徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

ゲルギエフとミュンヘンフィルでブラームスの二重協奏曲と交響曲第3番

遠征を断念した日曜は大人しく部屋でネット視聴

 ミュンヘンフィルが以前からライブ配信を行っているが、現在はゲルギエフ指揮のブラームスの演奏を無料配信している。期間は一週間で1/30までとのことなので早速聴きに行ってみた。

www.mphil.de

 それにしても最近はブラウザーが勝手に翻訳してくれるおかげで非常に助かる。私はそもそも外国語に関しては非常に不自由な人間で、ドイツ語はおろか英語でさえもスラスラと読むということは到底出来ないのだが、勝手にブラウザが日本語っぽいもの(場合によっては内容がかなり怪しい時もあるが)に翻訳してくれるので、おおよその意味は流し読みで取れるのは非常に大きい。もっともベルリンフィルのように最初から向こうで日本語サイトを用意していて暮れるに越したことはないが。

  なお本来は今日は私は京都市響の定期演奏会に出向くつもりであったのだが、現在のコロナの感染拡大状況、さらには現在の私の体調(コロナの症状には該当しないが、日頃の心身の疲労からくる持病の悪化等の不調)を鑑みて、京都までの長距離移動を断念した次第(車で行くのは体力に自信がなかったし、鉄道は危険性が高いので避けたい)。私は石原伸晃のような上級国民ではないので、万一感染しても入院もさせてもらえず野垂れ死にされられるのは間違いない。というわけで今日は大人しく室内で過ごすことにした次第。正直なところ高村のショスタコは興味はあったのであるが・・・。というわけでチケット代は京都市響へのお布施。

 

ミュンヘンフィルライブ配信

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン)
ゴーティエ・カプソン(チェロ)

ブラームス ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲
      交響曲第3番

 冒頭からいきなりやや哀愁を帯びたカプソンのチェロの音色がなかなかに聴かせてくれる。曲調も相まってなかなかに甘美な演奏。ゲルギーの一つ間違えばそこらのホームレスに見えかねないくたびれた外観と、無精ひげを生やしたやはりむさい外観のカヴァコスというビジュアル面の問題(笑)さえ除けば、メロドラマ的な甘美な世界が繰り広げられる。二人のソロだけでなく、背後のオケも含めて実に優美な演奏であり、この辺りはいわゆるゲルギー節の真骨頂。もっともこの曲は単に甘美なだけでなく、緊張感もいささか欲しい気もしないではない。特に最終楽章などは。

 交響曲第3番については、予想通りというか予想以上に美しいメロドラマで来た。特に有名な第3楽章など冒頭からメロメロである。やや抑えめのテンポでしっとりゆったりと哀愁タップリである。そしてその空気のまま最終楽章に突入。しっとりドッシリと壮大なメロドラマのフィナーレを飾るというところ。ミュンヘンフィルの音色もなかなかに厚い。非常に壮大な美しい世界で一編の終了と相成ったのである。

 例によってのゲルギー節の全開運転である。以前に来日時に私が聴いた時よりもオケとゲルギーのツーカー感がかなり増している印象。緊張感はやや欠けるがとにかく美しいというゲルギーの演奏に特化してきた感がある。もっとも私の見立てでは、ミュンヘンフィルは本質的にはもっとバリバリ鳴らしてくるオケだと思っているのだが。