徒然草枕

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青天を衝け 第18話「一橋の懐」

天狗党との正面衝突は回避できたが・・・

 栄一達は天狗党を一戦を構えるべく出陣。成一郞は先行してリーダーの武田耕雲斎に密書を届けに。しかし天狗党の面々は既に追討軍との戦いでボロボロの状態。慶喜なら自分達を助けてくれるだろうと京に迫っていた一行にとって、慶喜からの「解散しないと討伐することになる」という手紙は事実上の最後通牒これはキツい。藤田東湖の馬鹿息子は慶喜が日和ったと激怒していたが、さすがに耕雲斎は「我々が一橋様をここまで追い詰めてしまった」と一応状況は分かっている模様。そしてこれが日本での嵐のような尊皇攘夷運動の最後となります。

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 栄一はとりあえずかつての同志と戦闘することにならなくてヤレヤレですが、天狗党の面々は慶喜と合流させたくないという幕府の思惑で全員打ち首(切腹でさえない)。これには慶喜も本音では「すまん」というところだろう。成一郞は「一橋家が武力が無いから幕府に侮られた」と激怒。これで栄一は西国の領土から兵を集めてくると慶喜に申し出ることに。

 

兵を集めに行った栄一の邪魔をする小役人に恫喝一発

 栄一は今の時代だったら自分の檄に乗ってくる若者はいくらでもいるだろうと考えていたのだが、案に反してあまりに冷ややかに迎えられる。そもそも百姓にいきなり戦えと言っても生活もあるし無理かと長期戦に切り替え、近くの塾などに出入りしていたが、そこには自分と同様の暑苦しい奴らが存在している。これは絶対おかしいと感じた栄一は名主達をとっちめたら、代官が栄一に協力するなと言っていたという真相が判明という次第か。

 代官の考えが今ひとつ読めんが、農家の若い連中が駆り出されて収穫量が落ちることを嫌がったのか、単に成り上がりの栄一に手柄をあげさすのが癪だったか。まあその両方という雰囲気だが、栄一が「このまま役目を果たせなかったら自分は死ぬことになるけど、その時はお前も道連れだからな」の脅し一発で強引に協力させてます。栄一も恫喝というスキルを獲得した模様。成り上がりだろうが何だろうが、今の立場は栄一の方が上だからどうとでも脅せるわな。「代官というのはいずこもタチが悪い」ていうのは自分の故郷のことを思い出しているのは間違いない。まあ確かにいつの世も、実は小役人というのが一番タチが悪かったりする。権力を笠に着て保身に走りやすいから。

 無事に200人ほどの兵を集めて帰還した栄一は、慶喜から褒賞をもらうことになるが、その席で慶喜に藩の経済力を強化する必要性を訴える。栄一は無駄に領国でプラプラしていたわけでなく、そういう金策も考えていた模様。やっぱり栄一は本質的に武士よりは商人。ここで商人としての才覚が現れてきた。ようやく栄一が栄一らしいスキルを活用して活躍する展開が登場・・・ということで、やっとここから「大河ドラマ渋沢栄一」開幕である。うん、ここまでの前置きが長すぎた。

 

ここまでが無駄に長すぎて構成が悪すぎる

 本当に前置きが長すぎ。特に一橋家に仕官するまでのエピソードなんてまるっきり無駄。そもそもどうせ史実に存在しない創作ばかりなんだし。本当にこのドラマは、カイコが踊るなんて気色悪い映像作っている暇があるんなら、なんでその辺りのことをしっかり考えてなかったのやら。10話ぐらいまでの話を私なら全3話程度でまとめたな。絶対に描いておく必要があるのは、岡部のクソ代官に対して栄一が反感を抱いたというシーンぐらいで、後は栄一が逃げ出すことになったあの雑なテロ計画ぐらいだけで良い。とにかく一番不要なのがあのグダグダした恋愛物語。渋沢栄一って決して家庭を大事にした人ではないんだから、ああいう話は無用の極地。第1話で栄一の生まれ育った血洗島での栄一の暮らしを描き、あの岡部のクソ代官との話で栄一が幕府はもう限界であることを感じるところまで、後はそれを原動力に尊皇攘夷思想に突っ走る辺りが第2話で、あの雑なテロ計画を立案するがそれが頓挫して逃げ出すところを第3話にしたら、始まって1月で物語が動き出すことになる。結婚なんて途中でナレ婚で十分。

 この作品、序盤にグダグダしすぎたせいで、そこでかなりの視聴者を逃がしていると思う。実際に私もあまりにつまらなくて1ヶ月ぐらいで落ちようかと本気で思ったから。このブログのコンテンツにしているという使命感(笑)がなかったら、間違いなく落ちてたと思う。いくらNHKは視聴率が低くてもスポンサーに打ち切り食らうことがないといっても、この構成はあまりに下手すぎる。実際のところ渋沢栄一の話はここからいくらでもエピソードを盛り込む余地があるので、これからのペース配分考えても、序盤のグダグダは無意味。そのせいで終盤が駆け足にでもなったら何やってるの分からないお馬鹿ぶり。

 

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