徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

麒麟がビール・・・じゃなくて、麒麟がくる

 放送開始前にとんだケチが付いてしまって、いきなり放送開始が2週間順延なんてトラブルに遭遇した新大河。録画はしていたのだが、忙しかったり体調が悪化して寝込んでしまったりなどでそのまま放置していたのをやっと見ることが出来た。

 

概ね順調だが、やや画面が目に刺さる。

 まず滑り出しに関しては順調という印象。久々に本格大河の雰囲気を感じさせる。少なくとも最近の「真田丸」みたいないきなりのおふざけ悪のりもないし、「江」のようないきなりシナリオが滅茶苦茶という破綻もないし、「花燃ゆ」のようななんのためにこんなもの作ったんだという疑問もない。

 映像的にはいささか極彩色が目に刺さる印象。4Kを意識して派手な画面にしたらしいが、登場人物の服装もさることながら、背景の田畑の緑までギラギラと目に刺さるのは調整がおかしいとしか思えない。また登場人物衣装については、この時代の衣装は実は結構派手だったという説に基づいているとの類いの事を担当が語っていたというが、光秀などの武士層が少々傾いた格好をしているのは良いとしても、貧困な庶民レベルまでがいかにも「化学染料で染めました」というようなギラギラな服装なのはちょっと違うのではないかという印象を受けた

 

無難なイケメン・美女を固めたキャスト

 主役陣の演技については、かなり無難な人選をしている印象なので破綻なし。少なくとも「江」の上野樹里のような「なんじゃこりゃ?」というのはいなかった。一人だけ気になったとしたら堺正章のゴモゴモした台詞回しだろうか。肝心の聴かせどころの台詞で、何を言っているのか聞き取れないという状況があったのは問題。前回の北野武や、その前の桂文枝など、何のために起用しているのか分からない無駄な大物(芸能界的には大物だが、それが必ずしも演技に適しているわけではない)を起用したがるのはNHKの悪癖でもある。

 例の事件の影響で急遽の代演となった川口春奈が1シーンだけ登場したが、今回を見る限りでは特に破綻はない(上手いとも感じなかったが)。ところで彼女のことを私は全く知らないのだが、最初出てきた時は仲間由紀恵かと思った

 中心人物はイケメン・美女で固めた印象だが、斎藤道三に本木雅弘というのは、ウーン、イケメン過ぎるんじゃというところ。正直なところ、斎藤道三は海千山千のハゲ親父のイメージしかない。本木雅弘だとどちらか言えば織田信長のイメージである。またこの後片岡愛之助の今川義元も登場するようだが、今川義元は「直虎」での黒昇太が似合いすぎていただけにそれを越えられるか。

 

創作100%での序盤でどれだけ人物像を確立できるか

 現在は光秀の生涯について全く何も分かっていない時代を描いているので、内容的には100%の創作になるから、脚本家が好きに描いているところ。それだけにこの自由度大きいところでどれだけ光秀の人物像を確立できるかが大きなポイントになる。今のところは社会の矛盾に疑問を感じつつ、庶民に対しての目線も持っている爽やか10代というところで、概ね無難な描き方だと思う。

 今のところ、いきなり大コケの心配はなさそう。今後しばらくつきあうことにはなりそうだが、果たして最後まで快調に行ってくれるかどうか。正直なところ本作がコケたら大河は実質的に終わりだろう。

 なお予想通りではあるが、やはり麒麟麦酒からタイアップ商品が出る模様。こういう展開は最近のNHKはぬかりがない。