徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

読響の大阪公演を聴きに行って、ラドゥロヴィチの演奏に驚嘆する

 今日は読響の大阪公演である。仕事を終えるとJRで大阪に直行する。

 大阪はいつになくマスク姿のものが多い。中国で猛威を奮っているコロナウイルスの影響だろう。ただし専門家の話によると、そこらで売っている普通のマスクは感染予防効果はほとんどないという。そもそもウイルス素通しの上に、顔との間に隙間も多いので密閉性も低い。実際、最前線で使用されているマスクはそこらで売っているようなレベルのものではなく、完全防備のガスマスクである。マスクで感染防止にはそこまでする必要があるようだ。

 なお中国では感染爆発に近い状態になっており、中国への渡航を禁止する国も出てきている。この煽りで海外オケの来日公演も中止が出るのではと懸念されている。アジアツアーの一環として来日する場合は、アジアツアー自体が中止になる可能性が高いし(中国公演抜きでは採算が合わないだろう)、日本ツアーの場合でもそもそも欧米は日本も中国も一緒に考えているので(今欧米でアジア人差別が激化しているとか)、日本ツアーが中止になる可能性もあり得る(しかも日本には福島もあるし)。なおオリンピックが中止になるのではとの噂も出ているが、これは大歓迎である。

 

 大阪に到着するととりあえず夕食だが、ラーメンでも食べたい気分。目当てのラーメン屋は券売機前にアジア人らしき連中の行列が出来ていたので、久しぶりに「段七」を訪れることにする。豚骨醬油ラーメンに炒飯を付ける。

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大阪駅の段七

 こちらはこってり系のラーメンとのことなのだが、以前よりもあっさりしたような気がする。なおここの麺は博多ラーメン系の細麺でなくて中太麺である。炒飯は私好みの味。

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豚骨醤油ラーメンと炒飯

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麺は中太麺

 

 とりあえずの夕食は終了したが、どことなく腹が半端な気分がある。かといってもう一軒飯屋に入るのも・・・。考えた結果、まだ時間に余裕があるので「つる家茶寮」に入る。「わらびもち」のつもりだったのだが売り切れとのことなので、「生麩ぜんざい」を頂くことにする。

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つる家茶寮

 やはり生麩が美味い。そして上質の小豆。なかなかに満足度の高いスイーツである。ぜんざいを腹に入れると燃料が満タンになったようである。フェスティバルホールに向かうことにする。

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生麩ぜんざいを頂く

 フェスティバルホールはほぼ満員に近い。相変わらず読響は大人気である。都響辺りも大阪定期しないかな。

 

読売日本交響楽団 第25回 大阪定期演奏会

指揮/山田和樹
ヴァイオリン/ネマニャ・ラドゥロヴィチ
曲目/マーラー:花の章
   ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
   マーラー:交響曲 第1番「巨人」

 一曲目はマーラーの花の章。本来は巨人の第2楽章だった曲であり、よく聴くと第1楽章や今の第2楽章とのつながりが感じられたりする。冒頭のトランペットの演奏は流石に読響。残念ながら在阪オケでは途中でヘロってしまう可能性が高い。非常に美しい曲である。

 二曲目はラドゥロヴィチのヴァイリオンに尽きる。まさに神業のごときテクニックである。ハチャトゥリアンの喧しくも生命力に満ちたこの曲を見事なテクニックで演奏する。また単にテクニックだけではなくダイナミックレンジが広くて表現の幅が深い。それが端的に現れたのがアンコールで演奏したバッハの無伴奏ソナタ。非常に奥深い情緒ある演奏に心底感動した。バッハでこんなに感動したのは初めて。

 休憩後のメインはマーラーの巨人だが、山田和樹の演奏はどうしても緩徐部になると緊張感の糸が切れる傾向がある。さらに彼の指揮はボリュームが上がるとテンポが上がり、ボリュームが下がるとテンポも下がる大時代的なものであるから、緩徐部分が眠い演奏となってしまう。かといって盛り上がってくるとドタバタと五月蠅くなるという印象で、なかなか曲に感情移入しにくいところがある。結果としてはどうにもヌルい演奏という印象を拭えないのである。

 以前に日フィルで聴いた時も、山田和樹の演奏にはヌルさを感じた。どうも彼とは相性が悪いようだ。今回の収穫はヴァイオリニストのラドゥロヴィチか。見た目はロックかジャズな兄ちゃんだが、これはなかなかの逸材だ。

 場内は大盛り上がりだった(私は少し冷めていたが)。何とアンコールがあって、バッハのアリアのマーラー編曲版。美しい曲であるが、どうやら山田和樹の指揮はこういう美しい一辺倒の曲の方がむいているようである。この曲については一切不満は感じなかった。


 公演が終了したのは9時半ぐらいになっていた。急いで帰宅することにする。今週は何かと仕事の予定が忙しい。明日も仕事が待っている・・・ああ、気が重い。