黒豆ソフトを頂く
篠山城を後にするとその手前の大正ロマン館なる土産物屋に入店する。内部は三密そのままに観光客が密集している。ここで黒豆ソフトを頂く。行列が出来ていて結構待たされることに。ソフト自体はなかなかに香ばしい上にミルクが濃くて美味い。
ソフトを舐め舐め市街に繰り出すが、とにかく異常に人が多いのには閉口する。人が歩道からはみ出してしまっているから車が走れなくて立ち往生している。ここまで混雑しているなら、いっそのこと中央部は通行規制して車の通りを禁止した方が良いような気がするのだが、そうしたらもしかしたら迂回路はないのだろうか?
やはり昼食はぼたん鍋か
そろそろ正午が近づいてきていた。やはり昼食となるとここはぼたん鍋でないと嘘というものである。まだ若干昼時には早めだが、正午を過ぎると絶対に混むのが必至であることから、早めに店を定めることにする。立ち寄ったのは「ぼたん亭」。巨大なイノシシの看板があることで有名なぼたん鍋の専門店である。ただし現在はイノシシの看板は工事中の模様。
私が立ち寄った時点では待ち客は私を加えて3組だったのだが、ぼたん鍋という性質上客の回転が速いとは言えないので30分弱程度待たされることになる。私が待っている間にも次々と客が名簿に書き込んで行っており、「先んずれば人を制す」という言葉を実感する次第。
ようやく入店できたところでぼたん鍋を注文。ぼたん鍋には肉のランクで3種あり、安い方から特上カルビぼたん鍋、ミックス肉ぼたん鍋、特上ロース肉ぼたん鍋とある。典型的な日本人である私は真ん中のミックスを選ぶことに。
しばらくすると味噌の入った鍋と肉や野菜の入った皿が運ばれてくる。野菜類を全部鍋にぶち込んで蓋をして煮ることしばし。その間は当てで出て来ているショウガあさりと黒豆でマッタリ。これが実は意外に美味い。
やがて鍋が煮えてくると蓋が外されるので、後は肉を入れて煮ながら食べるだけ。栗入り味噌という鍋はかなり濃厚な味わい。肉はカルビとロースの2種があり、やはりタップリと脂の付いたロース肉の方が美味い。
ただやはりいささか私には味が濃いというのが否定できない。栗入り味噌はコッテリしすぎである程度食べているうちに胸がつかえてくるところがある。やっぱりぼたん鍋は数年前に食べた(どこの店かは忘れたのだが)白味噌仕立てのものが至高であった。
締めはうどん付きなのであるが、野菜類がタップリあったのと、既に味の濃さで嫌気がさし始めていたことからうどんは半分ぐらいしか食べず。うーん、やっぱりぼたん鍋というのも好みが分かれるところだ。ここの店は決して不味いわけではないが、どうも私の好みとは若干ズレる。というか、私も年のせいか濃いめのコッテリした味付けが苦手になりつつある。
歴史美術館に立ち寄る
昼食を終えると大混雑の市街をプラプラ。市街を抜けたところに歴史美術館があるのでこれを見学。実は篠山城大書院で市内の4施設のセット入場券を購入しており、ここがその内の一カ所。歴史を感じる建物だが、かつての地方裁判所だったらしい。内部ではこの地に纏わる考古展示及び歴史展示の企画展がなされていたが、内容自体はどこにでも良くあるようなもので特段の興味は湧かず。なお内部にはかつての裁判所の施設がそのまま残っており、そこで検事役、弁護人役、裁判官役などに分かれて裁判ごっこが出来る台本まで用意されていた。ザッと目を通したところ、判決は各々が考えろとのこと。私の判決としては、物証にやや弱い点があるが、状況証拠その他から判断して被告の犯行と断定するに十分であり、被告は有罪であるというところ。
春日神社の能楽殿は重要文化財
再びプラプラと市街の中心に戻る途中で、春日神社を見かけたので寄り道。そもそもこの神社は篠山城を築くことになった丘の上にあったらしい。しかし篠山城建設に当たって移転したとのこと。境内には能楽殿があるが、これが国の重要文化財とのことである。ただ何やら行事を行っていた模様なのでザッと見学しただけで参拝はせず。
