるが、岩絵の具の特長を生かした淡い色彩の作品が多数。これが院展の性質なのかどうかは定かではないが、似たタッチの絵画が非常に多く、突き抜けた印象の作品はない。正直なところ私の鑑識眼では入選作とそうでない作品との間に線を引くことが出来ない。

 いずれの作品も技術的にはかなり高く、日本でもこのレベルの作品を描ける者がこんなにいるんだなと感心した。こんな中で名をなして身を立てていくとは尋常では難しいだろうなというような下世話なことに、ついつい思いを馳せてしまった次第。 

横浜へ

 そごう美術館の見学を終えるとみなとみらい線でみなとみらいまで移動。今日のコンサートはみなとみらいホールで14時からだが、その前に向かいにある美術館へ立ち寄る予定。ただしもう昼過ぎなのでどこかで昼食を摂る必要がある。しかし昼時と言うこともあってどこの店も一杯。面倒になったので美術館の喫茶でシーフードピラフを注文して、これが今日の昼食。私は東京遠征ではどうも食事がおざなりになる傾向があるが、今回もかなりひどいな。まあ東京はまともな飲食店が少ないと言うこともあるが、さらに行列がひどすぎるのでいちいち考えるのが面倒になってくる。

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シーフードピラフ

 とりあえずの昼食を終えると美術館に入館する。

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横浜美術館

 

「原三渓の美術」横浜美術館で9/1まで

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 原三渓は生糸貿易などで財を成し、美術コレクターや多くの芸術家のパトロンとして名を馳せた人物である。

 蒐集としては仏教系古美術と茶器類が中心のようで、残念ながら私には古美術の類いの善し悪しはほとんど分からない。だが茶器類は私の目から見ても面白いと感じる茶碗類があり。また彼がパトロンとして支援した画家は岡倉天心の弟子達が中心のようで、展示作には横山大観や下村観山など蒼々たる面々の作品が含まれており、この辺りが面白いところ。

 それにしても先日の松方コレクションもそうであったが、結局は芸術とはこのような財を成した数寄者が支えるものなんだなと痛感する。芸術とは生活必需ではないので、基本的に道楽の域になる。私なんかももし財産を持っていたら、美術館とホールを1つずつぐらいは建ててただろう。で、こんな奴は家業をつぶしてしまうと(笑)。つくづく金とは縁のない人間である。

 

 展覧会の見学を終えるとみなみみらいホールへ向かう。みなとみらいホールでMMCJのコンサートがあるのでそれを聴くつもり。MMCJとは大友直人とアラン・ギルバートが発起人になって設立した音楽セミナーで、各国から若手の奏者を集めて室内楽を中心にみっちりと教育しようという趣旨らしい。今日はその参加メンバーの謂わば卒業お披露目公演。参加メンバーに講師陣が加わってコンサートになるらしい。

 ちなみに今回これを聴きに来たのは、今日開催されるコンサートが他になかったから(笑)。私は別にこのプロジェクトのことはよく知らないし、特別に興味を持っていたわけでもない。どうしたわけか今日はたまたまプロオケのスケジュールの隙間に嵌まってしまったようで、調べても他にコンサートが出てこなかった次第。

 ホールは一階だけに客を入れているが、入場者は7割と言ったところか。

MMCJ オーケストラ・コンサート

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[指揮者]大友直人、マイケル・ギルバート

ハイドン:交響曲第44番 ホ短調「悲しみ」Hob.I:44
シェーンベルク:室内交響曲第1番 ホ長調 Op.9
萩森英明:Novelette for Violette -On aTheme by Scarlatti(2017)
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43

 最初は卒業生が中心となってハイドン。なかなかに引き締まった音を出しており、参加メンバーのレベルの高さを感じる。そこは参加者は若手とはいえやはりプロということだろう。

 二曲目のシェーンベルクは正直なところ私にはよく分からない曲。ただ難しい曲にかかわらず、演奏自体は非常にシャープでまとまりの良い演奏であった。

 後半は萩森の短い美しい曲の後にシベリウスの交響曲2番。ところどころ「?」と思う部分がないではなかったが、それは普通のプロオケでもよくあるレベル。また曲が佳境になってテンポが上がってくるとヴァイオリンのボウイングが乱れるなどという局面も。ただしアンサンブルが破綻したりと言うことはなく、最後までまとまりのあるなかなかの熱演であった。

 これに参加した若手プロ達は、いずれ世界各地で活躍することとなるのだろう。この世界の将来のためにも、彼らの今後の活躍に期待したい。

 

川崎大師へ立ち寄る

 コンサートを終えると川崎に戻ることにする。ただ現在16時半、このままホテルにまっすぐ戻るのもつまらない。そこで川崎大師に立ち寄ることにする。この情報は午前中に交流館で仕入れたもの。横浜から快特で川崎まで戻ると、ここから大師線に乗り換える。大師線は本数も多いし乗客も多い。大師前駅は3駅目。

 参道商店街を通って進むと川崎大師の建物が見えてくる。私は西側から入ったんだが、どうやらこちらは裏口の模様。それにしても非常に大きな寺院である。

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参道商店街

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この門から入った

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五重塔

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拝殿

 寺院に参拝してからおみくじを引く。結果は大吉。ホンマかいな? 大体私はいつも悪いクジは当たるが良いクジは当たった試しがないのだが・・・。

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ホンマかいな?

参道筋の老舗そば屋で夕食

 帰りは表参道を通って帰るが、5時を回っているせいかシャッター街化している。そんな中で「松月庵」というそば屋を見つける。店構えを見た途端にビビッと感じるものがある。そもそもこの手の寺院の周辺には老舗の名店があることが多い。直感を信じて入店することにする。注文したのは鴨せいろの大盛り

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川崎大師の山門

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ほとんど閉まっている参道商店街

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松月庵は開いていた

 そばを待っている間に見渡してみると創業明治17年との記述がある。やはり老舗のようだ。またそば、そばつゆは自家製との記述もあり。これは期待できそうな気がする。

 出てきたそばを見て驚いたのはそのボリューム。これぞまさに大盛り。大盛りを注文しても大盛りとも思えないような量が出てくることがよくあるが、この量だと納得できる。早速そばを一口頂くが、美味い。そばに腰がある上につゆもなかなかに良い味をしている。これは正解だった。私の美味いものセンサーはまださび付いてはいなかったようだ。それともこれも弘法大師の御利益か? 先程のおみくじには「美味いそば屋に出会う」とは書いていなかったような気がするが(笑)。

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鴨せいろ大盛り

 そばを堪能したついでに、デザートも頂くことにする。どうもこの辺りはくず餅が名物のようなのでそれを注文。出てきたくず餅はもっちりとしていて美味。奈良のくず餅とは全くの別物であるが、これはこれで結構美味い。

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葛餅

 そばとデザートを堪能したところでホテルに戻ることにする。30年近く前に会社の研修で川崎に来た時のこの町の印象は最悪だったが、これで大分印象が変わった。どうも私は美味い飲食店に出くわすとその町の印象も良くなるようだ(笑)。

 ホテルに入った時にはグッタリしている。昨日の1万8千歩についで、今日も1万6千歩も歩いている。かなり疲労が溜まっている上に足には痛みもある。とりあえずシャワーで汗を流すことにする。このホテルは大浴場がないのだけがツラいところ。どうしてもシャワーだと風呂ほどにはくつろげない。

 風呂から上がるとベッドに横になりながらテレビを見る。NHKスペシャルが始まったのでそれを見終わったら22時。疲労もかなりあるので眠ることにする。