徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

関西フィルもザ・シンフォニーで厳戒下の定期演奏会再開

 やや早めに就寝したためか翌日は朝の6時過ぎに自動的に目覚めてしまった。今日は特に急いでいないのでチェックアウト前まで寝ておくつもりだったのだが、残念ながら老化に伴う睡眠力の低下で、昔のように眠り続けるということが出来なくなっている。これが肉体的に疲れ切っている時でもだからツラい。

 朝食を摂りに出ることも考えたが、外出するとなると着替える必要があるし、この最中に新今宮界隈の狭い喫茶店にモーニングを食べに行くのも危険がありそうだし、かといってコンビニ朝食も気が進まないしということで、朝食を食べないまままずは朝風呂で目を覚まし、結局はテレビを見たり持参した番組をファーウェイで確認したり、原稿を書いたりなどで時間をつぶす。

 結局はチェックアウトの10時までグダグダと過ごす。体の調子が良くないが、これは非常に覚えのある肉体的疲労によるものだ。ここ3ヶ月ほど週末の外出が皆無だったせいで、久しぶりに疲労が溜まっている。しかも今回は大阪までのドライブ付きだし。

 ホテルをチェックアウトするとまずは大阪市立美術館を目指すことにする。ここの催しはコロナ休館中に会期になり、急遽終了時期を延ばしたようだ。

 新今宮から天王寺は歩いてもいける距離なのだが、ここを車で行こうとすると一通地獄と右折禁止トラップのせいでカーナビがあるにも関わらず道に迷って大回りすることに。予定よりもかなり時間とガソリンを浪費して天王寺公園の駐車場に到着、車を置くと天王寺公園に出る。さすがに閑散としているというわけではないが、人通りは今までの週末より少ないようだ。

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天王寺公園はやや人が少なめ

 

「フランス絵画の精華-大様式の形成と変容」大阪市立美術館で8/16まで

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久しぶりの大阪市立美術館

 フランス絵画の歴史を17世紀の「大様式」と言われた時代から18世紀のロココを経て、19世紀の新古典、ロマン主義から印象派前夜に至るまでを紹介するとの展覧会。作品はヴェルサイユ宮殿美術館やオルセー美術館、大英博物館、スコットランド・ナショナル・ギャラリーから集結・・・とのことだったが、実際には一番多かったのは東京富士美術館の所蔵品。コロナ騒ぎでの急遽の会期変更なんかがあって、展示内容の変更なども多々あったようである。

 さて作品自体はいずれも一言で言えば「古くさい作品」。しかしながらいずれも美麗な作品である。確かに細かく見ればロココやロマン主義とかで絵画的な変遷はあるのであるが、その次にやって来る印象派が強烈すぎるので、私のような絵画の素人からすると、全部ひっくるめてアカデミズム的な伝統的絵画という範疇で括られてしまうのが本音。一番最後にマネの作品が一点だけ展示されているが、ここまでの流れを見た上でこの作品を見ると、いかにこのような絵画が当時の画壇にとって衝撃的であったろうかが想像でき、「未完成の絵画である」という批判もさもありなんと納得できてしまったりする。

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本展の表題作であるポリニャック公爵夫人

 いずれも上品で美しい絵画であるので、芸術的な強烈なメッセージは感じられないのだが、それだけに万人受けする絵画でもある。例えばブーシェの絵画などは、誰が見ても美しいと好ましく感じるだろう。そういう点でこの時代の絵画は、絵画の依頼主である貴族や金持ちを満足させるための作品であったことが頷けるのである。

 

遅めの朝食にラーメンを摂ってからホールへ移動する

 展覧会を終えた頃には空腹で目が回り始めた。とりあえず移動の前にかなり遅めの朝食を摂っておくことにする。立ち寄ったのは地下にある「古潭」「古潭ラーメン」の醤油味を注文。

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古潭

 オーソドックスなラーメンで味は良い。スープはコク系なので、もしかして味噌ラーメンが本道かという気がする。固めでぱさつき目の焼き豚を超薄切りスライスしてあるのが具の特徴。焼き豚の弱点を補うと共にコスト削減できる両得の方法だ。

