徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

堺にゲルギエフ/マリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートを聴きに行く

 この日曜はフェニーチェ堺で開催されるマリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートを聴きに行くことにした。

 しかし実は私の現在の体調は極めて悪い。と言うのは先週の月曜日に抜歯して、それが完全に回復はしていない状態だから。今週は公私共に出張で歯科に通えないので、先週の内にと抜歯したのだが、思いの外回復に時間がかかっている。どうやら年齢や持病のせいで回復が悪いようだ。今のところ幸いにして常に痛みがある状態ではないが、硬い路面を歩くなど何かの刺激で痛みが走る場合がある。しかも抜歯直後などは全身の疲労でまともに動くのがキツいぐらいのダメージがあった。おかげで先週は公私共にPCに向かい合う集中力がまるでなく、作業効率が大幅にダウンしていたという状況。

 今朝歯科に行ったところ、とりあえず傷跡に薄く歯肉が復活し始めているとのことで抜糸となったのだが、未だに思い出したように痛みが来ることがあるのでとにかく油断は出来ない。一応お守り代わりのロキソニンはもらっているが。

 

 とりあえず午前中に通院を済ませてから大阪へと移動する。堺へは新今宮で乗り換えの必要があるのでアクセスはあまり良くはない。堺東駅に到着したのは開演の1時間ちょっと前なので、昼食を摂るための店を探すが今ひとつピンとこない。面倒くさくなったので回転寿司の「元禄寿司」で寿司を少々つまむ。1皿125円均一とのことなので明朗会計だが、寿司自体はそれなり。

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回転すしの元禄寿司

 一応の昼食を終えるとフェニーチェに移動。今回私が購入したのはC席なので4階。またフェニーチェの天井桟敷である。なおもう開場時刻は過ぎていたのだが、リハーサルが長引いているとのことでロビーで足止めを食らう。結局入場できるようになったのは開演の10分前ぐらい。

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フェニーチェ堺4階の天井桟敷

 

マリインスキー歌劇場管弦楽団

〈指揮〉ワレリー・ゲルギエフ
〈ヴァイオリン〉五嶋龍

シチェドリン:管弦楽のための協奏曲 第1番「お茶目なチャストゥーシュカ」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47

 1曲目のシチェドリンは初めて聴く曲だが、ジャズのような軽妙さのある曲。マリインスキーは金管を中心に非常に華やかさのある音色で、ゲルギフエもそれを思いっきり鳴らさせている様子。コンサートの開幕にふさわしい明るい演奏。

 2曲目がチャイコフスキーのヴァイリオン協奏曲だが、五嶋の演奏は相変わらずやや線が細い。ただ以前のように完全に埋没するところまでは行っていなかった。ただやや表情に乏しい感があるのが気になったところ。ゲルギエフの方は結構曲に表情付けをするので、その辺りで五嶋の演奏が余計に淡々として聞こえる部分もある。

 最後はショスタコの5番だが、これはゲルギエフ節と言うべきか、全く屈託のない豪放磊落な印象の演奏。ショスタコはもう少し曲に屈折が感じられるものと思うのだが、ゲルギエフの演奏にはそういう影は全くない。テンポ変化や強弱変化などの表情付けは多いが、その表情が曇るということは一貫してなく、極めて明るくて元気なショスタコという印象を受けた。その辺りがどうだろうかというところ。私としては第1楽章はもっと魂から振り絞るような切実さが欲しいし、第4楽章はヤケクソになっての狂乱のような雰囲気もあっても良いように思うのだが。

 アンコールに「火の鳥」を演奏したが、私としては今日のコンサートでこの曲が一番の名演と感じた。やはりゲルギエフは陰影のある曲よりも、こういうとにかく派手派手の曲の方がまとまるということが思われた。

 そう言えば以前にゲルギエフの演奏を聴いた時も、曲目が「悲愴」で「ぬるい」という印象を受けた記憶がある。やはりゲルギエフには屈折した情念のような負のエネルギーの表現は似合わないということか。

 

 コンサートが終わったが、クロークが大混雑の大混乱でここでかなり時間をロスする。どうもこのホールはクロークを常設しておらず、仮設のクロークで凌いでいるようなので、内部で預かり品が整理しきれていないようだ。見ているととにかく動線が複雑な上にかなり混乱している。こういうところを見ていても、このホールは本来はクラシック用ではないのではないかという印象を受ける。

 ようやく会場を後にすると新今宮に戻って夕食を摂ることにする。串カツという気分でもないので「更科」「鴨なんばそば」を頂くことにする。

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新今宮の更科

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鴨なんばそば

 毎度のことだが、ここは特にそばの出汁が美味い。そばも悪くないのだが、個人的には更科よりも黒いそばの方が好み。

 

 そばを腹に入れたが、昼食が軽めであったこともあり、やはりこれだけだと腹が不十分な感じがかなりする。そこで久しぶりに「千成屋珈琲」に立ち寄って、「オムライス」「ミックスジュース」を頂く。

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ミックスジュースとオムライス

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千成屋珈琲

 オムライスは昔ながらの卵焼きで包んだタイプだが、それでいて卵焼き自体はトロトロであって実に美味い。私的にはこれこそが正しいオムライスであり、最近の半熟卵焼きをライスの上に載せただけのものは調理を簡単にするためだけの手抜きとしか思えない。そして相変わらずの元祖ミックスジュースの心地よさ。久しぶりに喫茶店飯を堪能したのである。

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これこそが正しいオムライス

 さあ、とりあえず明日は出張で仕事。その後は私的な出張(一般的には遠征という)となる。どうも年末は意味もなくバタバタしてしまう。