徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

A.I.C.O.Incarnation 第12話「再生」

強引な大団円ってところですか

 かなり強引な展開で無理矢理に大団円に持っていったという印象ですね。しかし万人が納得する結論と言えばこれしかないでしょう。

     
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 神崎雄哉こと由良俊英が大活躍です。最初はアイコのコピーをマターごと消滅させるつもりだったのを、アイコに肩入れしすぎた結果、アイコを何とか残そうという方向に進路転換。しかし正直なところ「それが出来るなら最初からそれを目指せよ!」というツッコミをせざるを得ない。

 まあ無理矢理にフォローをするなら、当初は所詮はアイコのコピーと考えていたから、バーストを終息させるのに不確定性の強い方法ではなくてなるべく確実な方法をと考えていた。しかしアイコが単なるコピーではなく、それ自体が明らかに別個の人間であるということを自覚せざるを得なくなり、感情的にアイコを消滅させることが出来なくなったので、不確定性のある方法であるが二人を共に残すことを選んだ。

 

結局は伊佐津は余計なことだけをして自爆

 で、伊佐津柚葉はリンクを切っただけであっさりと復活。結局は伊佐津恭介のやったことって「余計なことだけだった」という結論。つくづくでっかい墓穴を掘る奴だ。しかも終盤になってきたら完全に悪魔に魂を売った状態で、「娘を救う」という初期の目的から外れて由良の邪魔をするという方が先行してしまっている。強引にマターとリンクした副作用のようなもので、潜在的に持っていた由良の才能に対する嫉妬心というものがクローズアップされてしまったというところなんでしょう。

 で、伊佐津のスタッフもドン引き。ちょっと違和感のあったのは前回ではもう既に狂信者化して見えたあの女性が妙に冷静だったこと。あそこで黒瀬が乗り込んできて「柚葉と複製体のリンクを切れば柚葉の意識が戻る」と言われても、ああ素直に「はいそうですか」とは普通はならないんじゃ。そもそも極めて単純な話であり、伊佐津がそれに気づかなかったというのは、むしろ「馬鹿じゃないの?」ってレベルの話ですから。結局は柚葉は本当に道に迷っていただけということになります。しかしもう一人の男の方は前回からどん引きしている描写が多々ありましたから、黒瀬に同意するのは当然ですが、彼女に関しては唐突に宗旨替えしたように見えてしまった。この辺りはいささか不自然な感じを否定できない。

 そして悪魔に魂を売ってしまった伊佐津は、その罰として廃人状態的になってしまいました。しかしそれではあまりに柚葉が可哀想なので、脳には損傷はないし云々と、いずれは伊佐津も正気を取り戻すだろうことは匂わせてました。もっとも全てが終わった後で、彼が自分がしでかしたことを認識したら、別の意味で精神崩壊しそうだが。

 

思いがけないキャラが思いがけない活躍

 今回は今まで暴走気味だった一樹がなかなか良いところを見せました。そして彼の腕が一本作り物というのがここで伏線として有効に効きましたね。もっとも結果的にはやっぱりアイコに振られたっぽいが。

 最後で重要性を増したというのはグミ。果たしてあれはただのマスコットかモコナかといってましたが、どうやらモコナだったようです。グミがアイコの生体データを所有していたおかげでアイコの身体が再生されたって、あまりに話が出来すぎではありますが。あいつの存在は外付けUSBか?

 アイコは雄哉と共に北海道で生活してるってことですか。データなんかはハッキングで捏造したんでしょうね。雄哉は既にそれやってましたから。で、事件には全く無関係な人間として生きていくってオチですか。まあアイコが2人になってしまうというオチにした以上は、そういうような解決しかないでしょう。強引に「実は私双子だったんです」って形にするってのもないわけではないが、それだと回りが混乱しすぎる。だけどこの二人、確か身体がマターで出来ているから、普通の人間と違う能力がいろいろあるはずですよね。雄哉なんて明らかに通常人よりも身体スペック高いことを示すことが何度もあったし。なんかこの辺りを使って、その後の二人の後日談のような話も書けそう。一つ間違えると、単にオッサンが高校生の身体と女子高生の彼女をゲットしてウハウハって話になりかねんが(笑)。

 

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