昨日の大フィルに続いて今日は関西フィルの定期演奏会に出向くことにした。昨日に続いての地産地消である(笑)。週末の仕事をさっさと終えると大阪に移動する。
夕食をどうするかだが、「福島やまがそば」に立ち寄って「鴨なんばそば」と「おにぎり」を注文する。どうしても体調が今ひとつになるとそばなどの比率が増えてしまう。昔のようにガッツリ肉という気には最近はなかなかなりにくい。
ここのそばは私好みである。最近は白い更科そばの店が多いが、個人的には黒いそばの方が好み。そばの実を丸ごと挽いた挽きぐるみなんかでも私は食べるぐらい。元々の人間が下品に出来ているので、やはり上品な更科そばというタイプではないのだろう。
夕食を終えてホールに到着したのはちょうど開場直前。入口前に多くが行列して待っている。いつも感じる「非常に日本人らしい光景」である。すぐに開場になるのでゾロゾロと入場。
それにしてもホールは中も外も完全にクリスマスモード。しかし私はクリスマスとは全く無縁の男。とにかく物心ついた頃に「サンタクロースはオモチャを売りたいメーカーがでっち上げた嘘」と親から教え込まれていた。また「キリスト教の祭りは浄土真宗の我が家には関係ない」とも言われた。しかし我が家は敬虔な浄土真宗門徒というわけでは全くなく(家庭内で親鸞聖人の名前を聞いたことなどない)、単に貧乏なためにクリスマスをスルーしていたということを理解したのは、かなり後になってからである。
開演まではしばし喫茶で珈琲を飲みながら、この原稿でも入力して時間をつぶす(笑)。こういう時の私は、どうも横から見ると「お仕事」に見えてしまうらしい。しかし仕事とはこんなに真剣にするものではない(笑)。
関西フィルハーモニー管弦楽団 第306回定期演奏会
[指揮&ヴァイオリン]オーギュスタン・デュメイ
[ピアノ]上田 晴子R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18【R.シュトラウス没後70年記念】
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容)~23の独奏弦楽器のための~ 【R.シュトラウス没後70年記念】
メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 op.56 「スコットランド」
今回はデュメイのヴァイオリンリサイタル+関西チェンバーフィル+関西フィルといったイメージ。
一曲目はデュメイのヴァイオリンソナタだが、伴奏ピアノの上田の演奏がやや力強すぎる感があり、デュメイのヴァイオリンよりも前に出てきてしまう。ヴァイオリンの音色がピアノの音色でかき消される場面も多々あり、いつもよりもデュメイの演奏がか細く聞こえてしまった。
二曲目は弦楽だけの関西チェンバーフィルだが、デュメイの鍛えた関西フィルの弦楽陣がその威力を発揮するプログラム。なかなかに美しいサウンドで聞かせる。この曲ってこんなに密度が高くて美しい曲だったんだと改めて気づいた。
最後がメンデルスゾーンのスコットランドだが、いきなり冒頭からデュメイ節が炸裂する。かなりのアップテンポでグイグイと引っ張る。また弦楽陣がさざめくようなかなり独特の表現。特に第一楽章、第二楽章に関してはこれだけの爆速テンポでの演奏は今まで聞いたことがない。第三楽章以降はもう少し落ち着いたテンポになったが、非常に独特でクセのある表現は相変わらず。随所にデュメイ独特の表情付けがある。
スコットランドといえばロンドンレーベルのマークの名演があったが、あれはスコットランドの演奏の中でもかなりロマン派寄りの解釈を施した名演である。これに対して今回のデュメイの演奏はその対極に聞こえた。デュメイの演奏は以前から決して溺れないクールなところがあるが、今回もそれは端的に出ていた。そしてその響きはかなり古典的な曲にも聞こえる。また12編成といういつもより小さめのオケの構成もあって、室内楽的な響きがする時もある。とにかくデュメイが指揮すると、曲の構造とか構成がなぜかまざまざと浮かび上がってくるのである。
何にせよかなり独特な演奏であった。それにしてもあんなクセのある演奏に問題なくついて行ける関西フィルもかなりデュメイの楽器として研ぎ澄まされてきた印象を受ける。
コンサートを終えると新今宮に向かう。明日はMETのライブビューイングを見に行くつもりなので今日は大阪泊である。宿泊するのはいつもの定宿ホテルサンプラザ2ANNEX。なんかここもクリスマスデコレートされている。
部屋に入るとまずはPCを起動して作業・・・と思ったのだが、PCがいきなりWindoews10のアップデートとかで全く触れない状態に。しかもそのまま延々と2時間以上その状態。さすがマイクロソフトのOSは、相変わらず仕事効率を最低限にまで落としてくれる。この辺りだけは昔から揺るぎない。
仕方ないので現在この原稿はpomeraで入力している。結局はいつも一番頼りになるのはこのマシンということになってしまう。諦めてシャワーを浴びに行くが、帰ってきてもまだやっている。全く使えないOSだ。
結局は3時間近くかかってようやくアップデートが終了。マシンをチェックするとストレージの残量が大幅に減少して、残りがわずかになってしまっていた。これはストレージの増強を考える必要がありそうだ。こうやってOSのアップデートのたびにマシン性能を圧迫し、ユーザーにハードの更新をうながそうとするのもマイクロソフトのいつもことである。
とりあえずようやくマシンが使えるようになったところで原稿をアップして、今日は眠ることにする。