徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

ロンドン交響楽団のライブ配信でラトルの幻想交響曲を聴く

 ロンドン交響楽団のHPで毎週木曜日と日曜日にかつての公演のアーカイブを順次放送しているようである。送信にはYouTubeを使用。そのためかベルリンフィルデジタルコンサートホールなどよりは画質・音質共に落ちる。なお放送開始は大抵現地時間の午後7時とかなので、日本時間だと夜中の3時とかになってしまう。ただ生で聴かなくても翌日などでも聴けるようである。ただし次の配信までには配信中止にされてしまうようだ。

lso.co.uk

 昨日にラトル指揮でジョン・アダムズのハルモニレーレとベルリオーズの幻想交響曲の演奏のライブ配信があったようなのでそれを聴いた。

 

ラトル指揮ロンドン交響楽団(2019.5)

ジョン・アダムズ ハルモニレーレ
ベルリオーズ 幻想交響曲

 ハルモニレーレについては現代曲でありながら、非常に聴きやすくて馴染みやすい曲。旋律を繰り返しながら盛り上げたりなどといった仕掛けになっており、ロンドン交響楽団の演奏もピリッと引き締まっていてなかなか。

 ベルリオーズの幻想交響曲であるが、ラトルの指揮は大人しいというか、どことなく中庸的な印象を受ける。第一楽章などはやや抑制的でカッチリとした演奏。ところどころでは古典的な曲に聞こえるような響きさえある。この曲に関してはいきなり若者の迷走のようなものをそのまま表現するような演奏も多いが、ラトルの演奏はかなり理性的な印象を受ける。同様に第二楽章でも完全には踊ってしまっていない。さらに第三楽章についてもあまり闇の部分は感じられずに、普通に叙情的な音楽という印象。第四楽章も狂乱的なものは全くなく、最終楽章にしてもおどろおどろしさは皆無でどちらか言えば端正な演奏である。全体的に下品なハッタリを廃して、お上品にまとめたというように聞こえる。

 アプローチとしてはこういうアプローチもありなのかもしれないが、幻想交響曲と言えばクラシック界のホラーやスプラッターのように感じている私としては、いささか食い足りない感を抱かずにはいられないものであった。