徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

A.I.C.O.Incarnation 第9話「真実」

明かされた「真実」は想像以上にハードなものだった

 うわぁ、これは私も読み切れてなかった。つまりは最初から登場していたアイコは由良が仕込んだダミー脳を持った個体で、身体の方は元々の身体を一部人工生体を使って強化したものだったということか。そして残された人工生体の複製の身体の方が、切り離された脳を求めてパニックを起こしてバーストした。神崎雄哉こと由良俊英はそこでアイコの脳をマターに戻すと共に自壊させてバーストを鎮めるということを考えていたと。

     
音楽も印象的な作品ですが、サントラ発売中

 なるほどそうなると雄哉がことさらにアイコに対してよそよそしく接していた理由が頷けます。結局はアイコは消滅させることになるわけだから、なるべく感情移入しないように、あくまでサンプルとして見るように意識していたということだな。そのためにあえて冷血な風を装っていた。どうも回想で出てくる由良俊英の人となりと神崎雄哉の人となりにズレがあると感じていたのは、彼が本質を偽ってバーストを終了させるために鬼になろうとしていたということのようだ。

 しかしやはり根っこのところで鬼になりきれていないので、どうしてもそれが垣間見えてしまう。篠山さんが亡くなった時に流した涙もそうだし、相模があえて雄哉を挑発するようなことを言った時に、思わず我を忘れてつかみかかったのなんかも本音の感情が出てしまったんだろう。相模に言われるまでもなく「言ってることと行動がズレてる」わけです。本音ではアイコを犠牲にしたくない気持ちがありながら、それが出来ないというジレンマで葛藤しているわけか。そりゃ暗くて横柄な性格にもなろうというものである。アイコにもう一人の自分を殺すのかと聞かれた時「相手は作り物だ思いやる必要がない」と冷酷に告げたのも、ある意味で自分自身に言い聞かせていたわけだ。そういう目で見直すと、あのシーンは雄哉の心境は相当ツラいものがあったはず。何しろ目の前の「作り物」が極めて人間らしい感情を示しているわけだから。

 相模はその辺りを感じていてあえて雄哉を挑発した感じですね。雄哉の態度についても水瀬と楓は単純に怒っていたけど、相模と遥香の二人はその意図を読んでいたようですから。直情径行型と洞察型にペアが分かれて見事にバランスが取れている。

 

ここに来てマターにも垣間見える意志と伊佐津の暗躍

 そしてマターの方ももろにオリジナルのアイコの意志に従っているという行動が増えてきました。どうも最初からアイコを呼び寄せようとしているというか、保護しようとしている行動が多いと感じましたが、もろにそうだったようですね。どうもオリジナルが何かを考えてもう一人のアイコに会いたがっている様子があります。

 オリジナルとコピーが出会うことで何が起こるのかが分かりませんが、オリジナルのアイコ自身もコピーが消滅することを望んでいるとは性格的に思いにくいので、何らかの解決方法を持っているのでしょうか? それがあるならハッピーエンドだが、そんな簡単に安直なオチは持ってこないだろう。ハッピーエンドパターンはアイコが2人になってしまうということになる。それも何かな・・・。下手するとアイコの性格からしたら、オリジナルの方が死を選ぶという可能性さえある。

 で、裏でウロチョロと暗躍している伊佐津恭介ですが、彼の目的は娘の柚葉を復活させることだけ。そのためになら悪魔にでも魂を売りそうな様子です。初めて自我を持った人工生体であるアイコに固執しているのは、同様に人工生体に柚葉の自我を持たせることでの復活を考えているという辺りでしょうか。ただ分からないのはマターの中に既に柚葉とリンクしている連中(人型と呼ばれるタイプ)がいると言うこと。伊佐津が既に柚葉に何かを仕込んでいたんですかね。この辺りはこれから明かされるところなんでしょうけど。今回のマターの暴走についても、伊佐津が仕込んだものが原因になっているというようなことを言っていたし。となったら、そこのところを解決したらマターの暴走の問題も解決という可能性は0ではない。

 にしても、いよいよ核心に迫ってくると共にかなりハードな話になってきたな。巻き込まれ型アドベンチャーもここまで行けばかなり濃い作品。アイディアは最初から相当練り込んでいたようですな。

 

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