徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

堺にパーヴォ/ロイヤルコンセルトヘボウのコンサートを聴きに行く

 ウィーンフィル、ベルリンフィルと怒濤のごとくに続いた散財ウィークだが、この週末はロイヤルコンセルトヘボウのために堺に繰り出すこととした。世界三大オケなどと言われているオケをこの一か月以内に網羅することになるが、これは多大なる財政的犠牲の下に成り立っていることになる。おかげで今の私は素寒貧である。

 土曜日の昼前に家を出ると大阪を目指す。新快速の車内では持ち出し番組をチェック。と言っても最近は疲れていてザ・プロファイラーなどのハードな番組(笑)をチェックする気力はないから、深夜アニメを見ることに。ただやはり最近のアニメってかなりパターン化しているのは感じる。異世界転生ものの類などは、主人公変われど話は変わらずという印象が強い。

 ようやく大阪に到着するととりあえず一旦駅の外に出て、昼食代わりに551の肉まんを購入することにする。やはり大阪と言えば551(神戸なら一貫楼なんだが)。それにしても暑い。日没後に冷える危険性を考えてダウンを持ってきているのだが、荷物になっただけだったか? 昨日なんかはこれがないととても表を歩ける状況ではなかったが・・・。こう毎日気候がコロコロ変わると既に若くはない体には応える。そう言えばもう世界は「気候変動」というレベルを超えて「気候危機」に陥っているという話があったが、確かにそう感じる。何しろ最近は「100年に1度」なんてのが毎年で、異常気象が常態化しているのだから。にもかかわらず相変わらずトランプは、地球温暖化を認めると自分が儲からないと現実逃避の一手。地球が滅ぶ前に、さっとあんな馬鹿は権力の椅子から引きずりおろしてくれ。こればかりはアメリカ人の良識に期待するしかないのだが、正直なところそれが甚だあてにならない。

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551の肉まん

 

新今宮のホテル中央セレーネで宿泊

 肉まんを買い求めると今日の宿泊ホテルである新今宮のホテル中央セレーネに移動。このホテルはオアシスと同じ中央グループのホテルで、この界隈では高級グループに属する。私の到着時はチェックイン時刻の15時まで少々時間があったのでロビー掃除終了を待つことに。その間に先ほどの肉まんを出してきて昼食。そしてポメラでこの原稿を入力している間に、掃除が先に住んだ部屋に通すと言われたので部屋に入る。

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ホテル中央セレーネ

 やはり部屋はこの界隈でも高級クラスだけに広い。また私の部屋は角部屋だったので2面に窓があって明るいのも良い。オアシスと違ってユニットバスなのだけが私の好みと違うが、その分はオアシスよりも宿泊料が安くなっている。私がこの界隈に出入りし始めた十数年前には、ここのホテルはホテル中央新館でもっと汚くてもっと安いホテルだった。リニューアルで全く別のホテルになったようだ。隣では本館のほうもリニューアル工事中のようなので、また高級ホテルに生まれ変わるのだろう。

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高級ホテル(あくまでこの界隈ではだが)だけに室内は広い

 今日のコンセルトヘボウのコンサートはフェニーチェ堺で17時から。新今宮からは南海で1本なのでアクセスはよい。あまり早く行っても仕方ないので、しばし部屋でくつろぐ。汗だくなのでシャワーを浴びたいところだが、さすがにそこまで時間はない。

 4時前になるとホテルから外出する。新今宮から南海の急行に乗車すると10分ほどで堺東に到着。ここから10分強の徒歩でホールに到着する。一般的にはあまりアクセスの良いホールでないイメージだが、こと新今宮からのアクセスと考えるとかなり至便。

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フェニーチェ堺

 ロイヤルコンセルトヘボウはウィーンフィルやベルリンフィルに比べるとチケットは安め。また堺公演は補助でも出てるのかさらに安めの模様。と言ってもそれなりの価格がするために、私が確保したのは4階のC席。フェスティバルホールの3階席よりもさらに高いとんでもない天井桟敷である。なおここのホール、チケット予約の時に座席を選べないという致命的な問題点がある。そのせいで最優先予約で申し込んだワルシャワ国立フィルは前方の端というとんでもないクソ席を割り当てられた(まるでチケットぴあである)。この点に関しては早急に改善するべきである。

