徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

燕趙園を見学してから米子で贅沢ランチ

朝食を摂ってから出発

 翌朝は6時半に起床する。どうも体が重い。昨日の鳥取城のダメージは確実に体にあるようだ。どうも腰がギクギクする。

 やや強引に起き上がったところで、目覚ましのために露天風呂に繰り出す。そう言えば昨日来他の客の姿を全く見ていないし、風呂も私以外が使用した気配がない。もしかして私の貸切宿になっていたのか。朝から温泉が実に快適。ただ昨晩に雨が降ったようで、今日もいつ雨が降り出すか分からない状態。行動が制約されることになりそうだ。

 入浴を終えると朝食まで原稿入力作業。時間が来ると朝食部屋へ。こういう朝は和定食が実にうれしい。朝から美味い飯を腹にしっかりと入れる。

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美味い飯を朝から頂く

 朝食を終えると部屋に戻って原稿作成。結局はそのままチェックアウト時刻の10時ギリギリまで作業していた。

 

予定を変更して燕趙園へ

 ホテルをチェックアウトした時は小雨がぱらついている状態。実は今日の予定が全くない。体がこんなでなければこの地域の山城を順に攻略する予定だったんだが、とても体がそんな状態でない上に、天候もかなり怪しそう。そこでまずはこの近くにある燕趙園を訪問することにする。

 燕趙園は中国の河北省と友好関係を築いた鳥取県が、それを象徴するテーマパークとして日本最大の中国庭園を東郷池を借景にして建設したのだという。実際に中国で建物などを製作して、それを日本に運んで中国人技術者の監修のもとで組み立てたというのだからかなり本格的である。

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もう門構えから中国全開

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燕趙園

 実際に入場した途端に「ここはどこの国でしょうか?」になるぐらい中国情緒満載。ちなみにここは「西遊記(堺正章のでなく、香取慎吾が出演したやつ)」のロケ現場にもなったとか。

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ここはどこの国でしょうか?

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中国情緒がたっぷり

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池を回遊する形になってます

 中国庭園も日本庭園も共に自然の風景を庭園内に圧縮しているというのは同じだが、元になる風景に大分違いがあるから印象が異なる。何よりも朱塗りの建物が並んでいるのは日本庭園にはない。朱塗りの建物は日本では平安時代ぐらい。禅の影響を受けている日本庭園は情緒的に中国とはかなり異なる。

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朱塗りの建物が目立つ

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これらの壁画も中国的手法で描かれているとか

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こんな橋も中国的

 庭園は池を中心に周回するようになっている。また場所によっては東郷池を借景にしている。

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東郷池を借景にしている

 またちょうど時間が合わなかったが、何やら舞踏?的なものの披露もされていたりするらしい。

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ここでイベントが開催される模様

 まあこれはこれでそれなりに面白くはあるが、テーマパークとしての集客力を考えると疑問はある。単に庭園だけで何があるというわけではないし、鳥取県が投入したといわれているコストに比べると観光効果としては見合っていないのではというのが本音。私もリピートするようなところでもないしと感じた。

 

豪雨の中を米子に移動する

 燕趙園の見学を終えたところで米子に移動することにする。当初の予定では米子市美術館と米子城に立ち寄るつもりだったのだが、山陰道を走っていると途中で断続的に前も見えないような豪雨に出くわす。腰の具合もあまり良くないし、これは米子城は無理そうな雰囲気。

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前も見えないような豪雨

 米子に到着した時にはやや小雨になっていた。とりあえず市役所の有料駐車場に車を置いて米子市美術館へ。米子市美術館に駐車券を提出したら2時間駐車無料とのこと。

 米子市美術館は1階の1部屋だけの展示。

 

「岩宮武二 目前心後」米子市美術館で9/27まで

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米子市美術館

 地元出身の写真家・岩宮武二の作品を展示。戦後、神戸で写真館を開いていたが結核を患って帰郷、その後に投稿写真などで受賞して名を挙げたという。

 展示されているのは島の風俗を追究した「佐渡」のシリーズや、伝統的物品の形態に固執したシリーズ、アジアの仏像のシリーズなど対象が幅広い。

 独特のシャープな感性を持っているのは感じるのだが、そもそも写真は私の守備範囲外であり、良し悪し云々が今一つ分からない。ただ作為の少ない写真であることは好感を持ったが。

 

昼食を摂る店を探す

 展覧会を一回りして美術館を出てきたときには雨がやや強くなっていた。傘を持って行ってなかったので、慌てて車まで走ると傘を取り出す。さて駐車は2時間できるので、もう昼時だしこの辺りで昼食を摂る店を探したい。そこで米子の町をプラプラ歩くのだが、その途中で突然にとんでもない豪雨に出くわして、傘をさしているのにずぶ濡れの状況に。何しろ雨がひどすぎて下から雨が降ってくる状態。傘をさしていてもズボンが裾からずぶ濡れになるのである。これは参った。

 スプ濡れになりながら歩くことしばし「ビストロマロン」という店を見つける。予約などはしてないので入店できるかどうかが不安だったが、席は空いていた模様。コース料理なので時間がかかりますがよろしいですか? と聞かれたが、この調子ではとても米子城訪問は無理そうなので、時間はたっぷりある。たまには贅沢ランチもいいだろう。2500円(+税)のランチコースを注文する。

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ビストロマロン

 かなり待った後にプレートが出てくる。イチジクに自家製豚肉の生ハムを乗せたものに、白身魚のすりみをパンに乗せたもの、ジャガイモのパンケーキに発酵バターを乗せたものらしい。これがいずれも抜群に美味い。なかなかに取り合わせの妙である。

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色とりどりのプレート

 その後にパンを頂いてから、しばらく経ってスープが登場。これがニンニクのスープだそうな。「ニンニク?」って思ったのだが、辛さとかエグミという類のものがなく、非常にまろやかで豊かな味である。実に滋味に富んでいる。これには驚いた。今までこういうスープは飲んだことがない。

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パンを頂いてから

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ニンニクのスープ

 またパンを頂いてからしばらく後にメインが登場。豚肉にパセリとチーズを練ったものを乗せたらしい。これがまた肉の焼け具合が絶妙で味の取り合わせが抜群。さらに驚いたのが添えられている野菜の美味さ。どちらかと言えば野菜が嫌いな私が抵抗なく(というよりも、美味いなと感心しながら)全部食べられるのだから見事。

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パンを頂いてから

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メインディッシュ

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見事な焼き具合

 最後は梨を使ったデザート。これが何とも爽やかで気持ちよく実に見事。最後に食後のコーヒーがついて大満足の昼食である。

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梨のデザート

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食後のコーヒー

 確かにちょっと贅沢ランチであるが、これだけの内容が出てきたら不満はない。またコース料理の常で、よく噛んでゆっくり食べることになるためか、明らかに私的には量が不足しているはずなのに空腹感はまるでない。料理が見事なので精神的に満腹になった感じである。うーん、もしかして私も金持ちになって、常にこういうレベルの物を食べられるようになったら痩せるのか?

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