青山歴史村に立ち寄る
セット券を購入しているのでその3つ目の施設である青山歴史村を見学することにする。歴史村は篠山城の近く。篠山藩主だった青山家の別邸と長屋門などを移築したものだという。内部には青山家ゆかりの品の展示などがあるが、デンカショ館なる建物もあり、デカンショ節のゆかりなどを映像などで展示してある。
重伝建の御徒士町武家屋敷街を散策
歴史村の次は篠山城の西にある武家屋敷街を見学。ここは重伝建に指定されている。確かかなり以前に訪問したことはあるはずなのだが、見事なほどに全く覚えていない。街路の奇妙なところに水路が通っているのだが、これは防火のために後で街路幅を広げたためにこういう構造になったとのこと。
武家屋敷街の中の一軒である安間家が資料館として公開されており、セット券の最後の1軒はそこ。典型的な武家屋敷である。庭に水琴窟などという凝った仕掛けがあることから、そこそこの地位の家臣の屋敷だったのだろう。
篠山城南部を見学してから移動する
武家屋敷街を回り終えると南馬出を見学してから、南から三の丸の駐車場のところに戻ってくる。東の方にかつての商家街が残っているというが、歩いて行くには疲れ切っている今では結構きつい距離がある。向こうにも駐車場があるようなので、車で移動することにする。
河原町の商家群を見学する
しかし現地に着いてみると駐車場に空きがなく、しばし回りを何度かウロウロする羽目になる。そして2回りほどしてから戻ってきた時にようやく駐車場に空きが出来ていたので車を置いて見学することに。
商家街らしい土蔵造りの建物がいくつか並んでいる。ただ現在のところ営業している店はあまりなく、人通りもあまりないために活気がないのが気になるところ。街並み保存地区の中でも旧商家街は店舗などの営業でそれなりの活気のあるところもあるのだが、どうも観光客は城の北側にとられてしまっているようで、ここまで回ってくる観光客はあまりないのだろう。街並み保存地区としての将来性はあまり明るくなさそうである。
これで丹波篠山の見学は終了。帰宅することにする。しかしここで予想外のトラブルが待っていた。舞鶴道の丹波篠山口ICを目指して車を走らせたところ、途中で大渋滞で全く車が動かなくなってしまった。事故渋滞なのか自然渋滞なのかが定かではないのだが、とにかく車が全く動いていない。本来なら途中で離脱したいところなのだが、もう既にガソリンが乏しく、ガソリンスタンドは前方にしか存在しないために待たざるを得ない。
結局は普通に走れば2分もかからない距離を1時間かかってガソリンスタンドにたどり着く羽目に。しかしガソリンを入れてスタンドから出ようとしても、目の前の道が全く動いていないので合流が不可。諦めて全く正反対の方向に車を走らせることにする。これは篠山入口が混雑しているのか? しかしネットを調べても舞鶴道渋滞の情報はない。もう諦めて、一旦篠山の中心街に戻ってから、そこから国道372号に大きく迂回する。これは次の入口である三田西まで下道を走る必要があるかもしれないことを想定してのルートである。しかし途中で舞鶴道の下を潜る時に舞鶴道を見れば車は普通に流れている。どうやら入口手前かその辺りだけがつかえている模様。そこで一か八かで篠山入口に西側から回り込んでみる。すると案に反してすんなりと高速に乗ることが出来てしまった。一体あの大渋滞は何だったんだろうか?
結局はその謎の渋滞のせいで1時間以上を浪費する羽目になり、クタクタに疲労した状態で予定よりもはるかに遅い時間に帰り着くことになってしまったのである。篠山市街を歩き回ったのも結構キツかったが、最後の大渋滞で体力のみならず精神まで削られ尽くしてしまって、結局は当初の息抜きという目論見の正反対の結果と相成ってしまったのである。