徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

青天を衝け 第15話「篤大夫、薩摩潜入」

名前をもらった栄一に隠密任務が

 初給料をもらってうきうきの栄一と喜作ですが、円四郎から「武士らしい名前をつけてやろう」と栄一に与えられた名前が「篤大夫」。何か視聴者も今ひとつピンとこない名前ですが、栄一自身も「何か年寄り臭い」とイマイチの模様。まあ後に「渋沢栄一」で名が残っているところを見ると、結局はしっくりこなかったんでしょうね。一方の栄一が名前をもらったことで喜作も円四郎に名前をねだり、円四郎が苦し紛れに「成一郞」という名前を考えつきます。栄一はどちらかと言えばこの名前の方が良さそう。また喜作も喜んだようで、その後はこの名を名乗ります。実際に歴史でも渋沢成一郞で残っているので、生涯使ったんでしょう。確かに喜作はいかにも百姓臭い名前なので、成一郞の方が格好が良いでしょう。「篤大夫」は「顔の割に派手な名前」と西郷に言われていたところを見ると、やっぱり爺臭い名前なんでしょう。

 

だけど結局は真っ正面から乗り込んでいる

 で、名前をもらった栄一(私も「篤大夫」って名は使う気にならん)は円四郎から隠密を命じられる。任務は折田要蔵の人となりを見極めてくること。折田は薩摩藩士であるが、砲術士と言うことで摂海防禦御台場築造御用掛として、大阪湾に砲台の建設を命じられている。とにかく人材リクルートが必要な一橋家としては、使えそうな人材だったら引き抜こうという腹もあって、栄一に「なんとか潜り込んで見極めてこい」との命。もっとも回りには血の気の多い薩摩藩士もウロウロしてるので、下手したら斬られるかもって話でもある。

 さてここに栄一がどうやって潜り込むのかと思えば、堂々と「一橋藩士・渋沢篤大夫」と名乗って乗り込んでいるのには肩が落ちた。おかげで最初からいかにもヤバゲな薩摩藩士共には「あれは密偵に違いない」と目をつけられている始末。

 で、件の折田要蔵だが、やたらに「摂海防禦御台場築造御用掛」という役職名を「勉強しまっせ、引っ越しのサカイ」の調子で繰り返すだけのわけの分からんオッサン。栄一が瞬時に「こりゃ使えんわ」と判断しているのが覗える。にしてもこの作品、主人公に関わらない人物に関しては大概な描き方をするが、この折田も散々な描き方だな。これ子孫とかから苦情でないのか? 一応この方、後に湊川神社の初代宮司になってるんですが。

 

慶喜は役職を巡って島津久光とバトル

 栄一が折田の調査をやっている間に、禁裏御守衛総督の座を巡っての島津久光と慶喜との対決が。久光はこれに就任することで天皇を抱き込んで政治的発言力を増すことを考えていたのだが、どうやら久光のことをとことん嫌っているらしい慶喜は、それを阻止すべく動く。結果としては裏で平岡円四郎が動き回って、慶喜が禁裏御守衛総督の座に就くことに。怒り心頭の久光は、どことなく陰険な雰囲気のある大久保利通と共に一旦薩摩に退くことになるが、この時に「慶喜の元で動いている平岡円四郎が要注意」という類いの事を言ってるので、裏から手を回すことを考えているのではと匂わせている。

 一方の栄一は結局折田からは得るものは無かったが、栄一にとっての収穫はここで西郷吉之助(西郷隆盛)に会ったことだろう。ちなみに西郷は博多華丸が演じているのだが、やたらに目をむく演技がわざとらしくてギャグっぽいが、元々の派手な顔立ちが幸いして意外に西郷っぽくはある。

 

西郷に見込まれたっぽい栄一ですが、一方で円四郎には死亡フラグが

 折田についての調査を済ませて、一橋家に帰ろうとした栄一だが、どうも薩摩藩士の連中は「どうせ密偵だから、このまま帰さずにぶった切ろう」という雰囲気がプンプンだが、ここで西郷が栄一を酒に誘う。西郷は栄一の人となりを見定めようとしたのだろう。そこで豚鍋を挟んで天下談義になるが、そこで栄一は「幕府は倒れる」と言い切る。そしてその後は力のある諸侯が取り仕切ることになり、それは慶喜になるだろうと。西郷は薩摩ではダメかと話を振るが、栄一は薩摩の殿様にそれだけの徳があるならそれでも良いがと西郷にとっての痛いところをついている。実際のところ西郷は自分を散々冷遇した(どころか島流しにまでした)久光の器量は斉彬とは比較にならないぐらい劣ると考えているのだから、西郷の苦々しい胸中が見えるような気がする。

 結局は西郷は栄一を助けて薩摩の黒豚の売り込みをした(笑)という結果になっている。ちなみに慶喜も豚肉が大好きで、薩摩にしょっちゅう豚肉の献上を命じたから、これが原因で薩摩が倒幕に走ったという噂まであるぐらいなんだが・・・。

 で、ここで西郷から「平岡円四郎のように先が見える者は往々にして非業の死を遂げる」との話が出て、円四郎に死亡フラグが立ちます。実際に栄一が屋敷に戻ると周辺に怪しげな連中がウロウロしており、円四郎の死亡フラグがビンビン・・・と言っていたら、来週死んじゃうようですね。とにかく慶喜には腹心と呼べるような家臣が少なかったので、ここで円四郎を失ったことがその後の運命まで左右することになるようです。

 

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