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4階席はかなりの天井桟敷

 

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

〈指揮〉パーヴォ・ヤルヴィ

ベートーヴェン: 交響曲第4番 変ロ長調 op.60
ショスタコーヴィチ: 交響曲第10番 ホ短調 op.93

 ベートーヴェンはパーヴォらしく、やや早めのテンポでいささか素っ気ないほどに明瞭簡潔な演奏である。細かい仕掛けが全くないわけではないが、全体としては極めてオーソドックスな演奏。ロイヤルコンセルトヘボウの演奏はさすがの安定感なのであるが、サクサクした演奏のためにそれがあまり前面に出ない印象。完璧なアンサンブルであるが、普通に上手(もっともその「普通」のレベルが図抜けてはいるが)なベートーヴェンという感覚を受ける。

 これが後半のショスタコは一転してコッテリとした演奏となる。こうなるとしっとりとした弦楽器が非常に魅力的な音色を奏でるうえに、さらに驚かされるのは木管楽器の上手さ。抜群の安定感であり、奏者の技量の高さを感じさせる。パーヴォのテンポ設定はこの曲においてはややゆっくり目であるのであるが、それでも緊張感が途切れることがない。弱音と強音のダイナミックレンジの広さ、さらに全楽器が斉奏しても決して喧しくならないなど、演奏技術面は完璧である。パーヴォが少々仕掛けを施しても、そんなことでは全く動じない。これはさすがと唸らされる演奏であった。

 場内の大盛り上がりに、アンコールは2曲。くるみ割り人形からトレパークとシベリウスの悲しきワルツ。特に悲しきワルツが絶品。パーヴォにしては珍しいぐらいの濃厚な情感のこもったネットリした演奏。こういう美しい音色を聴くと、ロイヤルコンセルトヘボウの本領はこのタイプの演奏だという気がするのだが、どうもパーヴォの指揮はややクレバーで淡泊すぎるような気がしないでもない。今回パーヴォはこのオケのポジションを得たと聞いたが、果たしてパーヴォの指揮とロイヤルコンセルトヘボウのサウンドの相性はどうなんだろうと若干の疑問はないでもない。

 演奏終了後は大盛り上がり、団員引き上げ後も拍手は鳴りやまず、パーヴォの一般参賀あり。帰りも満足した表情の観客が多かった。

 なお天井桟敷の4階席であったが、思いのほかステージからの音が飛んでくるという印象で遠いという気はしなかった。もっともこのホールの音響特性はややデッドに感じられた。

 

夕食は新世界でまたもや串カツ

 コンサートを終えると新世界で夕食を摂ることにする。しかしここで私がとんでもないミスをしていた。というのは現在時刻を完全に間違えていた。通常は土曜日のコンサートは15時ごろから始まるものが多いので、その感覚で今は18時ごろだと考えていたのである。しかし今日のコンサートは17時開演だったので、もう20時を回っている。そのために頭の中にあった店はことごとく店仕舞い。完全に当てが外れてしまった。何も思いつかないのでやむなく「串カツだるま動物園前店」に行くことにする。どうも最近は串カツづいている。特選串の3本セットに数本を追加、さらにはご飯ものも欲しいと考えたのでおにぎりを注文する。

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串カツだるま動物園前店

 特選串はA5牛肉とイベリコ豚、華味鳥のセット。さすがに美味い。ただし3本セットで888円と値は張る。それと思いのほか美味かったのがオニギリ。次回からはこれもありだな。ただ今回の支払いは3000円弱とやや高めになってしまった。

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オニギリ

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串カツ盛り合わせ

 夕食を終えるとホテルに戻ってシャワーを浴びてからマッタリと過ごすのである。明日もまたコンサートである。