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古潭ラーメン

 朝食を終えるとザ・シンフォニーホールまで移動する。それにしても大阪の町は走りにくい。カーナビに従っていても道路の構造がサッパリ分からない。何しろ緑地帯があるので中央分離帯かと思えば側道と本道の境という始末。一通地獄は幹線道路でもだし、うねってる道を走っていたら方向感覚を失う。これが運転に慣れていない初心者のしかもカーナビがなかった頃なら、心細さで泣きたくなるところだろう。

 駐車場はここもタイムズ予約で事前確保してある。ホールから徒歩10分程度の駐車場に車を置くと昼食を摂る店を物色。ついさっき何かを食べた気もするが、あれはあくまで朝食(笑)。やはり昼食は摂っておかないと終演まで体力が持たない。

 

ホール入場前に昼食を摂る

 立ち寄ったのは前から気になっていた「フレンチ洋食YOKOO」。気になってはいたが、日曜が休みの上に土曜は私が来る頃には大抵はランチタイムが終了していたので、今まで入店できなかった店である。店内がコロナ対応で席を減らしているのだろうか、しばし待たされた後に入店。日替わりランチ(980円)を注文しようかと思っていたのだが、本日はハンバーグにエビフライとのことで昨日の夕食と完全に一致してしまうので、「ビフカツランチ(1380円)」を注文することにした。

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YOKOO

 いわゆる最近流行のレアカツ系。あっさりした赤身の肉はオージーだろうか。揚げ方が上手いので柔らかくてなかなかに美味。ランチメニューがなかなかの人気と聞いたが、それも頷けるところではある。

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ビフカツランチ

 

厳戒態勢のホールへ

 昼食を終えるとホールに移動。ホール前はかなり厳戒態勢といったところ。一人一人検温をした上で、チケットは自分でもいで入場、プログラムも手渡しは避けて自分で取る形式。昨日のフェスティバルホールよりもさらに厳戒態勢の印象。中も喫茶は閉鎖しているし、トイレも要警戒体制となっていた。マスクにフェイスマスクで完全防備の係員にもこころなしか緊張感が溢れている。

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ホール前は厳戒態勢

 ステージには椅子が配置してあるが、コロナ対策の閑散配置。今回の関西フィルは編成を大幅縮小しての6編成の模様。関西チェンバーフィルである。曲目もそれに合わせてモーツァルトとシューベルトに変更。さすがにチェンバーでブラームスはしんどいだろう。ただステージの広さを見れば10編成ぐらいまでは載せられる様にも感じるのだが、これ以上拡大すると指揮者の統制が効かなくて音がばらける危険があるというところだろうか。まあ指揮者の鈴木優人氏は古楽なんかも振る人だから、この規模のオケには慣れてるだろう。

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コロナ対策の閑散配置

 館内はお約束通り一席おきの配置。大阪フィルは先着順で席を割り振ったが、関西フィルは事前に会員に連絡を取り、来場希望者と連絡がつかなっかった者に対して問答無用で新しい座席券を送付している。ということは、座席を取ってはいるものの来場しない客も一定数いるだろう。

 

関西フィルハーモニー管弦楽団第311回定期演奏会

[指揮]鈴木優人
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 序曲 K.527
モーツァルト:交響曲第 29番 イ長調 K.201
シューベルト:交響曲第 5番 変ロ長調 D485

 最初のドン・ジョヴァンニは6編成の弦に2管を組み合わせたせいか、バランス的に管が強すぎて、全体的にガチャガチャと喧しい演奏になった印象がある。普段は12編成に3管というところなので、この編成では管が多すぎるだろう。弦がかき消されてしまって聞こえてこなかった感が強い。

 2曲目は管をオーボエとホルンだけに減量しての交響曲。10代のモーツァルトが作曲した非常に清々しい曲であるが、その曲を鈴木はかなり明快で快活に演奏する。関西フィルの演奏にもやや力を感じる。

 最後もやはりシューベルト10代の曲。構えすぎない非常にエレガントでユーモアも感じられるような曲想である。鈴木の演奏は基本的には非常に軽快である。今日の関西フィルの弦は、いつものしっとりした雰囲気ではなく軽やかさが感じられ、それがこの曲の雰囲気とマッチしている。配置の関係か、ややアンサンブルが甘めに感じられる曲面がないわけでもなかったが、概ね問題のないなかなか気持ちの良い演奏であった。

