徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

A.I.C.O.Incarnation 第11話「矜恃」

矜恃を示す者と狂気を示す者

 副題は矜恃となっていますが、多くの者の思惑が入り乱れた回でした。

     
サントラ発売中、かなり音楽もインパクトがあります

 矜恃というのに一番ピッタリの行動をしたのは南原ですかね。自身のキャリアを犠牲にして政府の攻撃を止めた。さすがにあれだけ大量の民間人を現地に入れてしまうと、政府としてはそれを無視して自衛隊による攻撃を加えるわけにはいかなくなった。部下に指示を出していたのは、あれを手配させていたようですね。もっとも私がまだ一つだけよく分かっていないのは、マターをすべて焼却してしまったとした場合に、日本が最先端技術を失うのは分かるのですが、それがなぜ海外流出につながるのかという辺り。なんか政府と諸外国との取り決めがあるんでしょうか? ちょっとその辺りが私はよく分かってません。

 黒瀬が攻撃はバーストを悪化させるだけと言ってましたが、まあそんなところでしょうね。実際にそんなもので全てを処分できるぐらいなら、もうとっくにこの件は片付いているでしょう。そんな方法ではバーストを押さえようがないから、神崎雄哉こと由良俊英がプライマリーポイントを目指したわけで。まあ場所がアメリカだったら、とっくに核を打ち込んでるでしょう。

 で、悪魔に魂を売った伊佐津恭介はいよいよ狂気じみてきましたね。今回を見ていると由良と伊佐津という二人のマッドサイエンティスト同士の争いのようにも見える。伊佐津の行動原理は「娘を救いたい」という純粋なところから始まってましたが、マターとリンクしたことで狂気のようなものが増して、由良の能力に対する嫉妬のようなものまでが全開していました。どちらかと言えば娘を救うことよりもそっちの方が暴走していた感じ。

 由良の説明も分かったような分からないような。つまりは偶然に任せていたら膨大な時間がかかるから、橘アイコの脳をリンクさせて成長している人工生体の脳を制御したということか。だとしたら柚葉の場合は意識の存在自体が不明になっているので、この手はとれないか。伊佐津がぶち切れた理由はそこか? どうもこの作品の細かいところが私にはよく分からない。全体的に作品自体が説明不足の部分が多いんだな。正直なところ解説の池上彰さんが欲しい(笑)。

 

錯綜する各人の思いの結末は?

 アイコはマターの中で彷徨う伊佐津柚葉を目撃。彼女が「どの身体に戻れば良いの?」と言っていたことと、由良が「そういうことか」と黒瀬に柚葉と複製体のリンクを切るように指示を出したということは、つまりは多くの複製体がつながってしまったために、柚葉の意識が戻るべき場所が不明になってしまっていたということか。だとしたら、伊佐津恭介って悉くすることが裏目に出るタイプだな。

 マターとリンクした伊佐津はかなり狂気じみてましたが、後についていた女もかなり信者的になってますね。もう一人の男の方が大分どん引いていたのが伝わってきますね。この後に黒瀬が潜入してくるだろうと思いますが、彼は黒瀬に「どうか先生を止めてください」とか言いそうな気がする。

 そして行方不明の一樹はアイコ達を助けに良いところで現れます。彼はアイコに渾身の告白をしたのですが、見事に「ごめんなさい」をされてしまいます。まあ彼も一途な男です。ただ一つだけ気になったのは、彼っていくつなんだろう? アイコよりはかなり上な気がするんですが。まあ精神的に幼稚なのは事実ですが。

 手術室には無事にたどり着いたようですが、装置のあの状態で動かせるんですかね? それと雄哉こと由良は当初の考え通りにアイコを犠牲にすることが出来るのか? 明らかにそれを意識して最初から意図的に彼女と距離を置こうとしていたのですが、ここに来てそういうそぶりさえなくなってきましたからね。「橘アイコを救う」と叫んでいたのが、果たして彼にとってどっちのアイコなのか。

 

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