徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

1年延期された4オケ祭に出かける

1年遅れて4オケ祭開催

 関西名物4オケの公演であるが、昨年は4月に開催予定だったものがもろにコロナの影響を受けて、一気に1年延期されてしまった。しかも延期日程が平日ということでキャンセルも考えたのだが、結局は休みを取って行くことにした次第。

 4オケ公演は実は私は行くのが初めて。今回は昨年がベートーヴェン生誕250年だったことがあってベートーヴェンの交響曲第3,5,6,7番を一気にやろうという企画になっている。

 家を午前中に出ると例によって車で大阪へ。昼前に大阪に到着すると車は確保済みの駐車場へ。まずは昼食を取る必要がある。いつもならここに来るのは夜遅くか週末なので町は閑散としているが、今日は平日の昼間なのでサラリーマンの姿が多い。

f:id:ksagi:20210303224922j:plain

フェスティバルホール界隈はビジネス街

 

サラリーマンの町での昼食

 食事を取る店であるが、そこらをプラプラして探すことにする。普段なら週末とかなのでこの界隈はほとんどの店が閉まっていて選択の余地がほとんどないが、今日は普通にサラリーマンが昼食を摂るための店が開いている。この街の飲食店は昼食のプロ達が厳選した店であるはず。CPの悪い店などは既に淘汰されているだろうから、どこを選んでも大ハズシはないだろうと推測して適当に店を選択する。

f:id:ksagi:20210303225220j:plain

魚蔵

 入店したのは「魚蔵」日替わりの松花堂(850円)を注文。

f:id:ksagi:20210303225426j:plain

日替わり松花堂

 メニューは魚揚げと鳥のピリ辛煮に小松菜の卵和えと刺身。驚いたのは小松菜が美味い。私は小松菜は苦味があるから苦手なのだが、この料理は美味い。後の料理も味的に問題なし。これで850円とはCPが良い。流石に昼食のプロ達に淘汰されてきた店は違うと感じた次第。

 

 満足して昼食を終えると、コンサートが始まる前に向かいの美術館に立ち寄る。

 

「源氏物語の絵画」中之島香雪美術館で3/14まで

f:id:ksagi:20210303225722j:plain

 平安時代の人気昼メロ源氏物語だが、ベストセラーらしく多くの写本が作られた。またラノベよろしくコミック化ならぬ絵画化された「源氏絵」というジャンルも登場している。香雪美術館が所蔵するこの手の源氏絵を展示しようという展覧会が本展。

 いかにも王朝絵巻らしき煌びやかで雅な画面であるのが特徴的だ。こういうのが当時の読者達の想像力をかき立てたことだろうと思われる。

 なお中には土佐光信が手がけたものもあり、併せて展示されている。のだが、どうも私はこの手の絵画には今ひとつ疎いせいで特徴とかそういうものが良く分からない(端的に言うと全部同じに見える)。というわけで、「雅だなぁ」という感想以外は特に湧かないという体たらくだったのである。

 

 美術館を回り終えたところで既に開場時刻となっているのでホールに向かう。それにしても4オケ祭は大人気なのか、フェスティバルホール内は観客で一杯。1階だけを見たところ8割以上の席が埋まっているようである。ロビーなども人が溢れており、本当にこれで密が大丈夫なのかには若干の不安がある。

f:id:ksagi:20210303230057j:plain

ロビーは人で一杯

 

第58回大阪国際フェスティバル2020 4オケの4大シンフォニー2020

 在阪4オケがベートーヴェンの交響曲を1曲ずつ演奏するという企画である。最初の大阪フィルはトラも加えての16編成という巨大編成で「英雄」を。

f:id:ksagi:20210303225758j:plain

16編成のステージ

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」

指揮:井上道義
大阪フィルハーモニー交響楽団

 初っ端から井上道義が絶好調である。派手な身振りでのいささかわざとらしく見える指揮はキレキレである。演奏はややスローテンポでありながら、極めてメリハリが強いものである。16編成のパワーを活かして大音響で爆演をしたかと思うと、そこからストンと落とす。非常にダイナミックで聴き応えのあるもの。大阪フィルもなかなかにテンションを保って頑張っていた。

 

 大フィルの次はこれもトラを加えて14編成にした関西フィルである。当初はデュメイが指揮の予定だったが、来日不可になったことから指揮は藤岡幸夫。

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

指揮:藤岡幸夫
関西フィルハーモニー管弦楽団

 さすがに先ほどの井上の熱演の煽りを受けたのか、藤岡も初っ端から気合いが入りまくりである。冒頭から力強く振り下ろす藤岡に答えて、関西フィルもパシッと決める。

 ややテンポを抑え気味だった井上に対して、藤岡はやや煽り気味。特に第一楽章なんかは怒濤の進行を行ったが、関西フィルも藤岡の熱い指揮に十二分に応えた気合いの入った演奏になっていた。久しぶりにかなり熱い関西フィルを耳にしたという印象である。

 

 ここで休憩。休憩の間にステージは次のセンチュリーに合わせて10編成の小規模構成に変更になっている。なお飯森はホルンやトランペットなどを第3楽章の途中で入場させるという変則を行ったのだが、これは井上の入れ知恵とか。

f:id:ksagi:20210303225849j:plain

10編成に縮小

 

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」

指揮:飯森範親
日本センチュリー交響楽団

 いきなり暴走気味に始まった先の二人と違い、飯森は曲調もあってやや冷静。確実に音楽を描いていくスタンスで、今までで一番音楽性の高い指揮を行った。途中で効果を考えた仕掛けも用意していたようである。

 もっとも問題なのはセンチュリーの今一歩のアンサンブルの弱さ。小編成オケで臨んだのだからその特長を活かして室内オケ的な端正な音色を出せれば良かったのだが、残念ながらアンサンブルの精度がそこまで高くないのでやや甘めの演奏となる。その結果として、やや中途半端感がつきまとったのは事実。

 

 大トリはベテラン外山雄三が登場しての大阪交響楽団の演奏である。

ベートーヴェン 交響曲第7番

指揮:外山雄三
大阪交響楽団

 外山の指揮はややテンポを抑え目の確実な安全運転という印象。ただやはり問題は大阪交響楽団の技倆。どうしても弦がばらけるので音色が濁るし、管楽器は不安定さが露呈する。そのためにここ一番でパシッと格好良く決められない。

 こうして聞いていると外山の抑え目の安全運転も、オケの演奏を崩壊させないためではないかという気がしてくる。残念ながら今ひとつ冴えのないベートーヴェンとなってしまった。


 最後は指揮者4人が登場して、各オケの公演のペアチケットが当たる抽選が行われたのだが、なぜか当選者の半数以上がボックス席からばかり出てしまって会場内が「?」になったというオチが付いてしまった。