徒然草枕

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青天を衝け 第4話「栄一、怒る」

何か冒頭から気が抜けるんだな・・・

 うーん、まだやってるんですね。北大路欣也の無駄遣い。あの「こんばんは、徳川家康です」ってのは一回こっきりのネタでこそ生きる手なんですが・・・。毎回毎回やられたらマヌケでしらけます。そもそも徳川家康が幕末の紹介する意味が不明ですし。私が作るなら、吉幾三がやっていた将軍の役を北大路欣也にして、もう少し出番を増やして強い印象を残してから(慶喜の器量を見込んで後を託したという形にする)、その後に解説に起用します。「私は不本意にも途中でこの世を去ってしまったのですが、その後の幕府は大変なことになっていました・・・」ってな調子で。ハッキリ言ってあの全くメリハリのない見せ場皆無のOPといい、この家康による解説といい、初っ端から肩が落ちそうになるんです。

 

商売に励む栄一は世の中の不条理に直面する

 さて本編の方ですが、さらに商売に精を出している栄一を描いています。巧みに農家同士の競争心を煽って藍の品質を上げるという方法を行っているようです。この辺りは天性の商売人の素質を感じさせるところです。親父さんよりも商売の才能はありそうです。封建時代の一農民でありながら、自由主義経済に素早く対応できそうな素質を感じさせるところです。

 で、その栄一が世の中の矛盾に直面するのが今回。最初から「能力もないのに威張りくさっているだけの典型的な嫌な奴」である領主がまたも偉そうに莫大な金を要求してきます。実際は農民に金をたかっている立場のくせに、何を偉そうに上から要求するんだと栄一が怒りを感じるのですが、結局はこの怒りが「徳川の世はもうダメだ」という考えにつながって、その後の攘夷運動に走る切っ掛けになるというのは別の番組で紹介されていました。まあここで栄一が怒りを感じるのは当然で、国民から集めた金を自分や友人などに個人的にばらまいておいて、さらに一方的に増税して国民から巻き上げる額を増やすような権力者には、怒りを感じない奴の方がバカだと言うことです。

 

開国で大混乱の幕府で慶喜待望論も出ているようですが・・・

 幕府の方はペリーの再来航でドタバタしたようです。水戸の斉昭は「攘夷だ!!」と吠えているようですが、確かにペリー艦隊単独ぐらいなら追いやることは可能ですが、それで諸外国をすべて排除できると考えているのはさすがに世界を知らなすぎるでしょう。この時点で水戸が本当にそれをやったら長州がされたことを水戸が体験することになったでしょう。まあそうなったらそうなったで歴史は変わりましたが。なお斉昭と井伊直弼で意見が対立して板挟みになった阿部正弘がいかにもしんどそうでしたが、そりゃこれではストレスで早死にするわなと妙に納得する(阿部正弘は39才で急死している)。なおこの時の両者の対立が後の桜田門外につながると考えると妙に感慨深い。

 そして何だかんだで慶喜待望論が湧き上がってきているようなんだが、その草薙慶喜が全く英明なところを感じさせないヌボーッとした捉えどころのない人物というのが・・・。相変わらずの棒演技だし。何かここのところのあまりのズレは「もしかしてここは笑いを取りに来ているシーンなんだろうか?」などと見ていて悩んでしまいそうなところなんだが、そういう意図があるようでもない。

 というわけで、まだ主人公が世の中にほとんどかんでいないということを考慮したとしても、何か今ひとつパッとしない話なんだな。もう少し何とか話が盛り上がるんだろうか? でないと私も付き合いきれなくなる可能性が・・・。

 

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