徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

大分に飛び、美術館見学後、昼食は別府名物(?)ボルシチを頂く

大阪空港から早朝便で大分空港へ飛ぶ

 翌朝は大阪空港7時半のANA大分便でのフライトなので早朝5時過ぎの起床となる。寝過ごし厳禁と気を張り詰めていたせいか、何度か中途覚醒(その度に時計をチェックしている)したせいでやや寝不足気味である。我ながらどうも神経が繊細に過ぎる。

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朝のリフテル

 6時前にはホテルをチェックアウトすると、まずは車を近くの駐車場に置きに行く。そのための駐車場はアキッパで確保済み。路地の奥のややアクセスの悪い駐車場で、駐車枠は車幅一杯である。とりあえず車を置くと空港まで20分弱、キャリーを引っ張りながらゴロゴロと移動。空港までなら10分ちょっとだが、そこからANAのカウンターのある南ターミナルまでが遠い。

 搭乗手続きカウンターは既に大勢の客が並んでいてしばし待たされる。私は今回は初めてパックツアーを使用したので(会社がくれたポイントがパックツアーでしか使用できないという使い勝手の悪いものであるため)、いつもと勝手が違って戸惑ったのであるが、実は搭乗手続きはカウンター以外でも出来た模様であった。帰りにはそれを検討しよう。

 

IBEXの小型ジェットで大分へ

 大分便はIBEXの小型ジェット。三菱が参入を目指していたが頓挫してしまった領域である。内部は激狭。飛行機というのは狭いものだが、両側2列シートなので、737などに比してさらに圧迫感が強い。これは閉所恐怖症ならツラいものがありそうである。まあ前世がハムスターの私は狭いところには恐怖感はないが。

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IBEXの小型ジェット機

 この狭い機内に搭乗率は100%に近い。これはGoToの影響だろうか。しかし人のことを偉そうに言える立場ではないが、日本人は危機感がなさ過ぎのような気がするので、二次爆発が気になるところ。今までは政府の無策も謎のファクターXによってフォローされていたが、今後ウイルスタイプなどが変わってきたら、そのファクターXが有効かは分からない。ましてや無理矢理オリンピックなどを開催しようとすれば、欧米の強毒型ウイルスが侵入する可能性もある。

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内部はかなり狭い

 パックのために座席指定はツアー会社に任せたので飛行機の席は窓側という普段の私なら絶対に指定しない場所になっている。正直なところ高所恐怖症の発症がないか心配だったが、ボンバルディアのプロペラ機でなくてジェット機であるのが幸いして恐怖感はなかった。どうもジェット機の高度1万メートルはあまりに現実離れしていてかえって恐怖が湧かない。プロペラ機の高度3000メートルぐらいの方がずっと嫌である。さらに言えば50メートルぐらいのビルが実は一番怖いかもしれない。

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眼下に見えるは六甲アイランド

 機内では時折窓の外を観察しながらずっとこの原稿入力。例によって全力で遊びに打ち込んでいる私の姿は、横から見ると完璧に24時間戦い続けているジャパニーズビジネスマンに見えるらしい。いろいろと生き方を間違えてしまった。

 大分まではそう距離がないのでジェット機だとすぐに到着する。到着した大分はやや暖かい。寒くなる可能性も考えて薄手のダウンジャケットを用意してきたのだが、どうもそれは過剰装備のようだ。

 

今まで乗ったことがない「高級車」が貸し出された

 ここからはレンタカーでの移動となるので、スカイレンタカーを手配済み。営業所から来た送迎車に飛び乗ると空港前営業所へ。貸し出されたのはスバルのインプレッサ。私はコンパクトカークラスを申し込んだはずだから、明らかにアップグレードされている。もっとも山道を走るつもりでいる時なんかは、こういうアップグレードは有難迷惑になることもあるのだが。まあ今回はそもそも山道は走るつもりはなく、その代わりに長距離走行があるのでまあこのアップグレードはありがたいところ。どうも漏れ聞こえてきた話によると、このGotoでとにかくレンタカーの申し込みが多く、しかも日頃レンタカーなんか使ったことのない者が突然にレンタカーを運転するものだから、とにかく事故が多くて車が足らないのだとか。車両選択お任せのフリープランで申し込んだ若い女性が箱バンをあてがわれて絶句していた。

 とりあえずは大分を目指すことにする。今日の宿泊予定は別府だが、まず大分の方から予定をこなしておく。インプレッサは快調に突っ走るが、普段は最低限の装備しかないノートやヴィッツばかり運転している私は、インプレッサはいろいろと謎ボタンが多すぎて操作が分からない。いろいろ試してみたが、結局はよくわからないボタンが半分方。さすがにDシフトだけでなくMシフトがあって、自分でギア比選択できるようになっているのには驚いた。これを使い切れれば、山岳のワインディング道路をスポーティーに乗りこなすなんて芸当ができるんだろうが、当然ながら私にはそんな技術は皆目ない。せいぜいが急な下り坂でエンジンブレーキを効かせる時に操作するぐらい。

 大分には1時間かからずに到着する。まず最初に立ち寄ったのは最近(と言っても既に数年が経過しているが)オープンした美術館。

 

