ベルリンフィルのコンサートで心と体を癒やす
今日は先週に続いて播磨地域のマイナー山城リハビリ登山に出かけており(これの詳細については別途詳細な記事を作成中)、夕方頃に疲れて帰ってきた。まあ身体はクタクタなのであるが、久しぶりに身体を動かしたことで心身の具合は悪くない。この状態で今日は今期のベルリンフィルデジタルコンサートホールの時間差ライブ配信の第3回目を視聴することにした。
今回はペトレンコがコパチンスカヤを独奏に迎えての現代音楽と現代音楽の古典。最初はコパチンスカヤの独奏でドイツのもろに現代音楽家のカール・アマデウス・ハルトマンの曲を。後半は今や現代音楽の古典と言えるストラヴィンスキーの「火の鳥」。正直なところ私としてはそれほど得意ではないジャンルであるが、ペトレンコがどのような演奏を繰り出すか。
ベルリンフィルデジタルコンサートホール
指揮:キリル・ペトレンコ
ヴァイオリン:パトリシア・コパチンスカヤ
カール・アマデウス・ハルトマン
ヴァイオリンと弦楽のための《葬送協奏曲》
イゴール・ストラヴィンスキー
バレエ音楽《火の鳥》
ハルトマンの曲はナチスに抵抗しての曲だという。そのためかコパチンスカヤのややヒステリックな音色で始まる曲は重苦しくおどろおどろしい。ただ一般的な現代音楽というイメージよりもやや旋律的だが、それはフス派のコラールをモチーフにしているというためか。奇々怪々なおどろおどろしさの中に時折美しさも煌めかせながら、不可解なままに曲は終了する。正直なところ私としてはどう評価して良いかは分からない。ただ本音としては「意外と聞きやすい」というもの。
後半の火の鳥は各楽器がなかなかに美しい音色を鳴らすなという印象がまず来るが、この辺りはさすがにベルリンフィルらしい。音色に濁りがない。ペトレンコは殊更に誇張することなく、オケをゆったりと鳴らさせており、これが各人の音色の美しさを引き出しているのだろう。そして冴えるのは弱音の技。
総じて弱音が多い曲調なのだが、一転して有名な「カスチェイ一党の凶悪な踊り」などでは鮮烈で衝撃的な音色が繰り出される。しかしながら雑になることはなく、やはり一貫して美しさが保たれているのがペトレンコ調。そして再び盛り上がるの終曲であるが、これは焦らず慌てずの堂々たる大団円で締める。
さすがにペトレンコらしく、ベルリンフィルの名人芸を遺憾なく最大限に発揮した演奏であったと感じられた。この辺りは見事と言うべきか。