今日は尾高忠明指揮で大フィルのチャイコチクルスの第1回を聞きに行く・・・と言っても実はこの公演、そもそもは5月に予定されていたのがコロナの影響で今日に振替になったという次第。そのために8月にあった第2回の方が先になってしまったというややマヌケなことになっている。
仕事を終えるとそのまま職場から車で大阪まで直行する。大阪に到着するまで何度か夕方の渋滞に巻き込まれて、駐車場に到着した時には予定時刻のギリギリになっていた。かなり余裕を持って出発したつもりだったが、やはり車は時間が読めない。
夕食にラーメンを摂ってからホールへ
とりあえず夕食として何か食べたいということでフェスティバルホール地下のラーメン屋「而今」に入店、「特製にぼし醤油ラーメン(1000円)」を注文。
スープは非常に煮干しの味が強いが決して嫌みではない。麺とも良くマッチしていてトータルとして考えるとまずまず美味いラーメンである。もっとも場所柄仕方ないことではあるが、ラーメン1杯1000円は壮絶にCPが悪い。
あまりボリュームのあるラーメンではないので、これでは腹が少々心許なかったこともあり、ファミマでおにぎりを買い込んでからホールへ。大フィルでは前回の定期演奏会から座席を通常に戻しているので、5月のチケットをそのまま利用することになる。チケットの販売開始時期がコロナのまっ最中と衝突していた影響か、場内の入りは4~5割程度でかなり空席が目立つ。だから皆、自然に適当にソーシャルディスタンスをとることに。
大阪フィルハーモニー交響楽団 チャイコフスキー・チクルス(Ⅰ)
指揮/尾高忠明
曲目/チャイコフスキー/交響曲 第1番 ト短調 作品13「冬の日の幻想」
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
相変わらず尾高の指揮は年齢を考えるとかなりエネルギッシュである。ダイナミックレンジの広いメリハリの強い演奏をしてきた。またところどころに細かい仕掛けが散見されたが、大フィルもそれに追随していた(残念ながら一糸乱れずとはいかなかったが)。
尾高の演奏は基本的には激しい両端楽章は派手にギラギラと鳴らさせ、間の緩徐楽章ではゆったりとメロディを謳わせるという形での変化を付けて聞かせる演奏となっている。もっとも交響曲第1番において、リズムを刻むような独特のアクセントを加えての演奏は、いささかギクシャクして聞こえて、これは少々疑問であった。最終楽章は基本的に乱痴気騒ぎなんだが、その騒ぎの最中に時々蹴躓く印象を受ける箇所があった。
第4番についてはオケも慣れている曲なので演奏の安定度は高い。ただしかなりバリバリと金管を鳴らしている割には地味な演奏という印象を受けた。随所に細かい変化などを付けていたが、正直なところそれが正解かどうかはやや疑問。全体的にもっと音楽をノリで押していった方がスムーズなのではないかというのが私の考え。
正直なところ、これという特別な印象の薄い演奏だったという感がある。決して悪い演奏ではなかったし、それなりに熱演ではあったのだが、なぜか私には今ひとつピンとこなかったのが本音。
昨年ぐらいからチャイコの交響曲第1番というマイナー曲を何度か聴くことになったが、やっぱりさすがにポリャンスキー/九州交響楽団の演奏が至高だったという印象で、その後に聴いたものでそれを越えたものは出ていない。
ちなみに今日の公演、カメラが入って撮影していたようなので、いずれはカーテンコールかどこかで配信があるのではないかと思われる。
なお第3回は11月にあるのだが、残念ながらその日は京都市響ともろにダブルブッキングになっているので聴きに行けない。悲愴はともかくとして、第3番は生で聴ける機会なんてほとんどない曲だから聴きたくはあったのだが。