「生誕110年 宇治山哲平にみる「やまとごころ」」大分県立美術館で11/29まで

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 日田出身の洋画家・宇治山哲平の展覧会。宇治山は当初は版画家を目指していたらしいが、出展作があまりにひどい扱いであることに愕然として、版画は一生を賭けるに値しないと判断して洋画に転じたという。

 当初は版画をしていたこともあるのか、かなり具象性のハッキリした絵画であったが、そこから段々と形態のデフォルメなどのこだわりが出てきて、そのうちに完全に中小の世界に入ってしまったという面白い経歴をたどっている。

 元々具象から始まっているだけあって、当初の作品は抽象的であってもどこかそもそもの具象性を残しているのが分かる。表題にある「やまとごころ」辺りになると、完全に精神的なイメージであるので純粋な抽象の世界になっている。

 彼の作品はどうも形態に対するこだわりがあるのか、抽象と言いながらも単にグチャグチャに描くのでなく、整然と円や正方形を配置するデザイン的なところがあり、それが親しみやすく分かりやすい印象につながる。表題作もどの辺りがやまとごごろなのかは私の理解を超えていたが、作品自体には奇妙な親しみを感じたのは事実。


 なおロビーで芸大ストリングスによるサロンコンサートが開催されており、ついでだからそれを拝聴した。演奏にややぎこちなさを感じるところもあったが、こういういかにも「生の楽器」の音を聴けるシチュエーションも悪くないなと思った次第。今まで大ホールでのオケもの中心でばかり聴いていた私だが、室内楽などにはまたそれはそれで違った魅力があることを感じた。

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芸大ストリングスによる生演奏

 

府内城は立ち入り禁止だった

 美術館を見学した後は、この近くにある府内城を見学・・・しようと思ったのだが、何やら工事が行われている模様で内部には入れず。仕方ないので周りを一周してから次の目的地を目指すことにする。次は山の上にある美術館。

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府内城には入れず

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車で周りを回っただけ

 

「美を競う 肉筆浮世絵の世界」大分市美術館で11/23まで

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 宗教系美術館である光ミュージアムが所蔵する肉筆浮世絵を大量展示。

 肉筆浮世絵は大量生産される浮世絵版画と違い、一点ものなので現存作品が少なく貴重であるが、絵師の細かい色使いやタッチを見ることができる貴重な資料でもある。

 本展展示作は必ずしも有名な絵師の作品ではないが、それらの絵師の弟子筋などの作品である。例えば北斎の弟子の作品なんかがズラッと並んでいるが、当時からかなり斬新な絵画に取り組んでいた北斎の影響を受けて、弟子たちの作品もいわゆる普通の浮世絵とは光の表現が異なっていたりなど一癖あるのが分かる。

 諸々の展示があった中で私の目に留まったのは、ハルカスでの「奇才」展でその独特の画風が印象に残っていた祇園井特の作品。独特のデロリとしたリアリティがあるのであるが、本展展示作でもその異様なリアリティは際立っていた。

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この美術館は眺望は抜群です

 

別府の馬家溝で久しぶりに絶品のボルシチを頂く

 市立美術館を見学したところで大分で想定していた予定は終了した。この後は別府に戻って昼食を摂りたい。今回のプランを立てた時点で何はともあれ今日の昼食は決定している。別府名物(と個人的に認定している)ボルシチを食いたい。というわけで1年以上ぶりぐらいで「馬家溝」に直行する。いつも待たされることが多い店だが、今回は駐車場は一杯で遠くの駐車場に停めに行く羽目になったが、幸いにして席は空いていた。とりあえず毎度のお決まりの「ボルシチ」「自家製タンサンド」を注文。さらに季節デザートらしき「栗ババロア」を注文する。

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別府の馬家溝

 この店の難点はとにかく待ち時間が長いこと。かなり待たされてようやくボルシチとタンサンドに対面する。熱々のボルシチは熱すぎて猫舌の私にはすぐには食べられないぐらい。キャベツの味とトマトの酸味が絶妙。ああ、この味だよなとまさに幸せ気分。時々強烈にこれが食べたくなって、そのたびに別府に行きたくなってしまうのである。

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熱々のボルシチ

 ボルシチで酸味を刺激された後はタンサンドの塩味が心地よい。柔らかい自家製スモークタンとキュウリなどの野菜類の取り合わせが絶妙。とにかくキュウリは大嫌いの私が美味しく食べられるのだからすごい。ここのタンサンドは、同じくトマトも大嫌いの私がなぜか東洋亭のトマトサラダ(という名の丸ごとトマト)が食べられるのと並んでの大きな謎である。

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自家製タンサンド

 料理を食べ終わると、かなり待たされてからようやく栗ババロアが出てくる。これが栗のペーストが入った絶妙の美味さ。栗好きの私にはたまらない味である。私はババロア好きで栗好きなので最強の取り合わせ。柔らかめのムースが実に栗の味に合う。

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絶品の栗ババロア

 こうして満足度200パーセントの昼食を終えた。これで3000円でおつりがくるのだから決して高いとは感じない。こうして「やっぱり別府名物はボルシチだよな」と再確認したのである。