徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

名古屋フィルのチャリティーコンサートの配信を聴く

 名古屋フィルが7月28日に愛知県芸術劇場コンサートホールで無観客で開催したOKAYAチャリティーコンサート2020について、地元放送局のCBCがテレビ放送すると共に、YouTubeで全国配信したようである。名古屋フィルのコンサートを聴ける格好のチャンスであるので、これを視聴することにした。

hicbc.com

 

OKAYAチャリティーコンサート2020

指揮:田中祐子
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:田村響
ヴァイオリン:福場桜子

シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調

 コロナ以降、チャイコの「オー人事」と並んで演奏機会の増えているシベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォであるが、名古屋フィルもなかなかに美しい音色を聴かせてくれる。

 二曲目は地元名古屋の高校生ヴァイオリニスト・福場桜子の登場。今時の若手演奏家は大抵そうであるが、技術的には安定感があり演奏も堂々としていて力強さもある。ただやはりまだまだ若手と言うこともあって、自己主張は強くない素直な演奏。そのために演奏自体にあまり強いインパクトがないのが残念。第二楽章などはもっとメロドラマでも良かったように感じる。もう少し感情を乗せて堂々と歌えるようになれば大器として大化けする可能性はある。

 最後はベートーヴェンのピアノ協奏曲だが、バックの名古屋フィルがやけに重厚な演奏を始めるのに対して、田村のピアノは軽快なもの。どことなくそのバランスの悪さを感じる。終始軽快なピアノが重たいオケを引きずるという印象が付きまとった演奏だった。もう少し弾むような軽やかさがあっても良かったように思われる。全体的に非常に地味な演奏という感想を抱いた。

 数年前に田中祐子を見た時には元気なお姉さんという印象だったのだが、しばらく見ないうちに風格が出たというか落ち着いたというか、堂々たる中堅マエストロという雰囲気になっていて驚いた。相変わらず奇をてらわない手堅い指揮であるが、もう少し茶目っ気があっても良いかという気もする。


 コロナの影響でどこのオケも通常通りのコンサートが開催できずに苦労しているが、その副産物で名フィルや山響などなかなか聴きに行くことが出来ないオケのライブをネットで見ることが出来たのは思わぬ副産物。これはこれで良いのだが、やはり生には優るものはないし、いくらYouTubeで配信してもオケは潤わないということを考えると、やはり一日も早い正常化を祈るのみである。と言っても、その道はまだまだ通そう。例のGoToトラベルの結果、予想通りに全国的に感染爆発を煽ってしまった状態だから、恐らく秋の来日オケなんかも全滅だろうし、国内オケも通常通りに観客を入れれるのは来年以降だろう。まだまだしばらくは忍耐の時である(その忍耐の間に、あの無能すぎる政府を何とかしたいが)