徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

青天を衝け 第5話「栄一、揺れる」

不満の高まっていく栄一

 先週、無能役人に偉そうに大金を請求されて頭に来た栄一ですが、一週間経ってもまだ怒ってました(笑)。まあ今の世の中のシステムが根っこからダメであることを痛感したことでしょう。回りの影響で攘夷思想に染まり初めて来たようです。もうすぐ一端のテロリストになる日も近い(笑)。

 で、そこに降って湧いたのが姉の婚約解消。どうも迷信深いアホなおばさんが狐憑きとかの馬鹿を言い出して・・・って話になってますけど、実際は結婚相手は商家としても成功していて本人も申し分ない相手ってことですから、本当は嫉妬で壊しにかかったんじゃないですかね。さすがに大河ドラマではそこまで醜い描き方を露骨にはしませんが。実際に親戚の中で一家だけがステイタスが上がりそうな状態になったら、足を引っ張ろうとするってことはよくあります。またどうやら焚きつけたのが叔父でなくて叔母ってのも。

 そして婚約解消になった姉はしばし放心状態。それなのにその原因を作った叔母は勝手に狐憑きだとか馬鹿げたことをいってインチキ修験者一行を連れてくる状態。こりゃ栄一もキレますわ。本音では「そもそも原因作ったのはお前だろ!」と言いたいところでは。そして修験者共のインチキを完膚なきまでに暴いてしまうと。さすがに元々口の減らないガキです。それが順調に成長した模様。

 

社会不安があるとインチキな迷信が流行します

 そう言えば恐山のイタコなんかも、なぜか呼べるのは日本人だけで外国人はダメだとか。ゴッドマーズ(元祖腐女子が熱狂した美形キャラ合体ロボットアニメです)のファンのオタが、「マーグの霊を呼び出してくれ」と言ったら「外国人はダメ」と言われたとか(笑)。

 そう言えば私も大学生の時、いきなり顔のところに手をかざされて「パワーを感じるか」なんて言われたから、「お前の手から出ている遠赤外線を感じる」と言って、そのパワーなら私も持っていると逆に手をかざしてやったことがあったな。いつの時代にも胡散臭い奴はいますが、世の中が不安になるとそういう輩がはびこるんです。昔から宗教というのは、悩み事で精神の抵抗力が落ちたときに忍び寄ってくるタチの悪い病気ですので。

 で、この騒ぎのドタバタの合間にさり気に「アマビエ様」まで登場してましたね。この時も実際にアマビエ様って出て来たんだろうか?

 

攘夷バーサーカーと化している斉昭と切れ者?慶喜

 その頃幕府では開国に纏わるドタバタで斉昭が吠えまくってました。先週の「英雄たちの選択」では斉昭は外国の状況も心得た上で、実は現状では一時開国もやむなしという冷静な判断を行っていたといってましたが、全くそんな影は微塵もない。あれではただの攘夷バカです。挙げ句の果てがロシア船が転覆したら、この際に皆殺しにして攘夷を実現しろなんて超外道発言までしてるし・・・。どうも竹中斉昭はただの熱血バカにしか見えんな。

tv.ksagi.work

 そして相変わらず草薙慶喜は賢そうなところも鋭そうなところも全く見えず、つねに画面に「ヌボーッ」と文字が見えているような雰囲気。うん、確かにこいつが将軍になったらそりゃさっさと大政奉還するだろうなと妙にそこのところだけは説得力がある。また鳥羽伏見の戦いの時に大阪から自分だけ逃げ出したのも・・・。そうか、むしろこの方が説得力のある慶喜像か(笑)。だとしたら、こんな奴が最後の切り札という状況の将軍の人材不足こそが一番の根底問題か。

 

安政地震で斉昭の安全弁が亡くなってしまった

 そして安政の大地震が起きて(下田での地震はこれの余震か?)、水戸藩邸も被害が出て(水戸藩江戸藩邸から江戸城まですべて同じセットにしか見えなかったのが安っぽいですが)どうやら斉昭の懐刀の藤田東湖が亡くなる。斉昭が「トーコ、トーコ」と叫んでいるから、最初は嫁のことかと思った。

 ロシア人の時には「天災で家族や大事な人が亡くなったら悲しいのは異人でも同じ」と言われても「そんなこと知るか」とうそぶいていた斉昭にもろにそういう境遇が押し寄せて、まさに「因果応報」という文字が画面に浮かびそうな展開です。この後、斉昭を引き立てていた阿部正弘も亡くなりますし(この番組だと斉昭が過労死に追い込んでいるよな)、斉昭は失意の中で身を引くという展開か。

 

次話はこちら

www.ksagi.work

前話はこちら

www.ksagi.work