徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

草津宿を見学後、彦根でタブレットを回収してから比叡平の木下美術館へ

 翌朝は7時に目が覚めた。昨日はやはりタブレット絡みの件でストレスがかかっていたせいか睡眠が浅く、一旦中途覚醒したせいで寝そびれてしまい、再び眠ったのが朝方だったので絶対的睡眠時間不足で頭がボンヤリしている。とりあえずボンヤリした頭に活を入れると、まずはホテルに再び電話をする。先日の失敗の教訓から、今度は「タブレットPCでipadのようなもの」と説明し、さらに恐らくベッドのコンセントに充電で刺してそのまま置いていったと思うという状況説明を追加。調べて折り返し電話するとの連絡があって数分後、無事に発見との連絡が届いた。そこで今日取りに行くことにする。

 昨晩からの大きな懸案が解決したところで朝食を摂ることにする。このホテルは本来は朝食バイキングなのだが、コロナ感染拡大が懸念されているご時世を鑑みてか、朝食は弁当配布に変わっている。ルートインよりも大都市の大津が近いせいか警戒感が強い印象。

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朝食は弁当形式

 とりあえず弁当をコーヒーなどと共に部屋に持ち帰って部屋で朝食を取る。タブレットの問題は解決したが、彦根まで戻る必要に迫られることとなった。行動を早める必要がありそうだ。当初予定より早い9時にはチェックアウトする。彦根に行く前に草津の宿場町を見学しておきたい。

 

草津宿本陣を見学

 街道の宿場町だった草津には当時の本陣が残っているという。路地をウネウネと走って本陣にたどり着くと、そこの駐車場に車を入れてから本陣の見学。

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草津宿本陣

 本陣と言うだけあって立派な建物である。また大名が宿泊したと思われる部屋なども残っている。

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玄関

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大きな建物だ

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VIPルーム

 さすがに大名には専用のトイレ付きであり、奥には風呂場も設置されている。大きな厨房もあれば、防火用という防水処理をした竹かごが多数置かれていたりなど、なかなかに興味深い。

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風呂場には排水用の溝もある

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料理のための厨房

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和宮に出された料理らしい

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防火用水用の竹かご

 

草津宿の町並を散策

 本陣の見学を終えてから、車を置いたまま徒歩で宿場町の跡を散策してみる。ただ残念ながら往時を偲ばせる建物はほとんど残存していないようだ。また部分的には道路を拡張したところもあるようで、街並み自身がかなり変化したようだ。昔の面影を留めるのはどこの町でも大体そうだが酒蔵と奥に深い地割ぐらい。

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残念ながら通りには往時を偲ばせるものは少ない

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宿場町西の端に近い立木神社

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こういう建物はそれっぽい

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酒蔵には往時の雰囲気が

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ここは酒造会社らしい

 草津宿はちょうど中山道と東海道の合流点となっており、元々草津川はここのすぐ東を流れていたらしい。しかし土砂の堆積がひどく、典型的な天井川となってしまったため、災害防止の意味からも2002年になって付け替えが行われて、現在はもっと南を流れることになっているという。この中山道と東海道の合流点を示す石碑は今でも草津宿のシンボルであるらしい。

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かつての川筋の下はトンネルになっている

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中山道と東海道の合流点の碑

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マンホールもこのデザイン

 

長駆して彦根まで忘れ物を取りに行く羽目になったが・・・

 街並みの見学を終えたところで彦根を目指すことにする。しかしその途中でとんだトラブル。カーナビを見ながら路地を走っていたところ、曲がり角を間違えて狭い路地に入り込み進退窮まる。ギリギリのところで何とか転回をして脱出を図ったのだが、その時になぜか道路の真ん中にあった電柱とハードなスキンシップをしてしまって、ドアが一枚メリメリ。これで一気に士気喪失。今から思えば無理に転回せずにそのままバックで脱出すべきだったんだが、そんなものは後の祭り。トラブルの渦中では人は往々にして冷静な判断をできないということを改めて認識した次第。

 落ち込んだ気分のまま彦根まで疾走。ルートイン彦根に立ち寄ると無事に置き忘れていたタブレットを回収。やはり私が予想していた通りにベッドのコンセントにケーブルを挿したままで放置してあったらしい。

 ようやく問題を一つ解決したところで次の予定。この後は比叡山にある数年ぶりの美術館を訪問するつもり。とりあえず京都に向かって長駆する。ただもう既に昼時であるので途中の大津SAに立ち寄って、昼食はそこで摂ることにする。摂ったのはレモンステーキの定食。

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今日の昼食

 肉をがっちりと補給したところで比叡山めがけて走る。目的とする美術館は比叡平の住宅地の中にひっそりと立つ一種異様な建物。

 

「描かれた生き物たち」木下美術館で8/17まで

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木下美術館

 同館が所蔵する日本画の中から動物を題材にしたものを中心に展示。杉山寧、山本春挙、堂本印象、橋下関雪など実に多彩。

 印象に残った作品は大橋翠石の「猛虎の図」。虎の画家とも言われた人物であるが、確かにその精緻な描写には圧倒されるところ。猛虎と言うだけあって虎の迫力がすごいが、その一方でそこに描かれている子供の虎が何とも言えない愛嬌がある。余程虎が好きだったんだろうというのが覗える絵画。ちなみに今年兵庫県立美術館で大橋翠石の展覧会がある予定だったんだが、コロナの影響で流れてしまった。今となっては残念至極。是非とも仕切り直しで実現してもらいたいものである。

 これ以外では橋下関雪と西島五雲が共に猿を描いているんだが、これがいかにも「らしいな」という作品で面白い。

 

 久しぶりの美術館を堪能すると、京都に向かって山を下ることになる。