徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

庶民が損をしないためのマネー戦略1 ふるさと納税の使用

生活防衛のためにはやはり金は必要

 今年、私が目標の一つとして掲げているものに「金の亡者になる」というものがある。何とも不穏当な目標に思われる方も多いと思うが、これは今まであまりに金というものに対して執着がないというか、金を稼ぐということに対して卑しい行為という価値観に縛られすぎていた自身に対する反省でもある。

 清貧とか「武士は食わねど高楊枝」と言うが、そもそも清貧の意味は「賄賂などの不法な金を手にしない」という意味であって、生活に必要な金まで否定しているわけではないし、現実は「武士も食わねば餓死をする」である。私もそろそろ老後のことが見えてきた時に、やはり金に無頓着では将来の野垂れ死にが待っているだけ(ましてやまさに庶民を野垂れ死にさせることを目指している政権の元では)ということを切実に感じるようになってきた。というわけで、嫌でも「金」というものについて考え直さざるを得なくなった次第。醜くガツガツと金を漁る気は毛頭ないが、自らの無関心・無頓着のせいで損している部分ぐらいは改める必要がありそうだというのが冒頭の「金の亡者になる」というスローガンである。世の中「知らないと損をする」という制度は多々ある。「法律は弱者の味方ではなく、それに詳しい者の味方」という言葉があり、実際にそれを悪用している悪徳弁護士などもいるというのも事実。

 

まずはふるさと納税を利用してみる

 さてその第一弾としては、今まで全く無視してきた「ふるさと納税」という制度について調べてみることにした。要はこの制度は今まで無条件に居住自治体などに納めていた住民税や所得税を他の自治体に移管するという制度である。具体的にはどこかの自治体に納税すればその額から2000円を引いた額(複数の自治体に納めた場合にはトータルから2000円を引く)が確定申告の際に控除されるという制度である。

 単にこれだけだと税金の払う先が変わるだけで、結局は税金の額が2000円増えるだけという意味不明なことになるのだが、この制度が日本中で騒がれているのは、各自治体が税金を集めるために返礼品というお礼を出していること。調べれば分かるが、牛肉やら果物やら、様々な地域の特産品が並んでいる。中には町長の感謝状なんていうような「こんなもの欲しがる者がいるのか?」と疑問になるようなものもあるが、概ね魅力的な商品が並んでいる。返礼品の金額は寄付金額の3割までというようなガイドラインも国から出ているようだが、要はザクッと言って1万円以上寄付したら、2000円以上の商品は帰ってくるというわけで、結果としては「税金で産直通販を購入できるようなもの」というシステムになっている。

 ここで一番の注意は、控除できる額の上限は収入と家族構成などから来る控除の額との差し引きで決まるので、人によってはまちまちということ。そもそも税金が免除になっているような家庭なら、当然ながら控除の余地は最初からない。毎年確定申告をしている事業者や、サラリーマンでも毎年医療費控除を申請している人などならピンとくるが、税金天引きで自らの税金について無頓着な者が多いサラリーマンにはこれを把握していないものが多いということ。だからサイトなどでザクッと上限金額をまず計算することが最初に必要。源泉徴収票があれば計算できる。年末調整を自分でやってるサラリーマンなら比較的容易だ。

www.furusato-tax.jp

 このサイトで返礼品のチョイスや限度額の計算も出来る

 

制度利用に当たっての注意点

 一番重要なのは、医療費控除も加えてふるさと納税の額を自身の納税額から控除可能な枠内に収めること。そうでないとふるさと納税額を税金から控除しきれなくなり、超過分はまるまる単なる寄付になってしまう。高額納税者が税額を圧縮する方法として寄付金控除を使うという方法はポピュラーだが、それを個人的に利用できるようにした制度とも言える。なお医療費控除は5年間可能であるらしいから、上限を超えていた場合には今年の医療費控除を来年に回すという手はある。

 なお控除額は所得税と住民税から引かれ、所得税の分は直接現金として、住民税の分は来年度の住民税の金額から控除されるという形になる。つまりは居住自治体としてはその分、自分のところの住民税が減るというわけであり、これが流出が多くなる都市部の自治体がこの制度に反対する理由でもあるが、一方で地方の自治体は「特産品などを知ってもらうチャンス」と力を入れていたりする。

 返礼品送付に前後して寄付先の自治体から寄付金受領の証明書が送られてくるのでこれが重要書類である確定申告の際にこの書類を提出する必要があるので、大切に保管しておくように。なお医療費控除の申請をしないという人の場合は、手続きを省略できるワンストップ特例制度というのもあるようである。

 

実際に返礼品を受け取ってみた

 さてふるさと納税の第一弾として、私は山形県に寄付して「多田農園のさくらんぼ紅姫」を返礼品として受け取った。到着早々、新鮮な内に家族とともに頂いたが「さくらんぼってこんなに甘くて美味かったんだ」という鮮烈な体験をして、さくらんぼというものに対する認識を改めた次第。山形交響楽団の件もあって、コロナが終息したら是非山形には行く必要があるなと感じていた思いがさらに強くなったわけで、これは山形としても戦略大成功だろう。

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多田農園の紅姫は実に美味であった

 なお今回のさくらんぼが寄付金2万円。計算によると私の枠はまだ余裕があるので、さらに北海道寿都町(現在核処分場建設でもめている自治体のようだが)に1万円を寄付していくらの醤油漬けを頂いた。到着したいくらには「ロシア産」と記載があったが(笑)、恐らく洋上買い付けで寿都町で加工したのだろう。いくらたんまりのイクラ丼を楽しめる量のパックが6パック、これがまたなかなかに美味で堪能した。これ以外にも牛肉やうなぎなどから果物や菓子類、さらには民芸品などの非食品まで返礼品は多岐にわたるので、いろいろ選択の余地はあるので、カタログギフトを選ぶつもりで選択されるのがよろしかろう。


 今回は私のマネー戦略の第一弾として「ふるさと納税」の使用を行ったわけだが、これ以外でもいろいろと勉強しているうちに、今までいかに不合理に無駄に持ち金を流出させていたかということが段々と分かってきた。その辺りの「庶民が損をしないためのマネー戦略(決して一攫千金で億万長者を目指すというものではない)」について、今後機会があれば紹介していきたい。