徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

A.I.C.O.Incarnation 第6話「覚醒」

ヒロインの成長を描き始めている

 表題に「覚醒」とあるのは何のことを指しているのかは明らかではないが、アイコが今までよりもさらに明確にマターとのリンクを意識しだしていることから、それを指しての「覚醒」と捉えるのが無難なところか。

 作品後半を目指しての様々な伏線を張り始めているのが覗えるのが今回の内容。

 アイコがマターとのリンクを自覚し始めると共に、攻撃の先読み(つまりはマターの意志を感じ取っている)という能力を示し、さらには仲間のためにより積極的に協力しようという前向きの姿勢を示しだしたということがヒロインの成長として描かれている。なお同様のリンクはグミも示しているようであり、これが後々に何かの伏線になる可能性もある。

  
既にコミカライズ版が出てるようですね。私は読みませんけど(笑)

 

さり気にキャラを深めていっている辺りの巧みさ

 キャラクターを描くという意味では、前話辺りから描かれていた楓のキャラについても深めている。あまりに身勝手で楽天的にも見えるキャラだが、その背後にはかなりどす黒い孤独感などの心の傷があることを今回は匂わせており、それを指して「危うい」という表現も出ている。恐らく本作の中でアイコと並んで最も「成長」するだろうと想像できるキャラクターである。なおパートナーである香に対する潜在的な依存心が強そうな描写が見られ、作中で香が何らかの形で命を落とし、そのことがさらに彼女の自覚と成長を促すという展開もあり得る。パターンから行けば、作中を通してだんだんと一樹と接近するというのが王道。

 さらにここに来て存在感を増しているのが神崎雄哉。最初からその存在は「謎の多い人物」として描かれているが、ここにきてその謎の深さの一端を垣間見せている。普通に考えれば人工生命体開発者関連の人物であり、研究者の一員かその身内というのが通常のところだが、本作のキーとなる人物でありながらその存在を全く見せていない由良俊英の関係者というのが一番あり得る線だろう。一番ありそうなパターンは、アイコの同類で由良俊英の複製体といったところ。実際に身体能力が通常人以上なのではないかということをどことなく匂わせている。アイコと同様に彼の存在自体も作品後半にかけて鍵となってきそうな雰囲気。

 普通に戦闘を描きながら、このようにさり気にキャラを深めていく描写はうまい。で、最後の最後に予想外の敵の出現か?というところで次回に興味をつなぐという締めはありがちだかだ巧妙なところである。このままマターを討伐しつつプライマリーポイントを目指すと言うだけではあまりに話が単調になるので、これらの勢力とも含めた三つ巴の展開という形に持っていくのだろう。その過程で今回の事件の背後に隠れている大きな陰謀のようなものが見えてくるというのが王道展開だろう。

 アニメとしてはいろいろな要素がぶっ込みすぎなのがやはり若干気になるが、そもそも原作のある作品のようなので、話があらぬ方向に走って分解するという心配はないだろう(そもそもの原作がそうなってしまっていない限り)。という点ではある種の「安心感」はある。

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