徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」を見に行った

 正月三が日で大分正月ボケしている状況であるが、家でお籠もりでも段々と気が滅入ってくる。そこで出かけて映画でも見に行くことにした。ちょうどスターウォーズの完結編が上映されているはずである。

 しかし外は異様に車が多い。思いがけないところで突発的に渋滞が発生するような状態。結局は劇場には予定よりもやや遅れて到着する。正月休みでそろそろ飽きてきているのか、劇場に来ている人数は結構多い。

スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け

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 本シリーズははた迷惑なスカイウォーカー一族に宇宙全体が振り回させる話と以前に私は言っていたが、本作の肝は実はスカイウォーカー一族以上にはた迷惑でお騒がせな一族がいましたという話。詳細を明かすとネタバレになるので伏せるが、本作を見終えると「なるほど、それでスカイウォーカーの夜明けね」と納得できるだろう。

 

単純かつ明快なお約束ストーリー

 ストーリー自体は予定調和に向けての一本道の大驀進である。始まる前から結論は大団円となるのは分かっているので、王道、お約束のオンパレードとなる。分かりやすくなおかつ爽快なまさにアメリカンエンターティーメントの典型的なストーリーとなっている。

 もっとも本作に複雑で緻密なストーリーを求める者はあまり多くないだろう。それを分かった上で割り切っていると感じられる。ストーリーの展開は早く、非常にドラマのテンポが良い。本作の最大の売りでもある特殊映像を駆使してスペクタクルドラマをポンポンと展開するのは実に小気味よい。作品冒頭から全編を通じて息をつかせないようなアクションも展開されており、その辺りは退屈させない。その合間に垣間見えるヒロインたちの心理的葛藤のドラマが上手い具合に作品の緩急をつけている。

 

キャラクター描写を含めて納得性が高く、ファンサービスも抜け目ない

 本作の展開の鍵となるのは、ヒロインのレイは何者なのか。そして拗らせた厨二男のカイロ・レンはどうなるのか。そこに周辺のキャラクターがどう絡んでいくかというところであるが、その辺りの各キャラクターについてはキチンと描ききっていて、それぞれのドラマがそれぞれの決着を見せている。その辺りの安心感も流石というところ。展開自体が観客の要望に見事に応えているというか「そりゃ、そうならないといけないよな」という展開にことごとくなっていくので、納得できる分かりやすいストーリーでもある。

 また流石に完結編だけあって「あの人は今」的なキャラクターの登場があったり、死人も含めて往年のキャラクター総出演(と言っても、年代的に主にエピソード4以降のキャラではあるが)の豪華顔見世興行にもなっている。この辺りの今までの長年のスターウォーズファンへのサービスもなかなか憎いところ。私のような40年来この作品とつきあってきた高齢ファンにはこういったポイントは特に涙どころである。

 

まるでジャンプ漫画のような「燃える」展開

 展開が分かりきっていても燃えるし感動するストーリーはまるでジャンプ漫画のようでさえある。「強敵と書いて「とも」と読む」「みんなオラに力を分けてくれ」的な王道中の王道展開(多分にご都合主義でもあるのだが)も非常に多い。ラスト手前での大量の味方が応援に駆けつけるという展開など、予想通りかつお約束にもかかわらず不覚にも涙が出た。とにかく良い意味でひねりの全くないストレートなストーリーである。フォースの暗黒面が云々とご託を並べたところで、ストーリーの根幹は「苦戦しながらも(その過程で主人公が成長して)最後は正義が悪をボコボコにやっつける」という超明快な話に過ぎず、逆にだからこそ万人の共感を呼びやすい。そう言えば今回のヒロインのレイから随所で「ナウシカ」らしさを感じる部分があったのだが、もしかして本作のスタッフはジャパニメーションの影響も受けているのだろうか?

 本作は長大なるスターウォーズサーガのラストを飾るに過不足のない第一級のエンターティーメント作品として仕上がっている。本シリーズにある程度の思い入れのある者なら必見と言えるし、そうでない者でも逆に本作から後戻り的にシリーズを追いかける見方もあるのではという気もする。とにかく納得の一作である。

 

 なかなか満足できる映画であった。観客も上映終了の最後の瞬間まで余韻を楽しんでいるような空気があった。

 映画鑑賞を終えると帰路もところどころで突発的な渋滞に出くわしつつ、何とか無事に帰り着いたのである。それにしてもこれで長年つきあってきたスターウォーズシリーズも終わりと思うとどこなく寂しさはある(どうせまたスピンオフとか外伝とかは出そうだが)。