徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

今シーズン初めての関西フィルの定期演奏会に出かける

5ヶ月ぶりの関西フィル

 今日は仕事が終了してから関西フィルの定期演奏会に出かけることにした。考えてみれば関西フィルの定期演奏会は今年の2月が最後。3月は体調不良&コロナ感染拡大で断念、今シーズンになって4月は緊急事態宣言直前でパス、5月は中止、6月もパスということで、4回連続見送りで、その間に3回分のチケットを無駄にしていることになる。

 今までは緊急事態宣言とかを結構真面目に守ってきたのだが、当の政府が最大の感染拡大リスクであるオリンピックを強行開催するとのこと。それを見ていると何やら馬鹿らしくなってきた。それに私の行動経路を考えると、これで感染するのならどこにいても感染する(仕事に出ること自体が不可能になる)ということで、さすがにそろそろ出かけようかという気にもなってきた。そう言うわけで、実に5ヶ月ぶりの関西フィル、さらにはザ・シンフォニーホールである。関西フィルについては今シーズンは初ということになる。

 大阪までの移動は言うまでもなく車。まだJRで大阪に行ける日は遠いだろう。私自身がワクチン接種を終えてさらに世間でも感染が下火になってからではないと、危なくて列車に乗る気にはなかなかならない。そう考えると最低でも今年いっぱいは鉄道やバスに乗ることがないのではないかという気がする。仕事を早めに終えると車で大阪に直行するが、途中で渋滞に出くわして予定よりも到着に時間を要する。やっぱり人出自体が明らかに以前よりも増えているのを感じる。

 

久しぶりのラーメンを食べるが

 とりあえず予定していた駐車場に車を置くと開場までの時間に夕食を摂ることにする。かなり久しぶり(1年近く行ってないか?)に「サバ6製麺所」を訪問、「鯖醤油+炒飯」を注文。確か以前は980円だったはずが、知らない間に1000円ちょうどに値上がりしている。これもコロナ禍の影響か? それとも無能な政権の飲食店見殺し政策のツケか?

f:id:ksagi:20210709235055j:plain

久しぶりのサバ6製麺所

 かなり久しぶりのラーメンである。炒飯はやや濃いめの味付けであるが、相変わらず私好みである。ただラーメンが思っていたよりも塩っぱい。昔からやや塩っぱいめのラーメンだが、私の記憶よりも少々塩っぱすぎるように感じられる。味付けが変わったのか、お籠もり生活の間に私の味覚が変わったのか、それとも私の体調のせいか。原因は不明であるが、これではあまりに塩っぱすぎるというように感じられた。

f:id:ksagi:20210709235137j:plain

炒飯は相変わらず私好みだが

f:id:ksagi:20210709235152j:plain

ラーメンがいささか塩っぱすぎる

 夕食を終えるとホールの方へ。相変わらずかなり入場ゲートは警戒厳重である。観客の方はまずまずの入り。6割程度というところか。どうも会員席と思われる部分に空席が多い。高齢な会員が多いだけに、やはりまだ出てくるのはためられるものも少なくないのだろう。また今日のプログラムもいささかマニアックだし。

 

関西フィル第321回定期演奏会

f:id:ksagi:20210709235246j:plain

指揮:高関 健
クラリネット:梅本 貴子(関西フィル首席奏者)

ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番 ヘ短調 作品73
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 作品65

 ウェーバーのクラリネット協奏曲は初めて聞く曲だが、いきなりかなり大仰な前奏で始まるところはもろにオペラ調。ソリストがクラリネットというよりも歌った方が合いそうだという印象を受けた。節回し自体はシンプルで明快なのはウェーバー的か。なお曲が進むにつれて軽快さが増し、最後の第3楽章などは協奏曲的ではあったが。

 梅本のクラリネットはやや硬めの印象。曲調的にはもう少し遊んでも良いような気がするのだが、どうも冒頭からかなり硬くて一本調子なように感じられた。演奏自体は尻上がりにこなれてきた模様。第三楽章の入りが高関とタイミングが合わずにお見合いになるなどというトラブルはあったが、まあご愛敬。最終的にはまずまずの演奏。

 後半はショスタコのやや難解な交響曲。冒頭の第5番を思わせる低弦の厚い演奏が結構グッとくる。総じて弦楽陣はかなり好調。ショスタコらしくヒステリックな馬鹿騒ぎが唐突に展開するなどの変化の激しい曲調だが、絶叫に近い演奏になってもアンサンブルが崩壊することなくかなり引き締まった演奏。管楽陣も細かく見ていけば金管にたまに危ない部分も散見されたが、関西フィルには珍しいぐらいのパワーのある演奏となった。

 高関の指揮はツボを押さえてオケを引き締めており、長大な曲にもかかわらず最後まで演奏が弛緩することがなかった。その解釈は明快かつ簡潔であり、この難解な交響曲でも聴衆を脱落させることなく最後まで引っ張ったその集中力溢れる演奏は見事。関西フィルのこれだけ冴えた音色を聞いたのはかなり久しぶりのように思われる。さすがに高関、なかなかやる。


 なかなかのテンションの漲る冴えた演奏に場内はかなり盛り上がっていた。やっぱり、高関、下野、広上といった辺りの指揮者は、見た目は小柄で風采が上がらないが、その演奏はなかなかに侮れないところがあると改めて感じられた。