徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団でフランソワ=グザヴィエ・ロトによる「英雄」

オランダも大雪が降っている模様です

 今週の配信は予定ではドゥダメル指揮でマーラーの交響曲第4番だったが、オランダの大雪でドゥダメル及びソプラノのカミラ・ディリングがオランダを訪問することが出来ず、収録が不可能になったとのこと。そこで急遽プログラムが差し替えになったとか。昨年の8月に収録されたフランソワ=グザヴィエ・ロトによる「英雄」が配信されることになっている。

www.concertgebouworkest.nl

 日本でも北海道を中心に大雪だが、どうやらアメリカやヨーロッパでも同様の現象が起こっている模様。なおこのような突然の寒波の襲来も地球温暖化に伴う気候の不安定化の一環と考えられるのだが、トランプのような科学に反した考えしか持てない愚か者は、逆に地球温暖化がデマである証拠などと考えるんだろうな・・・。

 

ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団ビデオ配信(2020.8月収録)

指揮:フランソワ=グザヴィエ・ロト

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」

 何か冒頭からいきなり独特のリズムを刻む演奏に面食らう。こういう弾むような英雄は初めてである。どうやらリズムの刻みとアクセントの置き方に個性があるようだ。

 私はロトの演奏は6年ほど前に読響の大阪公演で耳にしているのだが、その時は読響の演奏のまとまりが今ひとつだったせいもあって演奏自体にはあまり良い印象が残っておらず、喝采に対して「ホンマ・オオキニ」と関西弁で答えたロトのサービス精神だけが印象に残ったようである。今回の英雄を聴く限りでは、かなり独特の演奏をしたせいで読響がついて行けてなかった可能性もある。

 振幅が大きくて一ひねり加えたなかなかにクセのある演奏である。随所に独自の味付けがあり「こういうのは初めて聴いたな」という感が強い。第一楽章で現れた弾むような独特のリズムは最終楽章でも現れ、それにかなり早めのテンポ設定も相まってかなり独自の躍動感となっている。その一方で突然にストンと落としてきたりなど、とにかく仕掛けが満載である。かなり表情豊かな英雄と言える。ユーモア溢れるというのか、ウィットに富むと言うべきか。この辺りはフランス人気質なんだろうか。いわゆるドイツコテコテの英雄とは一線を画している。