将軍は暴走、光秀の立ち位置も破綻寸前
うーん、義昭が馬鹿殿の上にヒステリー症状まで出て来ていよいよ暴走中。迷いって言うか、自分自身でも言っていたように優柔不断なんだな。一方の光秀は良い人を通しすぎた八方美人が祟ってもろに破綻寸前って雰囲気になってきた。
積極的に「あんなとんでも組織なんてやっちまえ」と信長に比叡山焼き討ちをけしかけた光秀なのだが、実際に戦になると信長のあまりにもえげつないやり方に光秀の方がトラウマレベルの精神的ダメージ。一方の厨二信長は「だって帝がほめてくれるんだ」と完全に有頂天。とことん碇シンジ路線を突っ走ってます。いよいよ狂気が滲んできてアンコントロールになりつつある。松永久秀も「正直なところついていきかねる」ということを滲ませており、後の謀反の伏線を張っている。
おっとりと構えているように見えて、実はかなりの曲者という玉三郎の帝は、何やら信長を上手く誘導して利用しようという意図が垣間見える。「褒めて欲しそうだったから、褒めてやった。」とさり気に信長はコントロールしやすいということを匂わせている。どうも何やら企んでいる模様。その帝が今度は光秀と密かに面会するということだから、この作品は最終的には本能寺朝廷黒幕説なんだろうか?
そしてついには光秀暗殺未遂事件発生。光秀は鉄砲の腕に関しては秀でていたという話はあるのですが、剣の腕の方は定かではない。しかし本作の光秀は若い頃から剣豪レベルで剣を使うんですよね。細川藤孝とは剣と剣でマブダチになったわけだし、松永久秀の危機も大乱闘で救っていたりする。で、今回は久しぶりに剣を振り回していた。
一応の危機を脱した光秀だが、将軍は信長と決裂直前
危機一髪で将軍の下に逃げ込んで、将軍に「かつてはあんなに二人で夢を語り合ったのに・・・」というバターンで口説いて、結局は逆に摂津を排除することに成功する。これでついに化け物退場のようです。しかし時既におそし、義昭はハッキリと「だって信長のことが嫌いだもん。馬が合わないのよ。」と明言してしまって決裂はほぼ確定。
将軍は光秀のことが信用できないと不審感を持ったようだが、しかし光秀の信長べったりの行動を見てたら仕方ないわな。越前攻めの時でも幕府の面々は静観だったのに、光秀はホイホイと信長に付いていったし、今回の叡山攻めでも実際は光秀がけしかけたみたいなものなんだから。その挙げ句に信長から志賀をもらっているわけだから、こりゃ完全に信長に付いたと見られるのはある種当然ではある。
次回はいよいよ義昭がヒステリーを起こして打倒信長を決意してしまって、光秀は行きかがり上、義昭と決別せざるを得なくなるんだろうな。だけど信長で本当に大丈夫なのかという不審感も今回の叡山焼き討ちをきっかけに持っている。この辺りが違和感として段々と大きくなって、本能寺の変につながるというストーリー設計なんだろうな。
それにしてもさすがに下品なおばさんぶりが炸裂していた秀吉のオカンとか、相変わらずどことなく信用できない曲者っぷりが半端ない秀吉本人とか。どことなく光秀と秀吉の相性の悪さのようなものも今のうちから漂わせている。この辺りも最終的には伏線として大きく働くんだろうな。