徒然草枕

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ベルリンフィルデジタルコンサートホールでフルシャのブルックナー4番

ベルリンフィル新シーズンの2回目

 ベルリンフィルデジタルコンサートホールでは日本向けに時間差ライブ配信(考えてみたらおかしな言葉だが)を行っているが、今日は新シーズン第2回目としてヤクブ・フルシャ指揮でブルックナーの交響曲第4番他が放送されたのでそれを聴くことにする。

 それにしても昨日はかなり久方ぶりに山城攻略に繰り出したのであるが、恐れていた通りにそのダメージは見事に足腰に現れていて、今朝方から太股からふくらはぎにかけて攣ったような痛みが続いている。問題は明日どうなるかである。実際のところ、年を取ってからダメージが現れるのが遅れるようになってきて、最近は運動した2日後辺りが痛みのピークになることが多い。もし明日、今日以上に痛みが増すようなことがあったら歩くのも困難になるのであるが・・・。

 

 

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団コンサート

指揮:ヤクブ・フルシャ
アンドリュー・ワッツ(カウンターテノール), テルツ少年合唱団

オルガ・ノイヴィルト
《ヒッポグリフのためのキーフレーム~ヘスター・ダイアモンドを偲ぶ音楽カリグラム》ブルックナー
交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》(第2稿1878/80年版)

 一曲目はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団委嘱作品・初演とのこと。まあ典型的な現代音楽である。カウンターテナーの非旋律的な歌唱に少年合唱団まで加わった声部を中心にオケのややヒステリックな演奏が重なる奇っ怪な曲。嫌悪感を抱くところまでは行かないが、私の理解の範疇を超えた曲である。ただ何やら魂の葛藤のようなものを思わせる曲ではある。

 20分の休憩後にブルックナーのロマンティックだが、フルシャのブルックナーは重厚さよりも軽快な美しさが正面に出てくるもの。金管の響きなども重苦しい荘重さはなく、もっと華やかである。弱音部などは極端に音量を絞った非常に抑揚の強い表現で、第一楽章からその名の通り「ロマンティック」な演奏。テンポはゆったりとしているものの、そこには重さは皆無であり、今まで聞き慣れた重苦しいブルックナーとかなり印象が違うので面食らう。一曲目の現代音楽からやけに華やかに楽器を鳴らさせると感じていたが、どうやらあの曲固有でなくて、これがフルシャの芸風のようである。

 やけにエレガントだった第一楽章に続く第二楽章はいささかメランコリックである。特に弦楽陣に実にしっとりと謳わせる。そして一貫して静かで美しい音楽であった。

 躍動感のある金管で始まる第三楽章は、華麗な金管がリードする前進力のある快活な演奏。フィナーレもゆったり目のテンポで実に優雅な表現であり、強音部でも楽器が咆哮するような場面は皆無。金管の強音が決して荒々しくなることはなく、非常に節度の効いた角が落ちた演奏という印象がある。もう少しガツンとかますところがあっても良いような気もする。

 軽やかで美しくマッタリゆったりと謳うブルックナーという、今まで私が聴いたこのないタイプの演奏であった。これはこれで面白くはあるが、ブルックナーにはもう少し田舎くさい野卑さもあると考えている私には、あまりに上品に過ぎる演奏という印象である。つまりは下品な私にはあまりに垢抜けしすぎていて野性味に欠けるというところ。