徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

麒麟がcool!・・・じゃなくて、麒麟がくる第2,3話

 先週は第2話を見る暇がなくて3話とまとめ見。第2話では織田との合戦があったのだが、圧倒的劣勢下の戦いを道三が計略によって大勝するという話に、その戦いの裏で糸を引いていた守護の土岐頼純を眉一つ動かさずに暗殺するという道三の凄みを見せた回。これに対して第3話は道三の操り人形にされてしまっている土岐頼芸が何やら策動し、道三の息子の義龍を焚きつける話。そして義龍も道三を排除する胸の内を光秀に打ち明ける。

 

道三の凄みを描いた第2話

 第2話の合戦シーンはそれなりに金をかけているなということが覗われ、NHKがこの大河にかなり本気で力を入れていることが垣間見えた。いかにも今時らしくドローンをやたらに多用していたのが目についたが、今時はどの番組でもこれである。ただドローンによる「鳥の目」がどれだけ効果を上げるかは使い方次第。青色発光ダイオードが開発された時、まるでうれしいかのように何でもかんでも青色になったことがあったが、昨今は誰でも彼でもドローンを使いたくて仕方ないという様子が垣間見える。ただその使用に必然性があるかと言えばいささか疑問もある。

 大規模なオープンセットを組んだようでこれだけでも予算は結構かかっているだろう。エキストラもそれなりの人数用意したようだ。ただどうして実際に合戦シーンとなるとセット臭さを隠しきれない部分もあり、「風雲稲葉山城」めくのは仕方ないところ。いかにも重機で掘りましたという印象の堀については、もう少しハンドメイド臭を出せなかったのかと感じた次第。また「堅固な山城で容易には落とせない」と言っていた稲葉山城が、どこから見ても単なる平城にしか見えなかったのもご愛敬か。

 道三の本木雅弘はそれなりの演技をしていたと思うが、ただやはり道三のイメージとは少し違うし、義龍と並んだ時に義龍が老けて見えることもあって親子というイメージにならないのが気になるところではある。

 

義龍の心情を語らせた第3話

 第3話は今まで存在感の薄かった道三の息子の義龍が、自らの腹の内を光秀に語るという回。この辺りは光秀についての記録が全くないので創作の自由度が極めて高いが、光秀が帰蝶と幼なじみであり、さらには義龍とは共に机を並んで学んだマブダチというのはかなり大胆な設定。帰蝶に対してはある程度身分を考えて物を話す光秀が、義龍に対してはフラットにあけすけに話するのは、この時代としてあり得るか?という疑問は少々あり。

 なお義龍が道三の息子ではなくて頼芸の息子であるというのは当時から言われていたところであったようだし、義龍もそう考えていたのではと思われる。また道三に不満があった家臣達もそれ故に義龍の元に集結したということはあったようだ。

  帰蝶を演じている川口春奈の演技については今のところはまあ及第点。ただ彼女のキャラとしてあまりに現代女性であることが滲んでしまうのはどうだろうかというところがある。挙措などの細かいところが時代劇でなくて現代劇になってしまうのは、彼女の芸歴を考えた場合にはまだ仕方ないか(そもそも本当に時代劇の挙措が出来ている者は、目下のところ出演者に皆無に近いが)。身分に段違いの差があるお駒と普通に女子高生トークの雰囲気になってしまっているのは、少し設定としてどうなんだという疑問はあり。

 なお腹に一物を持ちながらも道三の前ではバカ殿を演じているように見える土岐頼芸の裏表なんてのも今回の見所ではあったようだ。これからは頼芸が徹底的に義龍を焚きつけて、ついには義龍が道三を討つというところまでいくことになるのだろう。ただ義龍のマブダチの光秀はその時に義龍に美濃を追われているのだが、それはどうなるんだ? 光秀は義龍に付こうとするが、頑固な叔父が道三に付いてしまってそれに巻き込まれるという展開だろうか? となると、義龍は泣きの涙で明智を攻撃し、恐らく光秀の逃亡は暗に見逃すという展開を持ってくると思われる。

 そして第3話のラストでようやく海道一の弓取り今川義元が登場。ラブリンが黒昇太とは違った義元をどう演じるかが見所ではある。

 

 総じて目下のところは無難に作っているという印象であるが、不安要素としてはNHKのスタッフの方にも既に時代劇経験のあるものが減ってきていて、演出その他にどうしても軽さが見えてしまうところ。ドラマが全体的に時代劇としての重量感がないというのは否定できない。これが後々に崩壊要素にならなければ良いが。