 特殊な環境での演奏となったが、そのような逆境にめげない元気な演奏であった。ホール内に定員の半分ほどの観客(ほとんどすべてが定期会員と思われる)も大きな拍手で応えていた。昨日の大フィルと同じく、演奏する側も聞く側も音楽を出来るうれしさを一身に感じているようであった。

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場内には結構な観客が

 なお来月に関して事務局から連絡があったが、編成に関しては今回よりは大きくするという(確かにザ・シンフォニーホールのステージもまだ余裕があった)が、今年の目玉の一つだった「仏陀」は残念ながら断念とのこと。曲はシベリウスのヴァイオリン協奏曲と「オー人事」ことチャイコの弦楽セレナーデになる模様。ところでここのところ、オケの編成が小さくなったためか「オー人事」がいきなり多演曲に踊り出している。各オケがこぞってこの曲を演奏しているようだ。

 

最後にドライブの友を紹介します

 コンサートを終えると家路につくのだが、さすがに久々の遠征で疲労が溜まっている。高速を突っ走っていても気をつけないと意識が飛びそうになる。こういう時には音楽で気合いを入れるに限る。選曲は・・・兄貴の燃えるアニソン集でも良いんだが、今回は少し変化を付けてAngelaのアルバム「宝箱-TREASURE BOX」を。

 

 このアルバムの中でも私が特に好きなのは名作アニメ「宇宙のステルヴィア」のテーマソングだった「明日へのbrilliant road」。かなり古い作品になりますが、あの作品はさりげに私的には評価の高い作品で、宇宙が舞台では有るものの、その中身は一途で前向きなヒロインが純粋な少年と一途に愛を育んでいく前向きストーリーで、非常に安心してみていられる内容だった(一話だけ暗黒変した回があるが)のが記憶に残っている。ヒロインのけなげさを象徴しているようなこの曲は未だに私の人生の応援歌でもある。

 後は「Shangri-La」伝説の鬱アニメ「蒼穹のファフナー」のテーマである。作品と全くリンクしないただのポップスがアニソンになることが多かった中で、この作品は内容を聞いていると、まさにこの作品の登場人物たちのことを語っているのだと言うことが分かるという、今時(と言うにはもうかなり古いが)珍しいぐらいド直球のアニソンでもある。もの悲しさを秘めたこの曲の曲調を聞いていると、あの鬱アニメを思い出して首を吊りたくなる(笑)のだが、やはり好きな曲である。今まで様々な横槍でことごとくつぶされてきた自分の人生の可能性を振り返ってしまって、今の人生が空しくなった時のやはり人生の応援歌。

 最後は「gravitation」。超鬱アニメ「蒼穹のファフナー」の製作で製作スタッフまで病みそうになってしまって、その精神の平衡を取り戻すために製作したとも言われている作品「ヒロイックエイジ」のテーマ曲。とにかく主人公がひたすら無双。時空から因果律まで根性でねじ曲げてしまうぐらいの次元を越えた無双。しかも野生児と言うことから「宇宙版未来少年コナン」と私は個人的に呼んでいる(笑)。結局最後まで誰も死なないという豪快なまでに爽快な話で、上の噂も信憑性があると思える作品。で、この主題歌の方もコーラスまで加わった豪快にして派手派手の曲。そのシッチャカメッチャカさが気に入っていて、私自身「Shangri-La」に同調しすぎて首吊りたくなった時の生き返り曲として愛聴している(笑)。

 これらの曲を高速道路を良いことにガンガン鳴らしながら突っ走って帰宅してきたのである(外部には低音だけが漏れてるだろうから、かなりガラの悪い車に見えただろうな)。ちなみに防音壁が両側にそそり立ち道幅も非常に狭い阪神高速は、いつも走る度にスターウォーズ第一作クライマックスの、デススター破壊のために溝の中をXウィングで攻撃をかけるシーンを連想する。おかげで後からダースベイダーに迫られている気がしてならない。とにかく疲れる行程ではあったが無事に帰り着いたのである。